自分への手紙
ストレイテナー大山純さんの手紙(https://www.ism.life/contents/417
)に触発されて、書いてみた。
大山さんの手紙もボロボロ泣きながら読んだけど、自分のを書いてても、ボロボロ泣けたな、、、
20歳の君へ
どうも。
君に向けて、手紙を書くなんて、初めててすね。
・・・なんだか、人生で最高に太っているみたいですね。コンビニのバイトで、廃棄した商品を食べるのは、健康に悪いのでやめましょう。
ちなみに、そのコンビニは、地主の気まぐれで、契約更新できず、もうすぐ潰れます。それをきっかけにあなたは新しい出会いを果たすことになるのですが、それはまたのちほど。
大学は忙しいけれど、楽しくはないみたいですね。
FenderJapanの5万円のギターをバイト代で買いましたね。よくやりました。音楽はこれからも、ずっとあなたの味方です。
21歳の君へ
コンビニ潰れたでしょ。
あなたは行動が早かったんですね。若さゆえ、でしょうか。
思い切って、ずっと興味のあった水泳のコーチを始めました。
毎日怒られていますね。体育会系の世界ですが、大丈夫ですか?
君は生粋の人見知りでしょう。。毎日ドキドキしながら、バイトに行ってますね。
子供たちの声や反響でかき消されて、声が届いてないですよ。
腹から声をだしてください。
まず何より、そのぷよぷよの体を、なんとかしなさい。
でも、なんだかんだ毎日頑張って働いて、お金を稼いでいます。えらいぞ。
免許のローンも、やっと払い終わりそうですね。
君の我慢強さだけは、認めます。
先輩が卒業して、送別会で、大泣きしましたね。泣き上戸、この時からですね。でもまだ治ってませんよ。次はあなたが先輩です。しっかり後輩を育ててね。
大学では、ほとんど単位取り終えたようですね。来年は卒研だけですか。
軽音サークルは部費も高くて、すぐにやめたようだけど、地元の友達とバンドをはじめましたね。その付き合いは長く続きます。楽しんで。
高い学費、だしてもらったのに、全然大学行ってませんね。
バイトバイトバイトバイト。
後にわかることですが、君の父は高卒だったので、工学部に入ったことを、こっそり職場の人間に自慢していたみたいですよ。そういえば、エンジニアの父に触発されて、工学部に入ったんですよね。でも、人には向き不向きがあるみたい。
22歳の君へ
今までにないぐらい、充実してますね。
体重52kg、体脂肪8%。
ちょっと、ムキムキです。
災難なことに、この時の体形を、将来奥さんになる、今の彼女は覚えいますからね。ずっとチクチク言われます。
週5回、夏休み冬休みには、短期教室、スケート、遠足と、課外イベントにも行きました。働きずめじゃないですか。。
支店長として異動していったコーチに、「〇〇、たのむぞ」って言われたから、律儀にその言葉、守ってたんですよね。
〇〇コーチ、支えるために、頑張ったんですよね。
ひょっとして、あこがれていたんですか?
あなたのそういう愚直なまでに頑固で、自分のことを顧みないスタイルは身を滅ぼします。そんな忠告、聞かないんだろうけど。
マスターズクラスも、やり始めましたね。
素人同然なのに、怖いものしらずですね。でもお客さんもしっかり、ついてますね。あなたの努力です。
ギター、続けていますね。大学の友達のバンド、ヘルプでギターを弾きましたね。ノーミスで、やるじゃないですか。でも半音下げの途中、チューナーの電池が切れて焦りましたね。電池をコロコロしたら、一瞬電源がついたので、なんとか乗り切ったね。今でもよく覚えてるよ。
自分のバンドでも学際にでました。ライブハウスにも数回でました。音作りがくそで、ライブハウスのおっさんに、しこたま怒られましたね。
今でも、いい思い出です。
4回生の後期、大学には2、3回しか行きませんでしたね。
卒研発表のとき、「やめたと思ってた」、と同期に言われますよ。
23歳の君へ
君はなぜか、ふるさとの大阪を捨てて、東京のIT企業に就職しました。
大丈夫ですか、彼女は大阪に残したまま。
何か焦ってませんか?何になりたいんですか?
