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受験生の夏に見る日本の未来 

大学受験生の夏ー

AO入試や推薦入試のための自己アピールや志望理由書などの話が出る。
そして、私は、この国は、不思議な国だなぁと思うことが増える。笑

昨年、地元の大学のAO入試を受ける生徒の自己アピールや大学で学びたいことなどを書くのを手伝ったとき、現代日本社会学部を目指す生徒だったので、彼の趣味の「トンボとり」で「地域創生コース」を目指して書いてみることを勧めた。

彼は、今どきの子には珍しく、地域の場所ををよく知っている高校生だった。

それは、彼がトンボとりにいろんなところに網を持っていくので、様々な場所を知っていたからだ。今、自分で自転車で探検に出かける子は少ない。そのためなのか、近所のことでも私たちが説明してもわかってもらえないことが多いが、彼は、そんなことはなかった。国道の番号はわからなくても、通称だとか、橋の名前だとかが通じる数少ない生徒だった。

その力、地域創生を学ぶのには良いんじゃないかと私は思った。

彼も、それなら書けると、乗り気で文章を書き上げたけれど、担任の先生に見せたら、ほとんど却下され、漠然とした内容に変更するように言われて、意気消沈、再び相談にやってきた。

そして、

ーぼく、(担任に変更された)この文章で出して、面接で質問されても答えられやんし、もともとの文章で落ちても悔いはないけれど、変えた文章で落ちたらやり切れやん。

というので、そのまま学校の先生に伝えれば良いよ、ということで、彼の納得する形で提出し、面接はトンボ談義で終わったらしい もちろん合格。笑

同じようなことを何年も繰り返してきている私には、予想通りと言えば、予想通りの担任の先生の反応なのだけれど、毎年、もう少し子どもの能力を信じてみてほしいと思うことが多い。

そして、同時に、先生たちの言うようにありきたりのいわゆる「意識高い系」の発想で書かれた志望理由書も、準備して覚えてきましたというような面接の返答も、大学が欲している生徒を見つけ出すのに役に立っているのだろうかと疑問に思う。

今年も先日、自己アピール作成に行き詰っているという高校3年生の話を聞いて、視点を変えてみてはどうかとアドバイスしてみた。彼女がどんな文章を書くつもりなのかはしらないけれど、その内容なら書けそうな気がすると、笑顔で帰っていったので、次の報告を楽しみにしたいと思っている。


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