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後悔していないのは挑戦していないからかもよ

今回はサクッと軽く読める記事です。


てりたまです。
監査法人で30年強、うち17年をパートナーとして勤めました。

大学教授と講演料

あるアメリカのビジネススクールの教授が、こんなことを言っていました。

売れっ子大学教授だけに、講演してほしい、という依頼が毎年かなり来るそうです。予定が合えば応じているのですが、問題はその講演料。
いつも先方から「いくらくらいでお願いできますでしょうか?」とおそるおそる尋ねてきて、教授が金額を言うと、「ではそれでお願いします」と決まるとのこと。

あるときふと、教授に疑問が芽生えます。
「いつもこちらの言い値で決まるということは、安すぎるのではないだろうか。ときどきは『そんなに高いの?! じゃあいいです』と断られるくらいがちょうどよいのではないか。」

それから徐々に値上げしたところ、断られることはたまにあるものの、ほとんどがそのまま合意され、講演の依頼も減っていないとのことでした。

挑戦しないことで損している

誰しも失敗は避けたいものです。
実際のところ、絶対に避けないといけない失敗はあります。

ところが、失敗は成功するために必要な過程でもあります。
失敗の痛みをおそれるあまり挑戦していないとしたら… 見えないところで大きな機会損失が発生しているかもしれません。

例えば、こんなことはないでしょうか?

  • 預金だけして投資しない

  • 決まった店にしか行かない

  • 決まった仲間としかつるまない

  • 上司や部下に気になる点を伝えない

  • よいアイデアを思いついたが提案しない

監査では、こんなことがありえます。

  • クライアントの社長に、記載誤りや内部統制の不備よりもっと重大だと思っている問題点を話さない

  • 監査チーム内の議論がおそらく間違った方向に流れようとしているが、あえて異議を唱えない

  • 監査判断がいつも保守的

人間には、10万円得するメリットよりも10万円損するデメリットを大きく感じる非対称性(損失回避性)があると言われます。おそらく人類が生き延びるために重要な性質だったと思われますので、これが間違いだとは言えません。

しかし、行動しないことによる機会損失についても考慮した上で判断する方が、よりよい未来に到達できるように思います。

おわりに

いつも失敗ばかりではいけませんが、「しまった、失敗した」ということが少なすぎるのも、同じくらいマイナスが大きいと思います。

ときどきこの教授のことを思い出して、いつも安全サイドを選択していないか、安全のためのマージンをとりすぎていないか、考えています。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
この投稿へのご意見を下のコメント欄またはTwitter(@teritamadozo)でいただけると幸いです。
これからもおつきあいのほど、よろしくお願いいたします。

てりたま

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