見出し画像

つくねとねぎとろの段


みなさま、こんにちは。
創作系寺嫁のゆかでございます。

みなさま、つくねはお好きでしょうか?
ねぎとろは、お好きでしょうか?

わたくし、大好きでございます。
つくねに関しましては、そこまで好きではなかったのですが、こちらに嫁いでまいりまして、焼き鳥屋さんのつくねを始めて食べてから感性が開花いたしました。
つくねおいしい。
たれよりも塩で味付けたそのままのつくねがおいしい。
もちろんたれもおいしくいただきますよ、美味。

ねぎとろに関しましては、もとから大好物でございます。
お刺身が食べられるようになったのは小学校2年生からですが、中学生のときにはくるくる寿司に行けばかならずねぎとろ軍艦をいただく程度には大好きでした。

さて、そのねぎとろでございます。
嫁いで来て、初めて食卓に小鉢のねぎとろが出されました。
それまで私の知るねぎとろと言えば、くるくる寿司のねぎとろ軍艦か、お家で食べるねぎとろ丼でした。
炊きたてのあつあつご飯に、解凍したねぎとろのタネをかけて食べるあれです。
一度、本当のあつあつご飯にそそくさとかけたところ、白米との接触面がツナになったのは苦い思い出です。
あれから、あつあつご飯がちょっと冷めたところに掛けるという妙を学びました。
料理って奥が深い……。

さて、そんなねぎとろですので、小鉢でいただくのは初めてのことです。
なんとお魚屋さんで買い求めてきたとてもおいしいねぎとろだということ。
食べてみると、あまいんです。
お義母さん、お砂糖入れました?ってくらい甘いのです。
ねぎとろって甘かったんですね。
幸せの味が更新された瞬間です。

が、思わぬことに気が付きました。
気が付いてしまったのです。

ねぎとろだと言って出されたその小鉢に、「ネギ」が入っていないということに……!

なんということでしょう!
ねぎとろは、「ネギ」と「トロ」を混ぜてこそのねぎとろ!

これではただの「トロ」でございます!!

しかしながらこれは「ねぎとろ」という名前です。
ネギが入っていないのに、魚屋さんでも「ねぎとろ」として売られていたというのです。

さてはて、いかに??

首を傾げたわたくしですが、今の世の中は便利なものです。
すかさずポケットから取り出しましたるは、そう、スマホ!

スマートホン、略してスマホです。

ホンの部分で使っている度合いが少ないのですが、「スマート」(賢い)という部分は確かでしょう。
電波すら拾っていれば、いつでもどこでも調べものができる優れものですからね。

さて、そうやって調べてみましたら……。

なんと「ねぎとろ」は、「ネギ」と「トロ」の組み合わせではない、というのです!!

そもそも、皮や骨に付いて残った身を、「ねぎとる」が語源だそう。
「ねぎとる」は。いまでいうところの、「こそげとる」動作の古語なのです。
そういえば、聞いたことあるな、どっかで……?というくらい、古語となっていたり、方言として残っていたるだけで、馴染みのない言葉ですから、もっと馴染のある「ネギ」と「トロ」だと誤解が深まったわけですね。

と、まあこんな感じで、日常にありながらも意味を誤解している言葉があったのだなあ、と思ったのでありました。

が、話はまだ続きます。

なんと「つくね」も似たような語源だそうなのです。

ある冬の日でした。お鍋がおいしい季節です。
お鍋に入れるつみれをもにもにしながら、

「つくね」と「つみれ」って似ているけど、どういう違いがあるのかな?
つくねは材料が鶏肉で、つみれば材料がお魚とかかな?と思って調べてみたのです。

そうしたらば!!

「つくね」は「つくねる」からできた言葉で、
「つみれ」は「つみいれる」からできた言葉だそうなのです!

くしくも、ねぎとろと同じく、作る時の動作を表す動詞が語源でした。

なんと奇妙なこともあるものですね。
普段こんなにも何気なく口にしている名前と食べ物が、こんなに奥深いものだったなんて……!

ひとつ学びを得たなあ、と思いながら、おいしいお鍋をいただくわたくしなのでございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?