見出し画像

正しいワインの始め方8

画像1

入門書にはあまり載っていないお話

ホストテイスティング、やったことありますか?レストランでボトルワインを注文した時にやるやつです。ホスト(カップルの場合は基本的に男性)のグラスに少量のワインを注ぎます。その目的は、品質の確認です。昔は、ワインの保存、輸送も今とは全く違うものでした。ガラス瓶ができる前、もちろんその頃はコルク栓もありませんでした。壺やカメにワインを入れて、簡単な栓(詰め物など)で、密閉保存などできません。更に、製造に関しても細菌管理などの知識についても今のようなレベルではなかったと思われます。電気もないので温度管理もできません。すなわち、品質不良のものが多発していたと推測できます。だから飲む前に味見をするのは当たり前のことですね。ホストテイスティングはその名残といって良いでしょう。

さて、実際にお店でのホストテイスティングですが、ある程度のグレードのお店では形だけでもやったほうが良いでしょう。形式的な感じですが。そして少しカジュアルなお店の場合は、「結構です、注いでください」とスルーでも良いでしょう。その場の雰囲気でいいと思います。

画像2

では、やる場合のルールというか、マナーというか。 基本的に品質を見ますので、味がうまいまずいとか、好き嫌いの判断ではないです。スマートなやり方は、グラスに少し注がれたら、ちょっと傾けて色を見ます。この時、濁りがあるかどうかは見ておきましょう。もし濁りがあればすぐにソムリエに聞いてみましょう。「濁りがあるようですが・・・」         次に香りをちょっと嗅いで口に含みます。すぐに飲まずに2秒くらい含んでから飲みましょう。そして、ソムリエの目を見てニコッと軽く顎を引きます。もしも、口に含んだ時に飲み慣れていない個性の強いワインで、独特の香りなどがあった場合、ソムリエに聞いてください。「この独特な香りは何ですか?」この時、まっとうなソムリエの場合、お客様に許可を伺います。「少し頂いて良いですか?」と。で、代わって味見をしてくれます。黙って飲むのはソムリエとしてルール違反です。お客様が注文したワインですから、一言聞いてからテイスティングするのがソムリエとしてのルールです。   それで品質に異常があれば交換してくれます。しかし、思った味と違うとか好みの味ではないと言っても交換はできないのであしからず。

次に、ダメなテイスティングです。いきなりグラスをグルングルン回し始めて、必死に色や輝き具合を見て香りを嗅ぐ。口に含んでズーズー啜って目をつぶって味の分析。正に、ソムリエの二次試験のように必死にテイスティングしてしまう人。更に最悪なのは、このあとテイスティングコメントを語り出しちゃう人。ソムリエから見ても最悪でとにかく格好悪い変人に見えますから、絶対にやらないでくださいね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?