【おすすめ本】実務家ブランド論/ブランドとは何か?
こんにちは、寺尾 洋です。今回、ブランドに関する良書を読んだのでシェアしたいと思います。結論としては『実務家ブランド論』という書籍です。
✔こんな方におすすめの内容です
ブランドって何?
なぜブランディングが必要なのか?
どうやってブランドを作れば良い?
✔概要
ダイキン工業(世界No.1のエアコンのメーカー)で33年間、ブランドに関わる仕事をしてきた著者がブランドという極めて曖昧な概念を定義し、ブランドとは何か、なぜ必要とされているのか、どうやってブランドを作るのか、体系的にまとめられています。
✔目次
ブランドとは何か?
なぜ今、ブランディングが必要なのか?
ブランドは7つのステップで策定できる
ブランドとは何か?
一言でいえば「妄想」です。少し補足すると「(ブランドを)思い出すキッカケになるものに出会ったときに、(→そのブランドを知っていることに気付き→)その瞬間に頭の中に自然に浮かんだ勝手なイメージ」です。
例えば、スターバックスのロゴを見たときに「フラペチーノの美味しいカフェ!」と思う人もいれば、「友だちと落ち着いて話せる雰囲気の良い場所!」と思う人がいます。
これらがスターバックスを認識する「ブランド」になります。※何か答えが1つあるものではないです。
なぜブランディングが必要なのか?
結論、「製品サービスの質(機能的価値)よりもイメージ(情緒的価値)」が重要視されている時代になりつつあるためです。
例えば、馬車で移動していた時代から自動車の時代へと変化した際は機能的価値がより重視されていたと思います。しかし、現代においては同じ自動車においてどの車も技術は充実しており、どこで差異を作るかとなった際は情緒的価値がより重要になってきます。
もちろん、機能的価値の向上を目指し続けることは前提として、サービスが与える印象を工夫(ブランディング)することで情緒的価値を向上し、お客様に選ばれる仕組み作りが必要になってきます。
ブランドは7つのステップで策定できる
結論としては以下7つのステップです。
①ブランドづくりの目的を正しく認識する
②ブランドを正しく定義する
③ブランドの階層を理解し、目指すべき場所を定義する
④自分たちがどんな企業・商品なのかを定義する
⑤ブランド戦略を定義する
⑥ブランドづくりの方程式に沿ってブランドを策定する
⑦メディアを活用してブランディングを進める
①ブランドづくりの目的を正しく認識する
ブランドを作る目的は1つです。それは「企業や商品が儲かる」ことです。あくまでブランドは事業活動への貢献における1つの手段です。
一方で「世のため、人のため、地球のため(CSR・SDGs)」ではないのか、という意見があると思います。もはやこれは大切に決まっており、大前提です。その上で、資本主義社会において、ブランドは企業が儲かる1つの手段として認識するべきです。
②ブランドを正しく定義する
ブランド作りは1人で作るものではなく、社内を巻き込んだ取り組みになります。その中で、ブランドという言葉の定義を揃えて策定していくことが極めて重要です。
なぜなら、ブランドという言葉は人によって認識がバラバラになる可能性があるからです。
例えば、ブランドといえば人によってそれぞれ認識が異なり、以下のようなバラバラな認識のもと議論をしているケースがあります。
ブランドアイデンティティ
ブランドプロミス
ブランディング
ブランドイメージ
ブランドエクイティ
ブランドアセット
ブランド認知
ブランドストーリー
あくまでブランドといえば以下の通り共通言語を揃えて策定を進めるべきです。
✔ブランドとは?
ブランドとは一言でいえば「妄想」です。補足すると「(ブランドを)思い出すキッカケになるものに出会ったときに、(→そのブランドを知っていることに気付き→)その瞬間に頭の中に自然に浮かんだ勝手なイメージ」です。
③ブランドの階層を理解し、目指すべき場所を定義する
ブランドのレベルは以下の通り5つの階層に分けられます。この中でまずは「嫌いではない」という階層を目指すことをおすすめします。
なぜなら、スーパースターはスターバックス、Apple、ナイキ等のレベルになり、ここを目指すのは非常にハードルが高いためです。
まずは商品が選ばれる階層に持っていくことを目標にしましょう。
④自分たちがどんな企業・商品なのかを定義する
「ブランド=ユーザーが勝手に妄想する」ことであれば、我々ブランドに関わる人間としては、ユーザーが妄想する内容を意図的にコントロールする活動が極めて重要になります。
ブランドを策定する上で以下3点を正しく、はっきりさせる必要があります。
⑴ブランドアイデンティティ(存在価値)
⑵ブランドプロミス(約束)
⑶ブランドパーソナリティ(人格・個性)
⑴ブランドアイデンティティ(存在価値)とは?
