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ソーシャルワークは、平等と継続、自立/自律と依存のバランスが重要であるというお話。

私が、基本的なソーシャルワークで気をつけていることは、利用契約者に対しての相談支援専門員としての役割についてです。私たちの仕事は、はっきり言ってしまうと限界がありません。その人に対して取り組む相談支援は、人ぞれぞれのニーズに合わせる形で多岐に渡ります。であるならば、ある程度の役割の限界を理解した上で取り組まないと、その利用契約者ひとりが担当の限界になります。その人ひとりにつきっきりの状態で、他の人を疎かにするのもまた、ソーシャルワーカーとしては評価することはできません。それは、いかに自分の満足のいく支援ができたとしても、その背景に他者の犠牲があるのであれば、それは平等性に欠けるわけですから、手放しでよろこぶことではないと思っています。犠牲になった人にとっては、不平等であり、裏切りでしかないのです。


「計画相談の役割はいったいなにか?」を考えた時、第一に考えるべきことは、希望しているサービスが、迅速かつ継続的に利用できることです。そこでのプロセスが重要であることは、これまでのブログを見てもらえれば、あえてここで言わなくてもわかるはずですが、丁寧なアセスメントにもどづく、適切なサービス利用につないでいくことは、私たちにとっての大きな役割のひとつとなります。

次に、必要なサービス情報を適切に提供すること、すなわち、本人の選択できる能力を見極めながら適切に支援するということです。まさに、「ニーズを捉える力」「本人の希望に合わせてサービス提供を判断する力」であり、その判断を行う背景もしっかりと説明していく必要があります。あくまで、ファシリテーターに徹することであり、その力こそが、私たち計画相談の相談支援専門員に求められる能力だと思います。

また、モニタリングを通して、サービス利用についての利用契約者の利用状況や本人のサービス利用に関する満足度、求めていた支援を受けることができていたのかといった確認と、サービス提供事業所からみた利用契約者の状況報告、その中での課題や新たなニーズ等の確認など、単に話し合いをしているだけではなく、そこから見えてくる第三者としての『客観的な評価』を行いながら、適切な方向に導いていくこと(ファシリテートすること)です。その話し合いのやりとりから、適切な情報を汲み取り、要約して、行政や支援機関、ご本人にわかりやすい様に報告書を提出することも重要な役割と言えます。

最後に、あくまでも相談支援は、本人のニーズに基づくものであり、その過程のなかで様々な迷いが生じたり、トラブルが生じたりしても、その事実から互いに学びとっていく経験が必要であることから、待つ支援も必要であると言えます。もちろん、安易な「様子を見ていきましょう」は問題ですが、相談支援は、必ずしも「最短距離」である必要はなく、むしろ、問題に本人が直面する機会、そこから本人自身で対応を経験する機会といった遠回りな過程にも重要な経験が隠されていると思うのです。例えば、その結果、人を傷つけるような行動、発言をする人であっても、それは意味もなく吐いているわけではないし、その意味は、答えはひとつということでもなく、様々な要素が隠れているはずです。それを聞き取りをした上で、サービスを使った支援体制を整えていく。そこに、ソーシャルワークの大きな意義があります。であれば、私たちは、その地区のあらゆる情報と顔の見える関係性の構築、いわゆる「連携体制」が必要になると思っています。

あと、私たちにとって重要な部分は、対象とする利用契約者をどこまで介入、支援をするかという慎重さです。そこには、客観的視点が必要となると思っています。先程も言ったように、相談支援は無限です。無限であれば、どこまでもすれば良いのか?といわれれば、そうではありません。その背景には、「計画相談としての役割の理解」と「その役割を他の機関とシェア・分担する調整先の把握」「事業を継続していく責任に基づく役割の限界点の理解」「すべての利用契約者に平等にサービスを提供する重要性の理解」最後に、「次の相談支援機関に適切につなげるための視点」です。何でもやれば良いと言うわけではありません。自分が注目され、褒められる支援=良い支援ではないこと、自己評価をせず、あくまで客観的な評価を重視することに意味があると思っています。周囲は私に直接悪いことは言いませんし、常に評価されているという意識が、私たちの行動への謙虚さにつながります。

打率の低いホームランバッターより、打率の高いヒッターこそが、計画相談に求められる姿だと私は思っています。


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