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私がテラエナジーの企業支援をスタートした理由

ソーシャルビジネスの事業支援者として、テラエナジー(以下 テラエナ)の経営支援に携わることになり1年半。そもそもの、テラエナが起業されるきっかけになった認定NPO法人 京都自死・自殺相談センターSotto(以下 Sotto)と出会ったのが5年前。思えば割と長いお付き合いです。また、テラエナはお坊さんが作った会社ですが、お坊さんとも昔から縁がありました。大学の親友がお坊さんだったり、仕事のパートナーがお坊さんだったり、付き合った人がお坊さんだったり。そんないろんな縁を感じつつ、今日はどんな成り行きでテラエナの支援をスタートしたかお話したいと思います。

ソーシャルビジネスの企業支援についての記事はこちら!

京都自死・自殺相談センターSottoとの出会い

最初に簡単な私の略歴をご紹介しますと、株式会社リクルートに勤務した後、子どもと女性への暴力防止NPOを立ち上げたり、京都市役所まちづくりアドバイザーとしてでまちづくりの仕事を行ったり、ソーシャルイノベーションを目指す企業さんの支援を行う研究所(京都市ソーシャルイノベーション研究所)でコーディネーターとして働いていました。

その研究所は、いろんな社会の課題をビジネスで解決する「ソーシャルビジネス」に特化した支援機関だったのですが、企業に限らず、社会を良い方にシフトする活動をしているNPOや個人の方々との交流がたくさんあり、Sottoにもそうやって出会いました。

死にたい気持ちを抱えた人のありのままの声に耳を傾け、相談を受け付けているNPOなのですが、そこの代表をされているのが、テラエナジーの代表取締役の竹本さんで、事務局長をしておられるのが、おなじくテラエナ取締役の霍野さんです。

Sottoは、活動継続のために、助成金、寄付金、委託等々、色んな所から資金調達をされていて、ファンドレイジングにも積極的に取り組まれている、とてもアグレッシブな団体です。スタッフの皆さんが活動に関わるようになったきっかけや動機づけが強く、みんなが自分ごとで活動していて素敵だなぁと思った私は、プロボノで関わることにしました。NPO法人の理念策定、ボランティアメンバーのモチベーションを上げるためのワークショップや、組織体制の検討などを行いましたが、やはり資金調達は大変で、継続的に寄付を集める仕組みや寄付者・潜在寄付者とのコミュニケーションをどう取るかは大きな課題でした。

それから数年たち、そのSotto代表の竹本さんが、霍野さんと一緒に、寄付つき電気の会社を作るという話を聞いたときはびっくりしました。うちの研究所でチームを組んで事業支援を行うことになったのですが、話を聞いていると、電力事業は規模も大きく、利益が生まれだす限界利益額がとても大きいビジネスです。インフラ事業ということで、ある一定以上に達したら安定した経営基盤が作りやすいですが、電力自由化してからまだ業界も落ち着いておらず、大手電力と新電力のパワーバランス含め、どうなるか未知の業界です。いろんな活動に携わっておられるとはいえ、ビジネス未経験のお坊さんにできるの?というのが実感でした。

届いた一通の招待状

そんな中、2019年の冬に霍野さんから招待状が届きました。「テラエナジー大作戦」と銘打たれたそのイベントは、テラエナジーの関係者、お世話になっている人、友達を招いて「テラエナジーの課題を一緒に考えてくれ!」というめっちゃ自分勝手(笑)なイベントでした。でも、美味しいオーガニックなご飯が食べられると書いてあったので、でかけることにしました。

