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10年の時を経て再始動、KILLOUTインタビュー

2023年4月にアルバム『Spirit of '83』をリリースした、”RETURN OF TOKYO OLDSCHOOL”を掲げる東京のHCバンド「KILLOUT」に、BRAVE OUT(Gt.)/WRONG STATE(Gt.)/FIRED STOMP RECORDSの高砂氏がインタビューしました。こちらのnoteで公開いたします。

『Spirit of '83』

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インタビュアー:高砂(BRAVE OUT, WRONG STATE, FIRED STOMP RECORDS)、編集:EROLIN


高砂(以下、タ):
最初にKILL OUTの簡単な紹介をお願いします。

KILLOUT(以下、K):
東京で活動してるハードコアバンドKILLOUTです。
音は80's〜90'sのNYHCを中心に影響を受けてて、ある方の受け売りですけど、座右の銘は『RETURN OF TOKYO OLDSCHOOL』です(笑)
メンバーはボーカルが$、ベースがKota、ギターがAbeyanとKRSで、ドラムは現在サポートでAkioにやってもらっています。
$以外のメンバーはKILLOUTだけでなくKotaはCREEPOUT、Abeyanは主にCREEPOUTやDOMINATEのヘルプ、KRSは主にTragic Filmでボーカルを、そしてAkioは、Kill ListMAKE IT LASTSOUL DISCHARGESTANDOUTTHE BREATH、Tragic Film、、、などなどそれ以外にも数え切れないぐらいバンドでドラムをかけ持ちしています(笑)
あと昔からよくフライヤーとかに書かれるんですが、バンド表記はKILLとOUTを離さずに”KILLOUT”になります。よろしくお願いします(笑)

タ:
”KILLOUT”ですね、承知しました(笑)
『RETURN OF TOKYO OLDSCHOOL』とは、東京で影響を受けたバンドなどがいるみたいな感じでしょうか?

K:
もちろんあります!俺らのことを昔から知ってる人は分かるかもしれませんが、PROTECTには強い影響を受けていますね!
それと『RETURN OF TOKYO OLDSCHOOL』は、SAIGAN TERROR / IMPRIUM RECORDS / K.V.L.TH8MONGER氏にアルバムのティーザーを制作してもらったんですが、その時につけてもらったものなんです。
その後もH8MONGER氏にはMUSIC VIDEOも制作してもらったり、色々アドバイスをもらったりと感謝してもしきれないくらいで、足を向けて寝られません(笑)
そもそも俺らとしては、昔から一方的に知ってる偉大な先輩なので、そんな人に関わってもらえただけでも光栄です。

RETURN OF TOKYO OLDSCHOOL

タ:
改めて『Spirit of '83』リリースおめでとうございます!タイトルから察するに、皆さん1983年生まれの同世代なんでしょうか?

K:
ありがとうございます!
タイトルはアルバムの最後の曲名でもあるんですが、Akio以外のメンバーが全員1983年生まれなのと、今回リリースしてもらったDIRTY RATS RECORDSのMOTTYSAWSKも1983年生まれなのでリリースに向けて話し合ってる時に、その場にいた全員が同い年だったのでこのタイトルと曲名が浮かびました。なので1983年生まれでないとNGとか、そういう厳格なくくりは一切ないです(笑)
最も、何度かメンバーチェンジを繰り返して現在に至ってますが、過去のメンバーも1983年生まれのメンバーが多かった気がします。
ちなみにDIRTY RATS RECORDSのSAWSKも元メンバーです(笑)

タ:
2002年結成ということで、バンド結成の経緯を教えてください。

K:
もともと$とAbeyanが高校の同級生でずっとハードコアが好きで一緒にライブハウスに行ったり遊びでコピーバンドをやっていたんですけど、高校を卒業してから本格的にバンド組もうってなったのがきっかけです。
最初は$の地元の埼玉県熊谷市で結成して、地元の先輩たちに手伝ってもらいつつ、北関東のシーンをメインに活動していました。

タ:
何のコピーバンドをやっていたんでしょうか?(笑)
シュンさん($)アベカワさん(Abeyan)がハードコアにハマったきっかけが気になります。

K:
(何のコピーバンドについて)恥ずかしすぎてこの場ではとてもとても、、、(笑笑)
会った時に直接聞いてもらえればそっと耳打ちします。ちなみに日本のハードコアバンドです(笑)

ハードコアにハマったきっかけは俺らは栃木の高校だったんですけど、高一の時に茨城の友達がハードコアが好きでバンドをやっていたので、そのライブを見に行ったのがきっかけです。
ちなみにそのライブハウスはTOO CLOSE TOO SEETRUE FIGHTがホームにしている下館EVIL GARAGEで、今年の4月のアルバムリリースの日にレコ発でTRUE FIGHTに呼んでもらいました。
個人的には自分のハードコアの原点の場所でライブができて感無量でした。TRUE FIGHTには本当に感謝です。
あと、高校の友達の中にはラッパーやグラフィティライターがいたり、ハードコア、ヒップホップなんかのクラブミュージック、グラフィティがやたらと流行っていましたね。
都会の高校じゃ当たり前かもしれませんが、当時の栃木で周りに何もないド田舎な高校にしては、新鮮でなかなかナードなハイスクールライフを送れました(笑)

栃木ハイスクールライフ

タ:
前回の音源は 2004年に参加したV.A.『
HARDCORE BALL 6』(STRAIGHT UP RECORDS)ですよね。これきっかけにEX-Cと知り合ったかんじですか?

