翌日休みの日は「才谷」にもつ鍋を食べに行った方がいい

(注意喚起)
この文章には「口がくさくなる」というワードが出てきますが、それに引っ張られて読むのをやめてしまうと、口がくさい状態で大好きなあの子に告白をしたあとくらいの後悔にさいなまれることになるため、どうか途中で離脱せず、最後までお読みください。

翌日が休日で、誰とも会う予定がない日に行くべき場所があります。

それが、神戸の「才谷」というもつ鍋屋です。


人気者とは程遠いため、GWの予定も特になかったので、才谷へ行ってきました。


先ほどから「えらく翌日の予定のことを気にするなー」と思っている皆様、まずはその理由からお話しておきます。

それは、才谷へ行くと圧倒的に口がくさくなるからでございます。口がくさくなり、翌日誰かと会うことが不可能になるわけです。

翌日に誰かと会った場合、あなたの目の前にいるその方は、過去に見たこともないくらい顔を歪めることになります。


ところで、一つ確認しておきたいことがあります。それは、この文章の構成についてです。

今日、皆様にお伝えしたいことは「才谷へ行くと口がくさくなる」ということと、「才谷には口がくさくなっても全然許せるくらい美味しいもつ鍋がある」ということなんですが、どうしても先に「口がくさくなる」を経ないといけないわけです。


ただ、この「口がくさくなる」という衝撃の事実は、それだけでこの後の文章を読むのを辞めさせてしまう超絶怒涛の力を持ち合わせているので、心配なのです。
才谷の魅力が伝わる前に、才谷の魅力を伝えるためのこの文章がただの悪口レビューになってしまわないかということが。

そこで、私は考えたのです。冒頭の注意喚起を。だから、どうか皆さん、この後も最後まで冷静にお読みください。


と、前置きが長くなりましたが、神戸の元町にある「才谷」へ行ったのでその良さを伝えるためにこの文章を書いております。

神戸のもつ鍋といえば才谷、才谷といえば神戸のもつ鍋屋というくらい有名なお店ではあるのですが、せっかく口をくさくしてまで行ったので、せっかくだからその美味しさを文章に残しておきます。


ちなみに、今後「才谷」へいかれる際は、ぜひとも前日からのお店の予約をおすすめします。当日では、予約が取れず、口がくさくなるって聞いたから明日のデート断ったのに、結局もつ鍋食べれなかったとなってしまう危険性がありますので。

そんな才谷さんのもつ鍋ですが、「しょうゆ味」と「みそ味」を選ぶことができまして、この二択には、全人類が、フェルマーの最終定理にぶち当たった数学者くらい頭を悩ますわけなんです。

結果的にxとかyをなんとかこねくり回した結果、今回はしょうゆ味を選択するにいたったわけですが、この際「あのとき違う味を選んでいたら、俺の人生ってその先どうなっていたんだろう」という後悔とも懐古とも違う何かに頭を思い悩ますことになることだけは覚悟して、才谷へ行っていただきたいと思います。


そんなわけで味を選択し、オーダーをお願いするわけですが、その際忘れてはいけない品がもう一品ございます。

それが「牛のたたき風」でございます。

「風(ふう)」とつくものは、大概の場合、それを越えられない場合が多いです。
例えばローランド風の金髪長髪グラサンスーツの男性が街を歩いていても我々は「ふっ、ローランドもどきが」とどうしても思ってしまうように長い歴史の中で遺伝子にインプットされているわけですが、ところがどっこい、この「牛のたたき風」だけは、「風(ふう)」の呪いをこえてくるのです。

そうです、この「牛たたき風」はもつ鍋を待つ我々に本物のローランドに接客された女性くらいの幸せをもたらしてくれる代物なのです。



さて、そうこうしているうちにもつ鍋があなたの元に運ばれてくるはずです。

それは、調理場でもう食べられる状態まで仕上がった状態で出てくるため、無駄に待たされることなく、すぐに食べることができます。
あの地獄の「待て」状態を喰らうことなく、もつ鍋にありつけるわけですから、なんとも爽快な気分です。

それにしても、犬の「待て」ってあれなんのためにあるしつけなんですかね?


もつ鍋の美味しさを、私の少ない語彙力で表現するのは逆に失礼にあたりますので、その美味しさは実際に皆さんが味わっていただくとして、ただ一つだけ言えるとするならば、「翌日に口がくさくなり、大好きなあの子に会えなくても後悔しない味」ということになるわけです。

なんだか、料理を品評する言葉としては、えらく不似合いな言葉になってしまいましたが、これこそ才谷のもつ鍋に対する最上の褒め言葉ではないかと私は思っております。


ちなみに、もつ鍋は2人前からの注文が可能で、「もつ」や「キャベツ」や「野菜盛り」や「豆腐」などを追加注文することも可能です。
またダシに関しても、追加注文が可能ですが、2人前にもつとキャベツ追加で最後にシメであれば、十分にダシの追加をせずとも楽しめたことをここに報告しておきます。


さて、先ほどの「しょうゆ」か「みそ」問題に引き続き、最後に我々が直面するのが「シメは何にするねん問題」でございます。


シメには「中華そば」「うどん」「もち」「雑炊」などの選択肢が用意されており、先ほどの二択よりも後悔の度合いは大きく、そのぶん満足の度合いも大きくなるように設計されております。

ここで一つアドバイスをするならば、「しょうゆ」を選んだ場合には「うどん」。「みそ」を選んだ場合には「中華そば」。雑炊は、結構お腹が空いていたら。が一応今のところ私の中での結論なのですが、果たしてこれが正解なのかは誰にもわかりません。

フェルマーの最終定理どころか数学上の未解決問題「リーマン予想」くらいの難問であることは、安易に想像がつくわけでして、この難問が解けた人にはもつ鍋を1ヶ月毎日奢るので教えてください。


さて、そんなわけでシメまで味わって才谷はフィニッシュです。


口は驚くほどくさくなりますが、本当にそんなことどうでもよくなるくらいに美味しいので、ぜひ皆さんも翌日が休みで誰とも会う予定のない日には、神戸の才谷まで足を運んでみてください。


今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。

それではまた。


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