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CG Magazine

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#c4d

Cinema 4Dでアニメ眉の表現

手描きのアニメのキャラクターの前髪の上に眉や目が描かれるのは、キャラクターの表情がわかりやすくする表現です。 ただ、これを3DCGソフトを使っての2D表現にするトゥーンレンダリングやセルレンダリングという手法では、とても難しいのです。というのも3DCGソフトは基本的には現実に沿ってレンダリングをするため、手前に何かものがあれば隠れて見えなくなります。現実でも前髪が長ければ、眉は隠れてしまうのと同じです。 3Dツールによっては、前後関係を無視して強制的にレンダリングする機能

Cinema 4D R23新機能: モデリング

リメッシュジェネレータ どんなメッシュも極力均等で四角ポリゴンで変換するリメッシュジェネレータが追加されました。簡易リトポロジーやスカルプト用のベースメッシュ、ダイナミクス用など様々な用途向けにクリーンなメッシュを生成します。図のような三角メッシュも均等な四角ポリゴンに変換できます。 ジェネレータですので、ポリゴンの密度をいつでも変更可能です。 UVも極力保持します。ただ、仕様上どうしても元のUVアイランドの境目は、修正が必要になります。 デフォーマが改善デフォーマが影

CGと写真を合成する方法その3:マルチパスを使う方法

これまでコンポジットタグを使う方法とシャドウキャッチャーを使う方法を紹介しました。今回は、マルチパスレンダリングという機能を使い、CG画像を影や反射、光沢などをレイヤー分けして、それを使ってPhotoshopやAfter Effectsで合成する方法を紹介します。 マルチパスレンダリングとはマルチパスとは、CGをレンダリングして画像や映像にしたときに材質の色や影、光沢、映り込み、オブジェクトごとのマスクなどを別レイヤーにして保存することです。 下の画像を見てください。こち

Cinema 4Dによる基本的なアニメーションの設定方法

Cinema 4Dでアニメーションを作る場合を作る基本的な操作を解説するセミナーを5月に行い、そのアーカイブを公開しました。 このウェビナーでは、どのようにアニメーションを作成しているかを以下のような流れで解説しています。 ・アニメーション作成前の設定 ・キーフーレームアニメーション:PSR(移動・スケール・回転) ・パラメータのアニメーション ・F-カーブについて ・振動タグを使って動かす ・ターゲットタグを使って動かす ・スプラインに沿うタグを使って動かす ・自動車の

再生

CINEMA 4Dでの物理演算をハイスピード撮影してみる実験

銃弾がバナナを撃ち抜いたり、水風船が破裂したり...CMやミュージックビデオなんかでもよく使われる、スローモーションの映像。なんてことない被写体でも、スローモーションってだけで面白みや見応え・シズルが出ます。 これはハイスピードカメラという、1秒間に1000コマとか撮れる特殊なカメラで撮影することで実現しているのですが、私のようなフリーランスが個人で導入するには少々敷居が高く...レンタルするだけでも1日10万〜30万以上かかります。 スローモーションの映像はずっと作りたかったんですが、機材が調達できない... というわけで、最近勉強しているCINEMA 4Dを使って、物理演算の実験も兼ねて、仮想的にハイスピード撮影をしてみました。 【制作手順】 ・以前作ったラクダのローポリモデルに衝突判定をつけて落下させ、それを、フレームレートを120fpsに上げたCINEMA 4Dのカメラでレンダリング ・Adobe Premiere Pro に読み込み、速度・デュレーションを12.5%に調整。このときフレーム補完方式を「オプティカルフロー」に設定 ・より「っぽさ」が出るように、ノイズやちらつきエフェクトを追加 (実際のハイスピードカメラはシャッタースピードがものすごく早く、ISO感度も上がってノイズも乗りがちで、蛍光灯の明滅もうつしてしまうので) という手順で作成しました。 本当はPremiereで速度を25%にしてちょうど30fpsにする予定だったんですが、それだと思ったより気持ち良いスローモーションになりきらなかったので、フレーム補完を使ってさらに引き伸ばしました。 Premiereで240fpsで書き出し直すのが画質的にはベストですが、120fpsのレンダリングでも52時間かかっているので、再レンダリングは断念しました...。 オプティカルフローは、もともとスローな映像だとわりかし綺麗に補完してくれます。 【所感】 ほんとに中身のない動画ですが、スローモーションにするだけで、やはりある程度見れるものになりますね。物理演算とスローモーションは相性が良い気がします。 C4Dは物理演算(ダイナミクス)がとっても簡単で気軽にできて面白いです。 カメラも理論カメラなので、フレームレートも自由だし、実際のカメラじゃ実現できないような設定(絞りを0.1にして過度にぼかしたり)にできたり、レンズも色々交換できるし、三脚もいらないし、動かせるし、いろんな構図を試せて楽しいです。 懸念すべきはレンダリング時間でしょうか...。レンダリングについては勉強不足なので今後いろいろ調べて試してみます。 【次回の課題】 引き続きC4Dのスキルを高めつつ、物理演算の可能性を探っていきます。もっと音楽に合わせたモーショングラフィックのようなものができれば、コンテンツになりうるかな... あとは効率の良いレンダリングについて調べます。 (追記)モデルがラクダなのは、故郷の鳥取にある砂丘へのリスペクトです。