そんな大したやつじゃないよ、君は。
はじめの配属先、毎日、ブラウザに向かって、テストケースを消化する毎日。でも、水泳のコーチより、お金がもらえます。
「せいしゃいん」って、不思議な感覚ですね。
君は軽トラックをレンタルして、同期の友達と一緒に、住吉の寮から、下北沢に引っ越します。
家賃高いのに、、何を考えていたんですか。その部屋、寝るためにだけに帰るはめになりますよ。
24歳の君へ
次の配属先は、WEB開発ではなく、メインフレームでの開発になりましたね。
仕事は、楽しいみたいですね。ブラウザでポチポチ、から、やっとまともな開発ができましたから。夜中の2時まで残業、そのあとは先輩とラーメン食べて、タクシーで帰る。
はたからみたら、完全な社畜です。でも楽しかったね。
3.11
大きな地震が起こりました。
ビルが大きく、しなっていました。
必死に机のしたに潜りこんだあなたの脳裏に「死」という言葉が浮かびました。
交通機関が機能停止し、品川駅から歩いて帰りましたよね。
あれはつらかったな。
「帰宅難民」ってやつです。
君は携帯の電池が切れた2人の後輩を連れて、GPSを駆使してなんとか下北沢にたどり着きます。
下北沢のアパートでは、掛け時計が一つ、床に落ちていただけでした。
すぐにTVをつけると、仙台空港を津波が襲っている映像。
君と、後輩君は、言葉を失いました。
君は不安で押しつぶされそうになって、彼女に連絡しますが
彼女さん、電話したとき、寝てますよ(笑)大物です。
さて、この年のあなたには、もう一つビックイベントが起こりましたね。
そう、ベビーができたんです。仕事帰り、突然彼女からメールが。
「報告があります。子供ができました。」
慌てた君は、すぐに彼女に電話して、事実確認をしました。ほんとに子供できたみたい、でも、あなたの中で、覚悟は決まっていましたね。
そういうところだけは、立派です。かっこつけ、ともいいます。
次に、すぐ母に電話しました。あなたの母はあきれながらも、背中を押してくれましたね。
「柳のように、生きていかなあかんよ」
自分で子供に言ったことは体現する人です。いつも揺るがない、強い母。
父は、大笑いしてました。でも子供ができたのは、いいことだからなって。
対照的な二人。
「夫婦はどちらからが少しふざけていたほうがいい」
これは結婚式のときに送られる、母から言葉です。
でも、君は少しふざけすぎるところがあるので、気を付けてね。
ばたばたと結婚式、二次会と手はずを整えました。
そういえば、「結婚式はしなさい」といったのも、母でしたね。
たくさん友人が集まってくれましたよ。君、恵まれてます、ほんとに。そしてまた、泣きますよ。
ま、人生に一回なんだから、この時くらいは許します。存分に泣きなさい。
数日だけ、下北沢で、奥さんと生活しました。
おなかの大きい奥さん。大事にしてあげてね。
縁もゆかりもない世田谷区役所に、婚姻届けをだしました。
「今日、出しといたよ。」と奥さんからメール。
事務手続きにはあまり執着のない二人。世間的にはめずらしいですかね。
でも、自分たちらしくて、好きなエピソードです。
さて、君たち「3人」は、小さい下北沢のアパートを引き払い、国分寺に引っ越しました。
新しい生活の、始まりです。
25歳の君へ
仕事は順調です。大きな新規プログラムを作りましたね。コーディング、なかなかできるじゃないですか。びっくりしました。
あなたのそのプログラムは、一日数億件のトランザクションを処理することになります。少し、誇りに思ってもいいんじゃないですか。
後輩もたくさんできました。楽しいですね。
飲み会、バーベキュー。
仲間仕事は結婚パーティーまで開いてくれます。そこであなたはまた泣きます。
1月に生まれた娘の名前は「れいな」。強い女性になってほしいと、君が名づけました。心配しないで、誰にでも優しく接することのできる、人の痛みがわかる、かわいい女の子に成長しますよ。成長の過程を楽しんで。
そうそう、アレルギーには気を付けてあげて。
幼児用ヨーグルトでアレルギー反応、顔がはれ上がりましたね。
新米の親、頼る人はいません。すこしビクビク、、。
でも奥さんは動じません。しっかりしなさいね。
国分寺のアパートが手狭になってきたので、国立にマンション、買っちゃいましたね。ふと、立ち入った展示場、即決してしまいました。二人とも、若かったですね。
え、君が、大黒柱ですか。頼りないですね。。
何か浮足だってませんか。大丈夫ですか。
相変わらず忙しく、毎日が過ぎていきます。
あなたはこの年、人生で最大のトラブルに見舞われます。
仕事が終わり帰宅中、ふっと気を失うような、感覚を覚えました。