かなりの好メンツ

K:
そうですね。たしか俺らが3曲目でEX-Cが2曲目で、EX-Cは聞いていてストレートな感じで入ってきて、カッコイイしルーツ的なものが一緒だなーって勝手に思っていたのは覚えています。
最初はROUGH ROCK POSSESTにHARDCORE BALL 6のレコ発大阪場所に声をかけてもらって、その時に同じV.A.に入ってるEX-CやBOXED IN、それとMASTERPEACEのメンバーを紹介してもらったのを覚えています。
その後もROUGH ROCK POSSESTとMASTERPEACEのレコ発ファイナルに呼んでもらって、その時にB SIDE APPROACHを初めて観てカッコイイなーって思ったのも覚えていますね。

タ:
なるほどです。12月2日の大阪で僕と
SMDcrewで開催する『HARDCORE GRANDPRIX』ではEX-CやB SIDE APPROACH、MASTERPEACEと長年の時を経ての共演ですね。
tear da club upDOZEONEなど若くて、ルーツも近くて、センスも溢れるバンドもブッキングすることができて、自画自賛できるラインナップだと思っています。意気込みみたいなんありまっか?笑

MOTTYデザインver.
こちらはDaichang55デザイン

K:
今回は本当に素晴らしい企画に呼んでもらってありがとうございます!
昔からの盟友や年下ながらリスペクトできる若手バンド、各地方からも一筋縄ではいかないバンドと一緒にできるのは本当に嬉しいです!
フライヤーもMOTTYとDaichang55という東西の巨匠絵師に描いてもらい、DJ陣も東西屈指の猛者揃いで感謝感激です。
企画名やバンドのラインナップを見ても、もうこの日は地方世代問わずのハードコア甲子園みたいなもんだと思っているので、東京代表として優勝目指して気合い入れていきます!!
本当久しぶりの大阪で、いつ行ってもアツくて人情味のある大阪のハードコアシーンでライブできるのが楽しみすぎて今からたぎっています!(笑)
特に個人的には、最高にリスペクトしてるBRAVE OUTと初見初対バンのINSTRIDECiGWEST SIDE UNITYUNHOLY11が楽しみです!
それと初DJのTAKUちゃんのプレイも楽しみにしています!(笑)

タ:
2021年3月の
nervous light of sundayレコ発が10年ぶりのライブで、僕もそこで初めてKILLOUTの存在を知りました。あまりポジティブな話じゃないかもですが、バンドは何故止まっていたんでしょうか。

K:
バンド自体が活動しなくなる少し前ぐらいからメンバーのモチベーションが下がり気味で、スタジオに入っても何もしなかったりする時が続いてたんですよね。その中で、特に$が公私ともに大変な時期でバンドに対するモチベーションも完全に消えたのがきっかけですかね。
ライブも決まってたライブをすっぽかして$以外の当時のメンバーでライブハウスに謝りに行ったのを覚えています。
確かにポジティブな話じゃないですけど、そういった黒歴史も歌詞に反映させつつポジティブなものに変えています(笑)

タ:
10年の時を経て再始動。よっぽどの心境の変化がないと、動き出せないと思います。何がきっかけだったんでしょうか?

K:
2019年のちょうど今ぐらいの年末、本当久しぶりに$以外の現メンバーで新宿で会って飲んで、その時にまたバンドでもやろっか〜なんて話をしてる中でKRSが試しに$に連絡したら、たまたま$もその日に別で新宿で飲んでて、その後$も合流して朝まで飲み明かしたんですよね。その後も色々あったんですけどそれが再始動のきっかけですかね。
そもそも当初はKILLOUTじゃなくKRSをボーカルにして全く新しいバンドを組む予定だったんですけど、KRSはKILLOUTのメンバーとも同い年で、昔から仲の良いKILLOUTを復活させたいってアツい想いがあったのもきっかけの一つですかね(笑)

アツイ男ことKRS

タ:
クロスさん(KRS)が再始動のキーマンなんですね。
シュンさんとしては、ハードコアシーンからそれまで距離を置いていた感じなんですかね。アベカワさんとは
ジョン・ジョセフ、ハーレー状態やったんでしょうか(笑)

K:
(Abeyanとはジョン・ジョセフ、ハーレー状態について)それは、、、(笑笑)そんなカッコイイもんでもなくお金も絡んでないし、そもそも話のレベルが違いすぎる気が、、、(笑)
ただ昔から長い付き合いなので、何ていうか長年やっているお笑い芸人コンビみたいな関係ですかねー(笑)

