見出し画像

「とりあえず値下げ」はもったいない

売れなかったときに、とりあえず単価を下げようとする人は多いけれど、他の手段を検討してからでも遅くないという話。

もう少し売るために、できること

ここしばらく、うまく商品やサービスが売れていないというお話を立て続けに数人から伺った。

まず、販売戦略とマーケティング戦略を忘れないで欲しいのだが、どうも失念しているケースが見受けられる。もったいない。

まずは販売戦略。
売上の大半を一部のブローカーや顧客が占めていないか?もしそうなら人員配置や区分の切り分けを再定義したら良い。

マーケティングはどうだろうか。
提供できる品質やパッケージ、宣伝も自分が提供したい人たちのニーズに合っているのかを良く見直して欲しい。

これらを検討し尽くした後で、やっと単価を下げることに手を付けるべきだと私は考えている。つまり、下図の上から検討していくべきということ。

どうしても単価を下げる場合にするべきこと

その商品から撤退することを決め、棚残処分をする場合は売り尽くしセールをすることになるだろう。

そうではなく今後もそのビジネスを続けるという場合は、単価を下げても十分な利益を確保するために、原材料や生産プロセス、ロジスティックの見直しをするべきだ。

コロナ禍でスキンプフレーションが始まる

ちなみに、世界中の飲食店でこの見直し後のサービスが展開されている。コロナ禍で休業した飲食店が営業を再開したが、人手不足で従業員が集まらず、台所も接客もてんやわんやで席への案内も注文されたものの提供も遅くなりがちに…。

米国ではこれをskimp(倹約する、ケチる)とインフレーションを合体させて「スキンプフレーション」と呼び始めたようだ。倹約対象はサービス。

飲食店は前述のようにホールスタッフを減らす、小売りなら販売時の説明を省く、ホテルなら送迎や清掃の頻度を減らす。見かけの価格は同じでも事実上の値上げになる。

実質的に値上げした外食は利用されないか?

確かに自粛前よりも少ないスタッフでお店を回しているところも多い印象を受けるが、自粛に疲れた人々で街は賑わっており、体感的にそれは無さそうだ。個人的にも、そこまで外食を控える理由にはならないと考えている。

良質なサービスを受けられないのは残念だが、お店が潰れるよりは断然良い。これもパンデミックに耐えて生き残るための生存戦略でありトレンド。景気が良くなってきたら、また競争原理によりサービス向上にも目が向いてくるだろう。

レストランは早めに席をリザーブし、料理やお酒を待つ間の楽しい話題や本を持ち物に加えてたまには美味しい外食を楽しもう。

そして、数少ないサービスをキープしているお店に対しては惜しみない賛辞を贈り、少し良いお酒をオーダーしたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?