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絵本がアートのそばに置かれているのには、理由がある。そっと開いて、共通項をさがしてみるのもおもしろいかも。 #セレオ国分寺オープンスタジオ

2021年12月11日(土)〜26日(日)まで東京国分寺駅ビル・セレオ国分寺で開催中の、アートイベント「オープンスタジオ」。アート・絵本・ワークショップで交流の場づくりをするこの試みに、私は絵本展示ディレクションとワークショップで参加しています。

今日は、会場の絵本についてのお話です。本イベントでは、何気なく置かれた絵本を自由に手にとって読めるわけですが、実はこの絵本たち、美術作品やアーティストをイメージして選ばれたものが多いのです。

エントランスで出迎える、テラコッタ製の女性像。加山総子さんによるこの作品は、目を閉じて、静かな空気をたたえています。

そばには『ねむりひめ』(グリム/作、フェリクス・ホフマン/絵、せたていじ/訳)があります。物語の主人公・ねむりひめと、加山さんの女性像は、目をつむるしぐさがまず共通しています。でも、それだけでなく、内側に秘めた強さを感じられる点も通じていはしないでしょうか。

私自身は『ねむりひめ』を選書した時点では、女性像の表面に植物模様があしらわれているのに気づいていませんでした(写真で見ただけだったのです)。かざりつけをしていて、そのことを発見し、偶然にも絵本の絵との共通項がもう一つあることに驚きました。「植物」のモチーフが、絵本のクライマックスでも登場し、物語をいろどっているのです。

ぜひ、絵本を開いてたしかめてみてくださいね。

✳︎加山総子さんによるワークショップ、予約受付中です!

清永桃花さんに向けて選んだ一冊も、見てみましょう。

清永さんは野外で絵を描くアーティストです。木の上で、畑のなかで筆をとる姿が印象的で、そういう絵本をそばに置けたらいいなあと思いました。

『まほうのえのぐ』(林明子、福音館書店)はちょうどそういうお話です。お兄ちゃんの絵の具をうらやましく思う妹は、やっと道具を貸してもらえて、屋外で紙に向かい始めます。すると、しげみのなかに誘われるのです。

しげみでは、彼女のほかにも絵を描きたい面々がたくさんいて、みんなでその楽しさをめいっぱい味わいます。

一人きりの家のなかと違って、外で描いていれば、いろんなはたらきかけがその身に降ってくるはずです。風のにおい、光のまぶしさ。動植物の存在や、通りすがりの人とのやりとりもあるかもしれません。

いい雑味をぜんぶ含んで、ゆたかな一枚が仕上がるのではないかな、と想像します。

✳︎清永桃花さんによるライブドローイング、予約受付中です!

会場にはこのほかにも、絵本がたくさん。ここに置かれている理由を、読みながら探っていくのも、おもしろそうです。

✳︎セレオ国分寺「オープンスタジオ」では、上記のほかにもワークショップが目白押しです。絶賛予約受付中、遊びに来ませんか?

#セレオ国分寺オープンスタジオ  #東京学芸大学 #こくぶんじアートラボプロジェクト #とうきょうアートラボプロジェクト

てらしまちはる[寺島知春]プロフィール情報
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