($について)ハードコアシーンからは距離を置いていましたね。ライブにも行かなかったし、シーンの人とも全く会わなかったです。完全にハードコアに対する熱は冷めていました。
ただ再始動する少し前にたまたまTragic Filmのライブに一人で観に行って、KRSとAkioに久しぶりに会えて彼らのライブを観て、久々に自分の中のハードコア熱に火がつきましたね。
KRSも埼玉の県北出身で地元が近くて、高校の頃から一緒に熊谷のライブハウスで遊んでいて、KILLOUTを結成してからもいつもライブに遊びに来てくれていたので、そのKRSとまさか一緒にバンドやるとは思わなかったですけど、間違いなくKRSがKILLOUT再始動のきっかけを作ってくれたキーマンですね。感謝しています。
それと、これはまたちょっと暗い話になるんですが、再始動する何年か前に自分の親父が亡くなって、親父とAbeyanは仲が良かったのですが、バンドが凍結してから一切連絡取っていなかったAbeyanに久しぶりに連絡したら、遠いところにも関わらずKRSとOBTが一緒にお通夜に来てくれて、その時に久しぶりに話ができたのも長い凍結からの雪解けというか、再始動に向けてのきっかけの一つだったかもしれません。

ハーレーAbeyan

ちなみにOBTは、KILLOUTの初代ギタリストでAbeyanのギターの師匠でもあり、熊谷でKINGPINというストリートブランドショップをやっていた当時の熊谷のストリートシーンのアイコン的な人で、KILLOUTの結成には欠かせない存在です。
そんな仲違いと長い凍結という黒歴史を抱えつつ、それを乗り越えてまた一緒にバンドをやってくれるAbeyanとKota、それとKOJI(現BAYONETS Dr.)にも感謝です。
KOJIについては、もともと凍結する前からのドラムで再始動した当初も叩いてくれてたんですけど、今は事情があってKILLOUTを続けるのが難しくなってしまい。。。
本当残念な事だったんですけど、そんな時にAkioが多くのバンドをかけ持ってて忙しいにも関わらず、快くサポートを引き受けてくれたんです。
Akioにも感謝しています。

普段口では恥ずかしくて絶対言わないすけど(笑)

Ba.KOTA
CREEPOUTもよろしくね
Dr.AKIO
色んなバンドよろしくね

タ:
リリースした音源について教えてください。バンド初期からやっている曲が多いのですか?

$:
アルバムの中の3曲だけ昔からやってる曲が入っています。それ以外は昔の曲のリフを使って作り直した曲も2曲あって、後は新しく全部作った曲です。既存曲3:作り直し曲2:新曲6って感じですかね。
特に新曲は、曲のバリエーションを豊富にしつつアルバム全曲を通してまとまりのある作品にしたいと思って昔の曲とギャップが出ないよう意識して作りました。
ちなみにHARDCORE BALL 6以降のリリースはないので全曲新録です(笑)

タ:
シュンさんのクセ強めな(笑)ボーカルスタイルは、影響受けている人がいますか?

K:
よく言われるんですがやっぱクセ強いすかね?(笑)
自分はNYHC、特に80's〜90's初頭のNYHCに強い影響を受けてるのでその辺の時代のボーカルに影響受けてます。それをごちゃごちゃに混ぜてたらそのー、、、クセ強スタイルになっちゃいました(笑)
最近はNY以外にも世界中にNYHCに影響を受けてる新しいバンドも多いので、その辺からも影響を受けています。
常にクセのアップデートをし続けているつもりです(笑)

クセ強Vo.$

タ:
ボーカルスタイルでも、バンドサウンドでもいいので、特に影響が強いバンドを教えてください。

K:
ボーカルスタイルは挙げたら切りがないですけど、
初期Agnostic FrontAltercation、初期BAD BRAINSBREAKDOWNCro-MagsGORILLA BISCUITSINSIDE OUTLEEWAYOUTBURSTSIDE BY SIDETOKEN ENTRYWARZONEの影響が特に強いです。
やっぱり選びきれません(笑)

バンドサウンドはもこれまた挙げたら切りないですけどCro-Mags、SHUTDOWNあたりの影響が強いですかね。

ただ最近は、ボーカルスタイルにしてもバンドサウンドにしても、上で挙げたバンドあたりをベースにしつつ現行のバンドからの影響も受けています。
最近は国内国外問わずどんどんカッコイイバンドが出てきているので。

タ:
来年の予定を教えてください。

K:
まずは、今回のアルバムのレコ発ファイナルとして自主企画をやろうと思っています。
それとまだ正式発表はできませんが、新しい音源をリリースする予定があって現在曲を制作中です。ゆくゆく発表しますので楽しみにしといてください。
そんなこともあって来年は今年以上にガンガンライブをやって、みんなでライブハウスで遊びまくってみんなと日本のハードコアシーンを盛り上げていきたいので、是非ライブに誘ってください(笑)

■KILLOUT

・Twitter
https://twitter.com/KILLOUT83
・Instragram
https://www.instagram.com/killout1983/
・Bandcamp
https://killout.bandcamp.com/album/spirit-of-83

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