と、同時に、すごいなぁと思いました。私はアラフォーですが、起業する若い世代を見ていて思うのは、創業のハードルが低くなったと同時に、気負いがなくなっているなぁということでした。以前のように事業計画書を持って資金を調達し、はじめからある程度の規模を持って事業をスタートするのではなく、小さなモデルを考え、トライ&エラーで小規模からスタートし、周りの人々を巻き込みながら大きくなっていく。または、クラウドファンディングなどで共感の輪をひろげ、事業資金を提供してもらうというのは、私がNPOを立ち上げた10数年前には考えもつかなかったことでした。今回のイベントも、言うなれば、自分たちが勝手に作った会社で困ったことがあるからと言って、色んな人を集めて意見をもらうイベントにしてしまう強引さ。そして、それを「面白そう」と思う自分たち。それはテラエナジーが自然エネルギー普及や寄付つき電気という公共性を持っているからこそできること。そして、「やってみて、うまくいかなかったら次のことを考えよう」というしなやかさからできることだなぁとしみじみ思いました。

大作戦で起こったこと

イベントは京都のムモクテキビルのイベントスペースで行われました。テラエナジーの事業説明、現在抱えている課題のプレゼンが代表の竹本さんからあった後、みんなでフィッシュボウルという形式のワークショップを行い、参加者全体でどんどん意見出しをしながらすすんでいきました。

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参加されている方も多様で、アパレルブランドの広報の方、京都の老舗ものづくりメーカーの方、寺社仏閣向けにメディア発信されている方、行政職員、ご高名なお坊さん、私のような支援職の方、いろんな立場の方が参加されていて、参加者同士のヨコの繋がりも生まれる温かい会でした。そうです。温かかったのです。もともと竹本さん、霍野さん、テラエナメンバーの人柄もそうですが、その人柄に惹かれて「なんか力になってあげよう」という、知見をもった、時給換算したら単価高そうな人々が、美味しいごはんが食べられるとはいえ、無償で平日の夜に集まってくれているわけです。そして、テラエナのビジョンに共感して、それを実現するために課題をなんとかしようと、仕事でも強制されたわけでもないのにクオリティの高い意見を沢山出してくれている。すごい光景だなぁ。世の中捨てたもんじゃないなと思いました。

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会場の空気にすっかり気分も高まり、研究所の仕事を通り越して、内部に入り込んでがっつりテラエナジーを支援したい!という気持ちになった私は、美味しいご飯を食べながら、取締役の霍野さんに「私を雇いなはれ」となんか上から言うたのを覚えています。それを聞いた気のいい霍野さんは、「やったー!」といって喜んでくれ、トントン拍子に話がすすみ、当日一緒に参加していた、同じ研究所の税理士の田中さんも一緒に支援することになりました。

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こう書いていて、自分がテラエナジーに関わることになったのは、本当に自然な流れだったと思いました。途中端折りましたが、取締役の霍野さんは、信頼資本財団が主催するA-KIND塾の同期だったり、うちの研究所が主催するイノベーションキュレーター塾にも来て起業の構想を語ってくれていて、ずっと気になる存在だったのも大きくあります。そして、なんだかんだいっても、テラエナのメンバーがみんな温かくて、悩みもたくさんありながらも前向きにやっていこうと頑張っておられる。自分のことだけじゃなく、社会のことを、未来のことを考えて働いている、そんなみんなが好きだから、個人的につながっていたいと思っているから、関わらせて頂いているのだなぁと思います。

今日はこれくらいにしておきます。次回以降では、テラエナジーでんきのキモである、寄付つき電気、再生可能エネルギーについて、お話できればと思います。

山中 はるな(やまなか はるな)
(株)リクルートでの企画職を経て、2009年から京都市まちづくりアドバイザーとして区基本計画の策定、地域活性化のためのワークショップを行う。2015年より京都市ソーシャルイノベーション研究所のイノベーション・コーディネーターに就任。「これからの1000年を紡ぐ企業認定」、「イノベーション・キュレーター塾」の立ち上げを行う。2020年宮崎県延岡市に移住。旭化成(株)延岡支社地域活性化推進グループとの共催で「U35nobeoka未来会議」「w35nobeoka女性起業家会議」をmoyamoya innovationsにより実施。たまに、ドラァグな仮装をして、バーを開いたりします↓

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