「あれ、死ぬかも」と、3.11のときのような恐怖がよみがえりました。
奥さんと、娘の顔が、思い浮かびます。
「この二人をおいて死ねない。」
こう思った瞬間、急に君は胸の苦しさを覚えます。心臓は高鳴り、手からは血の気が引いていきます。品川から山手線に乗りましたが、となりの駅ですぐ、降りてしまいました。
低血糖かと思い、スポーツドリンクとおにぎりを買い、10秒でたいらげました。
止まらない恐怖心。
心臓はどんどん高鳴ります。
バクバクバクバクバクバクバクバク。
なんとか新宿までたどり着きましたが、耐えきれず、駅員さんにお願いして、救急車を呼びましたね。
「逃げ出したくなるような恐怖」と、「死んでしまうんじゃないかという恐怖」があなたを支配していました。
これが、これから長年お付き合いする「パニック障害くん」との、最初の出会いです。
救急病院での診断は、まさかの「異常なし」
あなたは首をかしげながらも、異常がないということで少し落ち着きます。
なんとか自宅にたどりついたあなたは、まだ収まらない恐怖心と戦いながら、奥さんに手をつないでもらって寝ました。でも、朝まで眠れませんでしたね。
翌朝、当時すでに介護職を再開していた奥さんのもってた精神障害に関する教科書を手に取ったあなた。
「パニック障害、、これか、、」
自分の病気を理解したとたん、あなたの心はすっと晴れました。
会社の人にも報告せず、翌日からまた慌ただしい日々に戻ります。
80人くらいの新卒対象の新人教育も担当しましたね。
「教育室長」だって。
無理でしょ。
あなたの心は、このころからちょっとずつ、苦しくなっていました。
26歳の君へ
あなたは4年間いたチームを異動しました。
しかし、お台場は、遠いですね。通勤には2時間かかります。
「最強」と言われる埼京線、君はよく耐えられましたね。今の僕には絶対たえられないです。
でも、Javaなんてやったことないのに、要件定義、できるんですか。自ら異動に手をあげたし、必死でやっているみたいですけど、、なんか、頭が全然回りませんね。
何が正しいのか、まったくわかりません。あなたは人と話すときに、口ごもるようになりました。
この時期、なぜか、やたらと虫歯ができましたね。ストレスですよ、それ。
手汗が止まらないときがでてきました。顔も火照ります、でも風邪、ではないみたい。
ある日の帰り道、あなたをまた動機と恐怖心が襲います。
「パニック障害」くんとの再開です。
家にたどりついて、奥さんや子供の顔を見ることなく、シャワーに直行したあなた、全然動機が収まらない、、どうしよう、どんどん苦しくなる。
でも大丈夫、なんとかごまかそう、、大丈夫、大丈夫、大丈夫、、、、
奥さんの顔を見た瞬間、あなたは、泣き崩れました。
「ごめん、、俺もうあかんわ、、、、ごめん、、ごめん、、」
「大丈夫やって」
状況をなんとなく察した奥さんは、あなたを抱きしめてくれました。
ほんとに、強い奥さんでよかったですね。
翌日、会社へ連絡し、とりあえずしばらくは様子を見ることに。
ここから、毎日襲ってくる恐怖と戦いました。
首が凝っていると影響するらしい、整形に通ってみる。
生活習慣を整える。
鉄分が足りないと、ダメ!?
セロトニン?日光??精神的なストレス???運動不足????
やれることは全部やりました。
でも強情な君は、一切薬を飲みませんでしたね。
発作がひどいときに頓服薬、1回だけ飲んだことがあったっけ。。
でも薬に頼らなかったのは、正解です。君は薬なしで、立ち直ります。
毎日多摩川まで散歩に行きます。保育園が休みの日には、娘とよく小学校にあるブランコに遊びにいったり、公園に行ったり、、少しずつ元気になりましたね。
ありがとう、君が少しずつでも外に踏み出したおかげで、今の僕がいます。
2ヶ月休職する決意をしたあと、久しぶりに、父に電話したあなた。
「慎(しん)、大丈夫か?」
「うん、、まあ大丈夫、とりあえず休職するわ。」
それが、あなたと父の最後の会話になります。
「慎也、おとうさん、もうあかんみたい、、」
夜、母からの電話。声が震えている。
電話口が、母から、姉に代わる。
「慎也?お父さん、出張先で倒れたみたい。くも膜下出血みたい。とりあえずまた電話する!」
と切れる。
ひとまず奥さんに報告。「おやじ、なんか仕事先で倒れたみたいまあ、大丈夫やと思うけど。」と君。
また母から電話。
「お父さん、やっぱりあかんみたい。」
またすぐ姉に代わる。
「まだわからんけど、もうかなりやばいみたい、、脳がパンパンに腫れてるみたいで、、帰ってこれる?」
姉に言われた住所を、震えた手で書き留める。
