子育てしたら、スタバが素敵に見えた件。その1
みなさま、こんにちは。
創作系寺嫁のゆかでございます。
みなさまは、スターバックス、略してスタバに行ったことはありますか?
私の初スタバは、中学生の時でした。
そこ以外に中学生でも入れそうな場所がなく、友人はよく行くから大丈夫と連れられて入ったのが始まりです。
そのころのわたくしは、てんで物を知らない田舎娘で、
スタバの正式名称がスターバックスだということも知らず、
なんだかお高そうなオシャレな飲み物を売っている喫茶店だと思っていました。
当然のことながら、注文もしどろもどろです。
なぜならば、コーヒーショップとして名高いスタバに入ったはいいものの、大量の砂糖とミルクが入ったカフェオレしか飲めないという、コーヒー苦手人間だったのです。
紅茶もあるよ、と友人は言いましたが、紅茶など飲んだこともなければ、飲めそうにもないカフェイン苦手属性。
かろうじて聞き覚えのある「きゃらめるふらぺちーの」を注文して、大きさは容器を指さす方式でなんとか乗り切ったのです。
ちなみに、このころの私は「フラペチーノ」が、「氷を細かく砕いたオシャレな飲み物」という認識すらありませんでした。
ただ夏だったから、冷たいのはどれですか?と聞いて選んだのです。
さて、そんなスタバですが、さすがに大学にもなったら多少入り慣れました。
とはいえ、近隣にあったわけではなく、たまに訪れたモールや、帰省途中の駅の中で時間をつぶすために入る、といった利用方法でした。
スタバを少なくとも一か月から二か月に一度利用するようになったのは、結婚してしばらくのことです。
最寄り駅が徒歩20分。
大きな駅の近くは栄えているものの、車社会の中で自転車を乗りこなしているわたくしには遠い世界。
そもそも、そんな遠いところにいく時間があるなら家で小説を書いていたい…と思ってしまう創作系出不精のわたくしです。
オシャレなカフェだって、近隣で済ませたいと思ってしまうのは無理からぬことでしたが、そんなときの救世主となったのが、いつも行くスーパーの道路を挟んで向かい側にあるスタバでした。
私の出不精はかなり極まってますので、たかだか信号一つ分でも、大通りを渡るのでさえ敬遠しがち。
結婚当初はちょっと遠回りしてスタバに寄ろう♪なんてことを考える余裕もなく、「なんか機会があったら行ってみよう」くらいの気持ちでいたのです。
そんな私に、変化が訪れました。
きっかけは妊娠です。
とはいえ、「妊娠したんだから、ちょっと優雅なオシャレママになろう♪」などと考えたわけではありません。
考えるわけがありません。
根本は十数年前の田舎娘と考え方が変わっていないわたくしです。
単純に、産科の病院の、定期健診の帰り道だったのです。
わたくし、背が小さく、ぽっちゃり体系だったために総合病院を紹介されてしまいました。
そのため、診察までにかなり時間がかかる場合もあったのです。
診察は大体午前にしていましたから、帰りは大体昼前あたり。
今から帰って、帰りにスーパー寄って、材料買って帰って作るのめんどくさいなぁ、病院帰りだからエコバックも持ってきてないし……。
そんなときに目の前に現れるスターバックスのオシャレな建物!
妊娠中が新型コロナが猛威を振るう時期に重なっていたため、お小遣いの使い道もありません。
まあ、囁きますよね。私の中の悪魔が。
まあ、負けますよね。私の中の良心が。
今日は頑張って苦手な病院行ったんだし、
なんなら採血もあったし、
一か月頑張ってきたんだし、ちょっとくらいご褒美があってもいいじゃない?
店内に人がいっぱいいて、コロナが心配なら持って帰ればいいんだから!
なるほど一理あるー!!!
