島食の寺子屋に来た理由
この1年、私は「なぜその学校に行こうと思ったの?」「なぜ和食なの?」と何十回と聞かれた。その度に自分自身にも問い直し続けた。そして、時やタイミング、相手によって答えは少しづつ変化した。だいたい同じ質問なのにうまく答えられたり、答えられなかったり、、、時にはうまく伝わらないと思ってしまい、適当な答えでかわしてしまった時もあった。それだけ新しい土地で新しい道へ進むことへの周りからの様々な反応があった。自分の中での意志は揺るぎないはずなのに、自分の想いを言葉にして伝えるというのは勇気がいることでもあるし難しい。
・食べる物で身体が作られていること、旬を味わえばその季節を乗り越えられる身体になっていくこと、人によって作られた(作った)ごはんを食べること。当たり前のようにあった日本の食文化が変化していく中でもこの事はずっと変わらず大事なことだと思っている為、それを伝えていけたらいいなと思うから・技術だけではなく生産者の方との繋がりや、自然が与えてくれる旬によりそうという和食本来の考え方を体験として学べるから
・食材を海や山や畑から自分の足で採りに行ったり、生産者の方から直接仕入れるところから始まり、その日に島で採れたものだけで料理をつくりあげるという学びに惹かれたから
・料理がとにかく好きだから、食を通して人と関わりたいと思ったから
・ずっと学び続けれるような奥深さを感じるから(料理や食)
というような、綺麗な言葉を連ねて説明していたものの、今でさえも自分の中で腑に落ちる言葉がみつかっていない。だけれど、ひとつ揺るぎなく言えるのは、島食の寺子屋の学び、隠岐の生活が楽しみで仕方なかったし、実際に始まった生活も想像以上に楽しんでいる自分がいる。この感覚さえあれば、自分の中での上手な説明はいらないのかもしれない。とにかくこの一年じっくり隠岐の自然の移ろいを肌で感じ、五感を養い、人との繋がりや島での暮らしを味わい、学校にいてもいなくても、隠岐で過ごす時間すべてが自分にとっては学びだと思って毎日を大切に過ごしたい。そして、一年後いまより具体的に島食の寺子屋に来た理由や、和食を学ぶ理由を自分の言葉で伝えられるようになっていますように。(なっていると信じたい)