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はじめて遠隔で授業をする時によく起こる失敗例と、その対処法

遠隔授業を始めている教室が増えていますね。僕のやっている団体でも3月から週に1回以上の頻度で遠隔授業を行っており、10人ほどの生徒さんが参加してくれています。その中で遠隔授業で起こりがちなトラブルについての知見が溜まってきたのでシェアしたいと思います。

ビデオ会議かライブ配信、どちらを選ぶか

失敗例について話す前に、遠隔授業を2種類に分類します。それぞれ必要な機材が大きく異なるため、今回は図の左の方に焦点を絞ります。

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手描きの図で恐縮ですが、左はビデオ会議を使う例、右はライブ配信を使う例です。手前に描かれている人は生徒です。ビデオ会議は双方向的な授業、ライブ配信は一方向的な授業をするのに適していると言えます。*1

ライブ配信は撮影する側に十分な機材が揃っていればかなり大人数の授業も可能です。十人でも千人でも一度に相手に出来ますし、視聴する側はスマホアプリでも十分なので、大人数の授業ではこちらの方が現実的です。

一方で、ビデオ会議を使うと、生徒一人一人の顔をちゃんと見ながら授業が出来るというメリットがあります。これが生徒の年齢によってはとても重要だという事は、普段から教育に携わっている方であればご理解いただけると思います。この記事では、ビデオ会議を使う場合についてお話します。

失敗その1 「パソコンが重い!」と生徒からクレーム

普段ビデオ会議に慣れていない方が初めてビデオ会議をすると、パソコンが重くなってしまうことに苛立って、思わず声が出てしまうことが多いです。特に e-Learning 系のソフトを起動している場合、そのソフトまで重くなってしまうと、生徒はもちろん先生の方もストレスになってしまいます。

パソコンが重いと感じる原因は、大きく分けて2つあります。
1.インターネットが遅い
2.パソコンの処理が遅い
どちらに原因があるかは、パソコンに詳しくない人には中々分かりません。また、どちらの場合でも授業中に解決するのは難しいので、授業が始まる前に、生徒の皆さん全員に確認をしてもらう必要があります。

以下は、生徒の皆さんに事前に確認してもらうチェックリストです

1.インターネットの速度が 600kbps 以上出ているか試す *2
2.授業で使う予定のソフトを起動してみて、パソコンが重くないか試す

どうしても授業中に重くなってしまった場合は次のようにアドバイスします
・授業で使わないソフトは閉じておきましょう
・家庭内で Wi-Fi を共有している場合、授業の間だけ家族にインターネットを我慢してもらうようお願いしましょう(ケンカにならないように😅)
・カメラ映像をオフにして、音声だけで授業に参加しましょう

失敗その2 「キーン」という大きな音がする

ビデオ会議中に「キーン」という大きな音がする場合、ハウリングしている可能性が高いです。体育館でマイクが「キーン」って鳴るアレと同じです。こちらは比較的簡単に対処できますが、やはり事前に伝えておくべきです。何故なら、ハウリングさせている本人は気付いてないことが多いからです。

対処法
・誰かがハウリングを起こしていたら、優しく教えてあげましょう
・自分がハウリングを起こしていたら、イヤホンをしましょう
・もしなければ、マイクとスピーカーの距離をなるべく空けましょう
・スマホ(タブレット)とパソコンの両方でビデオ会議に参加している場合はどちらかの音量をミュートしましょう

イヤホンは、スマホ用でも構わないのでなるべく事前に用意してもらいましょう。コールセンターの人が付けているヘッドセットを使うのもオススメですが、小さなお子様の場合は耳が痛くなって外してしまうことが多いです。

失敗例その3 「音が聞こえない」

いざビデオ会議を始めると、生徒の声が聞こえなかったり、逆に生徒から「みんなの声が聞こえない」とチャットが来ることがよくあります。どのくらいよくあるかと言うと、初めてのビデオ会議では少なくとも4人に1人は何らかの機材トラブルを訴えます。(ソースはありません)

ビデオ会議でも、電話と同じように「もしもし、聞こえる?」と尋ねる方も多いのですが、参加人数が多いとみんなで一斉に「「「聞こえる!」」」と答えてしまい、肝心の聞こえてない人が分からなくなります。全員に対して問いかけをする際は、🙆‍♂️ 🙆‍♀️ (手で丸を作るボディーランゲージ)を積極的に使いましょう。ソフトによっては「手を挙げる」機能も便利です。

生徒から「音が聞こえない」と言われた場合の対処法
・他の音が鳴っているかどうか確認するために、何か音が鳴ること(動画を開いたり、音楽を聞いたり)をしてもらいましょう
・他の音が鳴る場合は、ビデオ会議ソフトの問題です。ソフトの設定で音量を大きくしたり、ソフトを立ち上げ直したりしてもらいます
・他の音も鳴らない場合は、パソコンの問題です。パソコンの音量を大きくしたり、スピーカー(イヤホン)の線が抜けていないか見てもらいます

特定の生徒の声だけが聞こえてこない場合の対処法
・マイクがミュートになっていないか確認してもらいましょう
・ビデオ会議ソフトの設定を開いて、マイクテストをしてもらいましょう。どのソフトにも大抵ついているので、事前に操作方法を確認しておきます。
・最悪の場合、授業の進行を優先するために、諦めてもらいましょう。

まずは先生の声が生徒の皆さんに届くようにすることを優先してください。音が聞こえないのは不安になりやすいですが、声が届かないのはチャットで代用できるので諦めがつきます。もし可能なら、授業が終わった後も会議の部屋を開けたままにしておき、生徒が試せるようにしてあげましょう。


脚注

*1 厳密に言うと一方向的なビデオ会議や双方向的なライブ配信もあります。少人数が参加するビデオ会議の様子をライブ配信するといったハイブリットな使い方もあるようです。

*2 600kbps という数字は Zoom のシステム要件を参考にしています。
インターネットの速度は、無料のスピードテスト(例:fast.com)で簡単に調べることが出来ます。同じ回線を家族で共有すると速度が下がります。

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