#91 教師のいらない学級づくり
なぜ「教師のいらない学級づくり」を目指すか?
それは子どもたちの「自律」のためである。
いつまでも担任に依存する人間を育ててはいけない。
教え子が人生で悩んだ時に、担任はもう助けることはできない。
自分で何とかしなければならないのだ。
そのための訓練として「学校」がある。
だから、正確には「教師がいなくてもいい学級づくり」を目指していく。
ではどうするか?
まずは学級のことを全て子どもの「自分事」にさせる。
給食当番のシステム、朝の会・帰りの会のシステム、授業の始め方・終わり方、学級のルール。
これら全てを「自分事」にさせる。
これまで、教師が決めるものだと思われてきたかもしれない。
しかしそれは教師が「やりやすい」からである。
だから教師が何でもかんでも好き勝手に決めてきた。
しかし実際に活動するのは誰か?
教師ではなく、子どもである。
だとしたら子どもが決めなければならない。
自分たちでアイデアを出し合って、どうすればうまく機能するか決めていくのである。
もちろん子どもは生活経験が乏しいので、悩んだり、対立したり、トラブルになったりするだろう。
教師はそういうときに助ければよいのである。
こうして学級のいろいろなことを自分事にさせ、自分たちで話し合い、決めていくようにさせていく。
次の段階は「試行錯誤」である。
これを繰り返していくと、必ず「うまくいかない」ことが出てくる。
これは当然である。
子どもなのだから。
ここで諦めずに、再度話し合いをさせ、改善点を決めていく。
「うまくいかない」ことは当然のこと、「成長のチャンス」であることを教師は伝えていく。
また「振り返り」をすることも大切になってくる。
この作業をすることで、「良いことは続け、悪いことは改善していく」という大切なことに気づくことができる。
最後は「教師がいなくなる」段階だ。
徐々に教師の出番を減らしていき、子どもたちだけで学級生活を送ることができるようにしていく。
何か問題が起きれば、話し合いをし、目標を決め、振り返りをしていく。
今までしてきた流れだから、子どもだけでもできるようになっているはずである。
この過程をふむことで「教師のいらない学級」が作られていき、子どもたちの自律性が増していく。
そしてこの過程こそが「自律的に学ぶためのステップ」であることを自覚することができる。
「問題を見つけ、解決するために協働し、試行錯誤し、振り返る。」
この過程を自覚できた子どもは、自律的な学び手に育っていくだろう。
そんな学級、そんな学び手を育てていきたい。
では。
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