企業・商品におけるこだわり、どうしても熱量が入ってしまう事柄を指します。「○○がないと我々ではないよね」を定義することです。
ブランド作りはとにかく時間がかかります。極論「あなたの商品・サービスに興味がない人の頭の中に、あなたの意図するイメージを作る」という非常に地道で長い道のりです。
本当に腹落ちした存在価値でないと続けられずにブランドが意図しない方向で認識されるため、極めて重要なポイントです。
⑵ブランドプロミス(約束)とは?
言葉の通りブランドがお客様に約束する内容を指します。「あなたたちが存在することで私に対してどんな良いことができると思っていますか?」の問いに答える内容を定義することです。
⑶ブランドパーソナリティ(人格・個性)とは?
ブランドが持つ人格・個性を指します。「あなたの企業・商品を人間に例えるならばどんな人ですか?」の問いに答える内容を定義することです。
上記①、②、③を定義することで「ブランド=ユーザーが勝手に妄想する」をコントローラブルにしていくことができます。
⑤ブランド戦略を定義する
ブランドの目的、定義、土台を明確にした上で初めてブランド戦略を考えます。基本的にブランド戦略は3つのことを決めます。
⑴ブランドづくりの目的を詳細に決める
⑵リソース(人・モノ・金)を確認して決める
⑶何をやるべきか、やらないべきかを定義する
⑴ブランドづくりの目的を詳細に決めるとは?
ブランドづくりの目的は「企業や商品が儲かる」ことです。ただそれは最終目的であって、もう少し細分化してやるべきこと、やらなくて良いことを定義する必要があります。
その上で、どのターゲットからブランディングを進めるべきかを決めていく必要があります。
例えば以下A~Cのターゲットのどこから攻めるべきかを決めることが重要です。
A:ブランドを「知らない人」から「知っている人」へ変化させることでお金を儲ける
B:ブランドを「知っている人」から「嫌いではない人」へ変化させることでお金を儲ける
C:ブランドを「嫌いではない人」から「なんとなく好きな人」へ変化させることでお金を儲ける
⑵リソース(人・モノ・金)を確認して決めるとは?
リソースには限界があります。例えば1,000兆円ほどあれば全てのターゲットにブランディングを進めることは可能ですが、そうはいかないです。限られたリソースをどう活用するかを決めることは戦略上、極めて重要です。
⑶何をやるべきか、やらないべきかを定義するとは?
いざブランディングを開始するとなると色んな事をしたくなります。ただ、そこに対して優先順位を付けて最注力するべきことにフォーカスして実施することが大事です。
⑥ブランドづくりの方程式に沿ってブランドを策定する
ブランドは「(ブランドを)思い出すキッカケになるものに出会ったときに、(→そのブランドを知っていることに気付き→)その瞬間に頭の中に自然に浮かんだ勝手なイメージ」です。
ブランドを効率よくつくるには以下の方程式に沿うことが重要です。
つまり、
情報:ユーザーにとって○○な企業・商品と思ってもらうための情報を
接点:ユーザーとのさまざまな接点を通じて伝える場面で
貯金箱:効率的に生活者の頭の中にブランドを貯めることを意識する
ことによってブランドづくりが効率よく進みます。
⑦メディアを活用してブランディングを進める
結論としては以下3つのメディアを駆使しながら、ブランディングを進めることが重要です。
⑴オウンドメディア
⑵アーンドメディア
⑶ペイドメディア
⑴オウンドメディア(HP、SNS、カタログ等)
メリット
自分の意思でコントロールして発信できる
ユーザーに直接情報を届けることができる
比較的お金がかからない
デメリット
ユーザー流入がない場合は埋もれてしまう
あくまで受け身のメディアである
⑵アーンドメディア(新聞記事等の第三者の発信メディア)
メリット
客観的な発信により信用、評判が得られる
ペイドメディアに比べると安価
デメリット
企業の意図した通りに発信されるわけではない
メディアに興味を持ってもらわなければ取り上げられない
⑶ペイドメディア(テレビ、デジタル広告等)
メリット
お金を出せば配信量を担保できる
デメリット
広告感が強くユーザーからのバリアが大きい
意図しない伝わり方をする可能性がある
まとめ
これまで以下の3つについてまとめてきました。
ブランドとは何か?
なぜ今、ブランディングが必要なのか?
ブランドは7つのステップで策定できる
是非、ブランドをつくっていく際に参考にしていただければと強くおすすめします!
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