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「気に入らないから排除する」ことを容易にできる人は福祉はしない方が良い明確な理由

これまで7年に渡り事業運営を行なってきた私たちは、特段、特別な経営を行なってきたわけではないものの、なんとか事業運営を安定させつつ、スタッフの生活と事業の発展を念頭にやってきたという自負がある。経営的に褒められるようなことはしてきたわけではないが、福祉事業という公共性の高い事業運営を、売り上げと支援の質のバランスを考えながら、これまで継続してきたことは、私たちにとっても、自信と大きな糧となっていることは間違いない。

しかし、何よりも私たちが大切に考えてきたことは、職員の雇用を守ることであり、職員の生活の質と、専門的支援者としての支援の質を向上させることであり、その結果、私たちの事業運営に大きく寄与してくれると本気で考えているからこそ、かなりの投資を行なってきたという自負がある。雇った以上は、何が背景にあろうとも、安易にやめさせることもしなかったし、どんな理由であれ、職員をクビに追い込むようなこともしてこなかった(私たちは、そういった意図はないが、相手がどう思ったかはわからない部分もあるが・・・)。むしろ辞めずに継続できることを優先させてきたが、私たちがどんなにがんばっても、本人たちが辞めるということについては、引き止めることもしなかったけど(・・・というより、法人に大きな傷をつけて、逃げるように辞めていった奴はたくさんいる)。

でも、なぜそう行ってきたかというと、私たちが支援を行なっている対象は、障がいを抱えたこどもたちであって、社会で生活する上で、少なくとも就労現場や生活環境において、周囲に配慮をお願いしなければならないからこそ、私たち自身が社会に優しい事業所でありたいと願ったからだ。今は、配慮を『おねがい』しなければならないと書いたが、これが自然に『お願いしなくても』配慮してもらえる社会を目指すからだ。であれば、どんな理由であれ、相手を「許す」ことから始めなければならないし、言うまでもないが、自分の家庭に障がいを抱える方がいる人は特に考えてほしい。家族に障がいを抱える方が「いる」「いない」に関わらず、福祉事業を運営するならば、少なくともその人自身が、理由がなんであれ利用者や職員を『排除する発言や行動』を容易にすべきでないことは明確である。

利用者に対しては、周囲に配慮を強制するのに、自分の雇用する職員を安易に排除する人を時折見かけるが、私は、どんなにすばらしい人であっても、そういった人を受け入れないし、信用しない。それは、私たちが障がい児をお預かりする、また、障がい者を支援する福祉事業を行なっているからこそ、まずは、職員であっても当たり前のように配慮をしていく必要があるし、面談をしながら本人の状況の把握を行い、一緒に仕事をするための方法を考えていく。本人にも伝えていくし、必要であれば受診も同行する。診断名がつけば、より配慮も必要になる。そういうことを当たり前にできる事業所でありたいと願うのだ。

自分たちが排除を安易に容認できる社会は、あなたの大切な子たちが排除される社会であることを自覚するべきだと思う。


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