ぺぺぺーいと自律の二文字を放り投げ、悪魔のささやきにほいほいされてしまいます。
というわけで、定期健診の帰りに、都合が合えばスタバに寄るというルーティンが誕生したのでした。
さてはて、そのように産前からお世話になっておりましたスターバックス。
お腹が大きくなるにつれ、店員さんの気遣いがたいへんありがたかったのを覚えています。
なんせ繰り返しますがわたくし筋金入りの田舎娘。
カタカナ語が壊滅的に苦手なのです。
「カフェインレス」なる言葉はかろうじて覚えたものの、スタバ特有の「ディカフェ」がそれに該当することは理解できず……。
私の他に並んでいる人もいないことだし、と呑気に
「カフェインがないコーヒーってありますか?」と聞いただけで、
「ディカフェ」が「カフェインレス」に当たることを教えてくれ、
どのような飲み物が好みかを尋ねてくれ、
更にはいままで怖くてできなかった「カスタマイズ」なるものまで提案してくれ、
おいしいコーヒーの味は味わいたいけど、カフェインは避けたく、
なおかつまあちょっと糖分の摂取も控えましたという体裁も整えたいな~なんていう贅沢な望みを魔法のように叶えてくれた、
カフェインのない、砂糖が少なめでミルクたっぷりのアイスカフェオレを作り上げてくれました。
さらには、お腹が大きくなってくると、えっちらおっちら歩いている私を見かねて、お席でゆっくりお待ちくださいね~と笑顔で申し出てくれるのです。
いやあ、申し訳ない。
大変不格好に歩いてるんだろうなあと思いつつも、足が短いので颯爽と歩くことができないのでございます。
どの店員さんに当たってもそうだったので、これはスタバの方針としてしっかりと教育体制が整っているということの証でしょう。
すごいなあ、どうしたらこんな素敵な店員さんばっかりになるんだろう~と思いながら、もはや呪文の飲み物になってしまったおいしいカフェオレをいただいていたのでした。
臨月入ってからは、さすがに自転車で病院行くのはやめて、との義母のお言葉から、ともみさんに車で送ってもらうようになったので、しばらくご無沙汰、という結果にあいなりました。
(歩く方が転ぶので、自転車の方が私としては安全だったのですが…)
そして育児が始まりました。
私は産後半年ほどしなければ、恥骨痛などの症状が治まらず、いわゆる「産後、子宮の戻りが遅い」ような状態でした。
が、子どもの成長は待ってはくれません。
痛みに耐えながら数か月もすると、冬が終わり、春がやってきます。
子育てアプリによりますと、
「お天気のいい日はお散歩に連れて行ってあげましょう」
とのこと。
とはいえ、なんの当てもなく歩くのが苦手な私です。
更にはまだ、歩けば恥骨が痛む痛む。
とてもじゃないけど、タダで歩くなんてやってられません。
体力だってまだまだ戻らないんです。
なんせ、わがむちゅめは、毎回定期健診で体重だけ引っかかるほそほそミニマムちゃん。
羨ましすぎる…と思う母と、抱っこしやすくて助かる…と思う母と、ふたつの思いがせめぎ合いますがそこはそれ。
それなのに、食欲旺盛ですぐお腹が空くんです。いえ、一回に飲める量は普通の子と変わらないんですよ。心配になって何度も病院に行ったり、保健士さんに体重を測ってもらったりしましたから、それは実証済みです。
つまるところ、わたしは結局、むちゅめが10ヵ月を過ぎるまで、夜中だろうが早朝だろうが、三時間ごとに授乳するという、新生児期と変わらない生活を続けていたのです。
経験ない方は実感ないと思いますが、ようは、慢性的な寝不足ですね。
ブラック企業とか、なにやってんだ、と本気で実感しました。
睡眠・休憩疎かにして、作業時間だけ増やすより、脳みそマックスで短時間働かせた方がよほど良い結果が残ります。
むちゅめが将来受験勉強するって言ったときには、わたしからアドバイスすることは「きちんと睡眠を取りなさい」のひとつだな、と思いました。
そんなわけで、体の状態も往時に戻らず、寝不足でふらふらの状態のまま、とりあえず時間をつぶしつつ、むちゅめの情操教育のために散歩をすることになったわたくしが目指した先がスタバでした。
あてどもなく歩くのが苦手で、目的地にご褒美がないとやってられない私の精神状態を秤にかけた結果です。
そして、久しぶりにベビーカー入りのむちゅめをつれて足を踏み入れたスタバは、
驚くべき素敵空間だったのです。
その2に続く!
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