忘れられない旅 ①
1994年、大学4年生の12月ー
教授に直談判して試験を前倒ししてもらった上で、1か月半の予定で出発した卒業旅行ーアメリカ横断+ブラジル旅行。
イギリスに留学をしていた親友とサンフランシスコ空港で待ち合わせて始まった旅
長旅と時差でくたくたになった1日目の晩は、学生としてはなかなか良いホテルを予約して泥のように眠った2人
2日目、ケーブルカーの発着点の真横にあるホテルに移って、彼女の6か月の留学の間のお互いの近況についての積もる話が翌朝の5時くらいまで続いた。
まだしゃべり足らないような気がしながらも、明け方眠りに落ちた私たちが、目覚めたのは
朝9時ぐらいだった
聞こえてきた外からの音によってー。
その音の正体は、
ー銃声
ホテルの隣のビルの1階に入っていたバンク・オブ・アメリカに、強盗が入った。
銃声というか、銃撃戦のような音で目覚めた私たちは、ホテルの部屋の窓から様子を見ることになった。
ホテルの下はケーブルカーの発着点
しばらくすると、白い布にくるまれた何かが、発着点に停められていた救急車に乗せられて、静寂が戻った。
その日1日の観光旅行は延期
ー1日中、テレビで情報を得て、ホテルで過ごし、おなかが空いて、銀行とは反対側のビルにあったマックまで走って夕食をゲット。高校留学で初めて渡米した1988年以来毎年訪れていたアメリカで、初めて猟銃以外の「銃声」を聞いた。
翌日、ようやく重い腰を上げ前日に行く予定だったゴールデンゲートブリッジに出かけた。また、サンフランシスコにいる間に、ブラジル旅行の手配、ロスへの移動手段の確保。ケーブルカーでの散策もしたのは覚えている。
そして、ロスへ・・・。
当時のロスは、暴動から3年足らず、その余韻が残る街だった。
ダウンタウン、ハリウッド、チャイニーズ・シアター、ユニバーサル・スタジオなどを巡って、私の誕生日に私の大好きだったフェニックス・サンズの試合を見るべく、前日にロスを発つ予定だった。
ロスを発つ朝、リムジンバスをホテルの前で待っているとき、事件が起こった。
親友の前を通ろうとした、長身の男性が、振り返りざまに彼女のハンドバックをもって走り去った。