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動物園の役割

動物の保護活動をしている方の中には、
動物園を廃止すべきという意見を持っている方も
少なくありません。

確かに、
全然気候が違うところで生息する動物を連れてきて、
一定の範囲のみで生活させていわば見世物にする動物園は、
動物を「人間のレジャーの対象物」としているもので、
動物福祉に反する側面がないとはいえません。

また、市原ぞうの国のように、
動物に対する虐待が常態化しているところも
他にあるのかもしれません。
そういうところは今すぐにでもつぶれてほしいと思います。

ですが、私は旭山動物園がやってきたことを見て
動物園が果たす役割について考えました。

旭山動物園は最近、
一頭の子熊を保護しました。
砂川市で母熊とはぐれて
衰弱していたところを保護され、
旭山動物園で飼育することになったのです。

子熊は徐々に回復し、
今は展示されているようです。

旭山動物園はこの子熊を単に
「かわいい動物」としてだけでなく、
北海道が抱える熊の問題も併せて
発信しています。

旭山動物園は、最近、
疥癬になった狸や
漁網にかかってしまったアザラシなども
保護して飼育しています。

狸はそのままでは命の危険があり、
アザラシもまだ子どもで、
そのまま海に返しても
他の生き物に襲われる危険が高いという
判断だったようです。

このように、
野生動物を保護して飼育し、
その動物のバックグラウンドや
動物と人間が抱える問題について
発信するのも動物園の役割だと
思います。

かわいいだけではない動物の側面を
しっかり発信する。
そういうところに
動物園の役割はあるのではないか、
そうであれば存在意義はあるのではないか。

そんな風に思います。

紋別市には
オホーツクとっかりセンターという
アザラシの展示をしている
施設がありますが、
ここもまた衰弱しているアザラシや
障害があるアザラシを
保護している施設でもあります。

人間は自然とともに動物を消費し、
苦しめてきました。
今もそれは続いています。

そういう中で、
野生動物をいたわり保護する施設が
北海道にあることを
私は誇りに思いますし、
応援していきたいと思っています。

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