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#1683 観察の理論負荷性を乗り越える

研究授業や参観授業では、それぞれの教師がそれぞれの見方・考え方で当該授業を観察する。

このときに、「観察の理論負荷性」という原理が働く。

たとえ同じ事実を見たとしても、その見え方は見る人によって異なるということだ。

つまり、たとえ同じ「授業」という営みを観察したとしても、その見え方は見る教師によって異なることを意味する。

これでは、それぞれの教師がもつ見方・考え方や大切にしている理論によって、事実の捉え方が異なってしまう。

そして、噛み合わない議論で終わってしまうのである。

これを打破するためには、観察する教師たちが「具体的で同じような事実」を共有することが求められる。

それを可能にするのが「授業終末に書く子どもの振り返り記述」である。

このような「子どもそれぞれの記述」こそ、具体的な事実なのである。

この具体的な事実を共有し、それに基づいて議論をしていく必要がある。

もちろん、授業者である教師も、子どもたちの学習の理解状況を見取る必要がある。

そのために「振り返り」を書かせるのである。

そして、その「振り返り」を活用し、事後研究会において議論の材料となる「具体的な事実」にもするのである。

そのような意味で、学習履歴を毎回「振り返り」という形で残すことは有意義なのである。

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