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#1857 フリースタイル生徒指導からの脱却

日本の学校教育では,学習指導面において同一歩調で実践を進めていくことが多い。

その最たるものが「校内研究」である。

校内研究では,全校で取り組むべき教育実践が規定される。

その実践を,どの教師もどの教室でも展開していくことになる。

しかし,生徒指導面において,同一歩調で共通の指導がなされることはめったにない。

なぜなら,「生徒指導」というものは,教師一人ひとりによる「学級経営」に関係するからだ。

この「学級経営」というものはブラックボックス化されており,教師の裁量に任されている部分が大きい。

つまり,他の教師が個人の学級経営に対して口出ししづらい面があるのだ。

だからこそ,学級経営の中の「生徒指導」というものは,全校共通の指導がされにくく,教師個人のフリースタイルに任せることになってしまうのである。

この構造が,子どもたちを混乱させることになる。

「あの先生は怖い」
「あの先生は優しい」
「あの先生は厳しい」
「あの先生は甘い」
というバラバラの見方を助長してしまうのだ。

全校で一貫した指導がされないことで,子どもたちの健全な発達が阻害されてしまうのである。

最悪なのは,伝統的に当たり前のように行われてきた「一方的に叱りつける指導」が,今も平気でなされていることである。

このような指導は,「効果がない」「無意味」であることがわかっているのだ。

にもかかわらず,教師たちはいまだに「一方的に叱りつける指導」を行っている。

・子どもの言い分を聞かず,頭ごなしに叱る。
・萎縮させるように怒鳴りつける。
・反省させるために罰を科す。

このような悪手を平気で行っているのである。

このような指導は,学校全体でなくしていく必要がある。

子どもの健全な発達に何の効果もないのだから。

そうではなく,時間をかけてでも,効果のある生徒指導を選択しなければならない。

子どもに問いかける指導,子どもの言い分を聞く指導,子どもと対話する指導,子どもに教え諭す指導,子どもに気づかせる指導など…。

学校教育では,学習指導だけではなく,生徒指導面においても共通の指導を規定すべきである。

効果のない悪手を禁止にして,効果のある生徒指導を全校統一で進めていくべきである。

フリースタイル生徒指導から脱却しない限り,子どもたちの健全な発達は遠のくばかりなのである。

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