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最近考えること

春、寺子屋に来て生まれて初めて魚を捌いた。人間と同じ赤い血液が流れていること、胃や腸や肝臓などの臓器があること、捕食中の魚が口からでていること。知らない景色だったので、大変新鮮で、不思議に思っていたことを覚えている。

先日、西ノ島で行われた牛の競りへ見学に行った。会場の雰囲気に圧倒され、我々人間が牛を食べることを選択しなければ、もしかしたらこの地球に存在しなかったであろう命。以前、ある人から牛は殺される前に悲しい気持ちになっているみたい、牛を食べるって、その感情も食べてるのかもね、と教えていただくこともあり、動物性のものを体内に取り込むことについて、考えるようになった。牛がどのような気持ちで、どのような感情を抱いているかはわからないけれど、自分の意志で動くことができるものを商品として扱う光景に、少し胸が苦しかった。

牛のせりでの一枚

しかし、おいしい牛肉、これからの人生も食べたくなる時はあるしな、、、牛乳も生クリームも好きで、断つことはできないよ、、、と思ったりする。この競りや、そこで働く人々がいてくれるからこそ、その美味しい瞬間があるのだなと気づく。しかし私も、魚を捌いて、生け花教室の時にはお花を剪定し、育てた野菜を畑から採取している。いろいろな場面で、私も様々な生き物の命を中断しているのか、ああ、こうやっていろんな命に、私が生きることのエネルギーと生きる楽しみと生活の彩りをもらっているのか、と今更ながら気づいた。この、いろいろな生き物への感謝の気持ちをどう消化し、反映したらよいのか、と答えはでていないが、生活するその時々で、私を取り囲んでくれている人々も含め、たくさんの生命に、大切に接することのできる人になりたいものだ、と思う。

初めての生け花

(文:島食の寺子屋生徒 菅原)