#20.歌がメチャ上手い生徒さん❣️惚れ惚れする声❤️
響く良いお声の男性50代のKさん。声種でいうとローバリトンで美声。惚れ惚れするぐらいの良いお声なのです。
生え抜きショークラブ現役歌手の平山てりです。
Kさんは、本当に音楽が大好きで、コンサートにもよく行かれるし、YouTubeサーフィンが日常。お仕事の合間に音楽を心から楽しんでおいでです。
とにかく歌が上手いっ!パッションを声で表現できてしまう、素晴らしいシンガーだと思います。
「歌が上手い上に、いい声なら、完璧だ!」と思いますよね?実は違います。
彼の悩みの一つでもありますが、1曲最後まで聞いてはもらえません。なぜでしょうか?
それは、いつも全力100%で歌いきるのが常で、気持ちが入ると120%出し切ってしまうのです。
ということは、体も、声帯も心も「力を入れる事」が、体と心を制覇してしまって、「全力で歌う心地よさ」に酔いしれてしまい、1曲で全てを消耗してしまうのです。
個人的に、そんな生き方は好きです‼️だからこそ、彼の感情表現にゾクゾクする事もあります。余計勿体無い状態です。
若い頃はそれでも良かったかもしれません。次の日には体も声帯も復活しておられたはずです。
でも50代になられて、声枯れも治りにくくなってきたという事でボイトレに来られました。実にいいタイミングだったと思います。
大人の歌い方を学ぶ、絶好の機会となったのです。
全力で歌う方は、体に力を入れるのは大得意。ですから、圧力鍋呼吸をお教えすると、比較的早く腹式呼吸を実感できました。
呼吸も肺一杯に吸えます。肺の後ろ部分にもしっかり息がはいっています。欲を言えば、下の部分を中心に吸うと良いと思います。
女性からみたら羨ましい肺の大きさです。
大量に吸った空気をコントロールする、そのための筋力が、必要になります。それに絶対に必要なのが圧力です。
圧力をかけるのも上手です。力を入れれば良いですから。しかし、その空気をリリースするとき、細く長く使い続けることが、究極に難しく感じてしまいます。
というのも、圧力鍋から下半身に力をいれて圧力をかけるのですが、上半身は力を抜いていたいところ。しかし、上半身から首、顎にいたるまで、ぱんぱんに力がはいってしまっています。
力の入れる場所と度合いをコントロールできない状態なのです。
空気が多ければ多いほど、コントロールするには、圧力釜への力がものすごく必要となります。今、力を入れている、それ以上に必要となり、「もっとちからを!」と力をさらに入れてしまうというスパイラルにハマってしまうのです。
そんな時はどうしたらよいでしょうか?
吸う量を変えましょう。パンパンに一杯息を吸うのをやめましょう。
長い時間をかけて、ずずずーっと吸うのはやめて、瞬間にぱっ!と40%だけ吸いましょう。
この、「瞬間に吸う」というのが最も大事な事なのです。
瞬間に圧力釜に40%だけ、空気をいれてください。
そのあとリリースすると、圧力をかけやすい上に、コントロールがしやすくなり、びっくりします。「今まで、あんなに苦しかったのに、こんなに楽にコントロールできるんだ!」となります。
次回のレッスンは、もっとコントロールできた、いいお声の上手い歌になっていくはずです。実に楽しみです♪