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老害にならないために、できること

自分自身への戒めのために、どうなったら老害で、どうすれば防げるのかを考えました。


監査法人で30年強、うち17年をパートナーとして勤めた「てりたま」です。
このnoteを開いていただき、ありがとうございます。

老害の被害を受けている人は「それ、老害ですよ」とは言いづらいので、黙って耐えるか、陰で愚痴を言うか、どちらかになるのでしょう。
本人は、老害をまきちらしているとは夢にも思わず、正しいことをやっているとか、誰かの(または社会の)役に立っているとまで思っているかもしれません。

どんなケースが老害になるか、どうすれば防げるかを考えます。



「こんなのは老害だ」5選

⬛上から目線で意見を押し付ける

「そのやり方じゃあ、うまくいかないんだよね。悪いこと言わないから、やめておくほうがいいよ。」

老害発言1

老害する人は、普通は被害を受ける人より年配なので、人生も仕事も経験豊富。本人は「若いから分からないだろうから」と親切心で教えてあげているつもりなんでしょうね。

経験の有無だけで言うと、若手同士でもあると思うんです。自分が直面している問題を先に経験した同期に教えてもらうような場合です。
そこで、「そんなことも分からないのかよ」といった、人の神経を逆なでするような言い方をする同年代の人もいるかもしれません。

老害発言がそれと違うのは、そもそも年上から年下へはマウントをとる構図になりやすいこと。
同期なら「もうちょっと、やさしく教えてよw」と言えるところ、年上相手ではおとなしく聞いてしまうことが多いでしょう。

⬛人の話を聞かず、自分の話ばかりする

年配者「ああで、こうで、ああなって、こうなって……」
若手「あの……」
年配者「それから、あんなこともこんなことも………」
若手「……」

老害発言2

一般に、年をとると話が長く、くどくなる、と言われます。
自分自身のことを考えても、年を経るごとに「言葉足らずを避けるために、説明を尽くそう」という気持ちが強くなっているように感じます。
説明しながら「分かりづらいだろうな」と思ったら、同じことを言葉を変えてもう一度説明するなど。

また、私がもっと若いときに年配の人を見ていて、ほかの人が発言しようとしていているのに話し続ける場面をよく見ました。話が長くなり、相手が明らかに当惑していたり、退屈しているのに話をやめない人もいました。
若い人もやらないわけではありませんが、年をとるとこのあたりの感度が鈍くなっている可能性があります。

⬛変化を嫌がる

(職場内で連絡するメインの手段を、メールからチャットに切り替えましょう、という提案に対し)「チャットってよく分からないから、俺はいいわ」

老害発言3

とにかく何も変えたくない。
もっとよいやり方を見つけよう、新しいことに挑戦しよう、という動きにことごとく水を差す。

「豊富な経験」から、変えるべきでない理由をいくらでも出してくる。
若い人たちは「結局、何も変えたくないだけじゃないか」と見透かしているが、下手に説得力があると反論しづらく、黙ってしまう。

自分が変化したくないことで、周りの人たちのモチベーションまで削いでしまいます。

⬛古い価値観を持っている

「女の子にでも頼んでコピーしてもらっといて」

老害発言4

年配の政治家の問題発言を見るにつけ、次のことを感じます。

  • 価値観は、なかなか変わらない

  • 古い価値観を持っていると、普段は気をつけているつもりでも、どこかで顔を出す

時代は変わったと頭で分かっていても、本音では納得していないと、発言の端々に顔をのぞかせてしまいます。
古い価値観を持っていて、それが垣間見えるだけでも周囲には不快ですが、「意見を押し付ける」と組み合わされると実害が大きくなります。

⬛すぐに感情的になる

「客に向かって、何だ、その口のきき方は」

老害発言5

昔から「かんしゃく持ち」は年寄りの代名詞でした。
イラッとしたときに自分を抑えられなくなって、感情が爆発してしまうんでしょうね。
本人は「間違ったことを正している」つもりかもしれません。

クレーマーは50歳以上の男性が多いと聞きます。
引退していたり引退が近づいていたりする年代の人はこれまでのキャリアに自信があり、自分の発言や行動で周囲の人たちにインパクトを与えることに飢えている。さらに始末が悪いことに、時間にも余裕がある。
これらの条件に「かんしゃく持ち」が加わると、嬉々としてクレームするようになるのでしょう。


老害にならないための対策

老害を完全に避けるには、自分より若い人との接点をゼロのすればよいのでしょうが、それはちょっと違うように思います。
接点のあるときに、どうすればよいかを考えました。

他人の言動には「老害だなw」と思えても、自分のことになると見えないのがこわいところ。
一言で言うと、きっと老害をやってしまっている、と謙虚になることが必要なんだろうと思います。

🍀若手の発言に謙虚に耳を傾ける

まずは「しゃべりたい」という衝動を抑えて、よき聞き手になることが必要なんでしょうね。

会話の中で、自分が話している割合のメーターを頭の中に持っておく必要があると思います。
会話のテーマにもよりますが、相手が8割、自分が2割くらいの気持ちで臨み、5割くらいしゃべってしまっていると気づいたら修正するのがよいでしょう。

🍀「教えてあげないと」「間違いを正さないと」と思うときは、謙虚さが足りない

「教えてあげないと」「間違いを正さないと」といったことを考えているときは、上からマウントを取りにいく姿勢になっている可能性大です。

頭から否定したい気持ちを抑え込んで、相手がどうしてそう考えるのか、質問するのがよさそうです。
それでも自分が正しそうであれば、質問を重ねて(詰めたらダメですが)できれば相手に自分で気づいてもらう。あるいは重大なことでなければ、そのままにしておくことも、大人の対応なんでしょう。

🍀どうしても古い価値感を引きずっていることを自覚する

価値観というものは、なかなかアップデートできない。
また、言動を価値観と完全に切り離すことも難しい。
自分は古い価値観を持っていて、気を抜くと表に出てしまう、と考えておくのがよさそうです。

ただ、価値観は空気のような存在で、顔を出していても自分では気づきません。
人の振り見て我が振り直せ。誰かの「老害発言」を笑うのではなく、他山の石とすることが唯一の対策のように思います。


おわりに

レッテルを貼ることは差別につながりかねませんので、年配者の言動を「老害だ!」と決めつけることはよくないんでしょうね。
また、同じことをされても(程度にはよりますが)、好きな人や尊敬する人であれば気にならないのに、そうでない人の場合はハラスメントになる、というのと似ているようにも思います。

とは言え、老若男女が同じ社会で生きていく以上、嫌がられることは避けるよう、最大限の配慮が必要なんでしょう。
もし私が老害になっていたら、傷つかない程度に、そっとやさしく教えていただけると助かります。
というか、きっと老害をやってしまっていると思って謙虚にならないといけないんでした。気をつけます。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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これからもおつきあいのほど、よろしくお願いいたします。

てりたま

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