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#416 係活動に必要な等価交換

学級における活動には、当番活動と係活動がある。

両者を混同してはならず、区別しなければならない。

前者は、学校生活をしていく上で必要な仕事である。

電気当番や黒板消し当番など。

後者は、なくてもよいが、あると学校生活が楽しくなるものである。

お楽しみ会係や学級新聞係など。

当番と係では、性質が違うのだ。

当番はその仕事をしないと、他の人に迷惑がかかってしまう。

だから、比較的忘れずに取り組むことができるだろう。

一方、係活動はというと、最初は勢いがある。

しかし、だんだんと下火になってくる。

活動が盛り上がらないことが多い。

なぜなのか?

係活動というのは、大人の社会で言えば、「社会経済」である。

つまり係活動は、社会経済の縮図なのである。

大人の社会では、人のためにサービスを提供したり、働いたりする。

人はそのサービスや恩恵を受け、その対価としてお金を支払う仕組みになっている。

人のために働けば、報酬が得られるのである。

つまり等価交換が成立している。

一方、係活動は等価交換が成立していない。

学級の友達のためにサービスを考えたり、楽しませたりしているのに、それに見合う報酬が得られない。

だから、活動の動機づけが持続しないのである。

それなれば、係活動においても、等価交換のシステムを導入したらどうだろうか。

よくある実践は、学級通貨の発行である。

社会で使う実際の通貨ではなく、その学級でしか使えない、手づくりの通貨を発行するのである。

しかし、この実践は怖くてできない。

まだお金の使い方をしっかり学んでいない子どもに、マネーリテラシーを教える自信がない。

「学級通貨が盗まれる」「学級通貨が紛失した」などというトラブルに、どう対処していいか分からない。

かなり高度なレベルの実践である。

私は等価交換のシステムとして、「付箋でほめ合う」活動を実践していきたい。

係ごとに自分たちの実践をプレゼンしたり、係ごとにポスターを作ったりし、その係活動が「学級のためになっている」と思う人は付箋にコメントを書いてプレゼントする。

良く機能している係はそれなりに付箋をもらえるし、下火になってしまっている係はあまりもらえないことになる。

まさに等価交換である。

よくある実践として、係活動を「会社活動」と呼ぶものがある。

まさに「係」は社会の縮図、「会社」と同じなのである。

実際にそこでお金が流れるか、お金以外のものが流れるかの違いはある。

しかし、根本的な「他人のために一生懸命働く」という原理は同じなのである。

ぜひ、このシステムを実践していきたい。

では。

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