見出し画像

正しいワインの始め方2

キャリア20年のソムリエが、友達に話していた、  ワインが身近になる 5つの話  その1



正しいワインの始め方、第1回目はワインを見るというところからウォーミングアップしていきます。

美味しいかどうかは、口に入れてみないとわかりませんよね。でも、その前に口に入れても良いかどうかの判断をできるようにしておきましょう。

ワインが注がれたグラスを傾けてかっこつけて見てる人いますよね、あれは熟成度合いやアルコールの強弱を分析してるのですが、その辺りは入門してからのお勉強で。

飲む前に3点、目でワインの状態を確認してみましょう。

画像3

一つ目は、にごりです。

かなりレアですが「にごりワイン」として売り出している物がありますがそれは別として、一般的なワインで濁りがあるものは不良品と思った方が良いかもしれません。変質している可能性も考えられます。白ワインは誰でもわかると思いますが、赤ワインは色が濃いので難しいそうですよね。でも簡単な見方があります。知っていて損はないですよ。

赤ワインが注がれたグラスを文字の書いてある紙の上で少し傾けます。  例えば、名刺とかショップカード、リーフレットなど。傾けた状態で液面の上の方から下の紙に書いてある文字を見てください。濁りがあるかないか、簡単にわかります。どんなに濃い赤ワインでも、濁っていなければ文字がクリアに見えます。

画像1


二つ目は、酒石という異物です。

果物の中でぶどうにだけ含まれている酒石酸(しゅせきさん)という酸味成分がミネラル分と結合して結晶化したものです。白ワインの場合は細かなガラスの粉のようにキラキラしたものや、少し黄色みがかかった物があります。瓶の底や抜いたコルクにキラキラ付着していることもあります。ヨーロッパでは酒石が出るワインは、酸味がしっかりした品質の高い物として、喜ばれたりするそうです。ワインのダイヤモンドとも言われます。

赤ワインの場合にはさらに色素成分が加わり、サビの塊りの様なやや大きめの異物として見られます。これも酒石(しゅせき)です。赤も白も酒石ができるということはそれなりのしっかりした酸を持った品質であると理解してよいと思います。(酸があると酸っぱい? ではなく、酸味はワインの味にとって大変重要なんです。詳しくは別途ご説明します)
酒石は、冷蔵庫など低い温度で長く保管したものに出やすくなります。


そして3つ目は 澱(おり)です。

特に赤ワインにみられるものですが、これはワインに含まれるたんぱく質や渋み成分のタンニンなどがワインに溶け込まずに結合して沈殿したものです。旨味成分ともいわれます。特に年代物の濃い赤ワインに多くみられます。

酒石(しゅせき)にしても澱(おり)にしても、そもそもワインに含まれていた成分なので飲んでも体に悪影響を及ぼす心配はありません。でも特に酒石は舌触りがよくありませんので、グラスに注ぐときにそーっと注いでボトルの底に残すようにすると良いですね。澱のある(ありそうな)赤ワインの場合は、飲む前の数時間、瓶を立てておいて澱が瓶底に溜まるようにした上でそーっと注ぎましょう。

画像2

初心者が澱のあるような赤ワインを開ける機会はあまり想像できないのですが、酒石のあるワインは可能性があるかもしれません。気になるようであればワイン用の茶こしのようなものがネットで買えます。もちろん普通の茶こしでもかまいませんが、酒石は取れても澱は難しいかもしれません。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?