「まだわからんからな!俺らがしっかりせな!」言いながら、ボロボロ涙がこぼれた。となりで背中をさすってくれる奥さん。
そうだ、来週、奥さんの妹の結婚式で帰省する予定だったんだ。
取り急ぎ、現金がなかったのでお祝儀用におろしていた現金を握りしめて
夜7時、丹波の山奥に向けて、東京から出発する。
新幹線でひたすら検索を繰り返す君。
「くも膜下出血 奇跡」
「くも膜下出血 助かる」
「くも膜下出血 復活」
「くも膜下出血 リハビリ」
時間が過ぎているのか、止まっているのか、不思議な感覚。
なんとか終電に間に合い、丹波の病院へ。えらい山奥。
薄暗い廊下を抜けると、姉と母が現れる。
「久しぶり。大丈夫?帰れてよかった。こっちこっち」
「うん。」
姉に案内され、ICUへ。
カーテンに囲われたベッドの中に、180センチの巨躯が横たわっていた。
5秒に1回くらい、その巨躯は大きく痙攣し、ベッドから体が跳ね上がる。
「ギッギッギッギッ」
ベッドのきしむ音が、夜中の病室に響く。
夢を見ているようだろうけど、それは間違いなく、君の父親です。
「、、、、お父さん、、」
とりあえず、呼びかけ続けるしかなかった。
27歳の君へ
父はとりあえず脳死にはいたらず、自発呼吸が再開したため、大阪の病院にドクターヘリで搬送されたました。完全に寝たきり。会話もできない。
拘縮で硬くなっていく手足。
とりあえず、血管にあった動脈瘤(こぶ)は、コイルで埋めてしまう手術をした。胃ろうにもしてもらった。
家族として、やれることはやったけ。
でも、以前の父に戻ることはないってさ。
嘘みたい。
でもいずれはみんな通る道。
父の職場のみなさんが、お見舞いに来てくれた。
「ほんと寡黙な人で。。」
「蒸気タービンの技術で、〇〇さんの横に出る人はいなかったです。だから今現場も大変で。。」
「息子さんの話は、よくされてましたよ。東京のほうに行かれてるって。」
父の後輩の方によると、車を運転中に、いきなり路肩に止まったみたい。
おそらく、その時に一度、軽い出血を起こしていたんだろう、と。
一度救急車を呼んだが、「大丈夫」と、救急車を返してしまったみたい。強情なところは、君によくにていますね。
事務所に帰ったあと、二度目の出血。この時は体が痙攣していて、もう手遅れの状態。
その後、心肺停止。
蘇生はしたけれど、酸素が脳に行かず、蘇生後脳症で、寝たきり状態、ということらしい。
「、、、なんでうちにこんなことが起きるんやろう。もっと悪いことしている人とか、いっぱいいるのになぁ。」
母はすっかり傷心しているみたいでしたね。
「女二人で、不安やで、ビクビクしてるわ」
「じいじ、いつも、れいなっち、れいなっちって、でも抱っこできて、ほんまに、よかったなぁ。」
「俺らの誕生日なんて、覚えてなかったぐらい、子供に関心なかったのにな(笑)」と、笑いではげます君。
その後、しばらくして、なんと父が借金をしていたことが発覚します。
国立市の弁護士に相談し、過払い金があったので、200万円以上が減額となり、無事返済。
「ほんま、何やってるねん。くそおやじ」
でも、話ができるときに発覚しなくてよかったな、喧嘩して、家族が離れ離れになってたかも、、と内心ほっとする君です。
「ほんま!小遣いはやってたんやで!」
母は当時よく怒っていましたね。でも、少しずつ元気になったみたい。
状況が落ち着いてきて、君は、介護の仕事を始めます。奥さんの勤めている会社の、違う支店で働いてみませんか、と紹介してもらった。
もう少し休んでいたかったけど、奥さんが、早く出たほうがいいと背中をおしてくれます。
まだ発作はあるみたいだけど、大丈夫。もう大丈夫だよ。
これまで、よく耐えました。
仕事を始めて、どんどん自信をつけていく君。
「〇〇くん、向いてるんじゃない?」
確かに、人をケアする仕事、君には向いているみたいだね。
だって、それがストレスになるくらい、人の痛みには人一倍敏感だから。
28歳の君へ
この歳で、君は奥さんと一緒に働くことになります。びっくりしたでしょう。
でも、めちゃくちゃ働きましたね。
君の奥さん、ものすごい仕事ができますよ。でも君には君の役割が、あるから、安心してください。そう、パソコンです。SEやってたでしょ。
「夫婦でやっているデイサービス」は、評判でしたね。
稼働率は90%を超え、夫婦でめちゃくちゃ働いたね。
「そのうち独立するの?」なんて、よく言われました。
まんざらでもない君。
また少しずつ、充実してきた君の人生。
娘は風邪もほとんどひかず、親孝行な子。どんどん大きくなりました。
そういえば、すっかり発作も起きなくなったね。もう大丈夫。
29歳の君へ
さあ、一人だちのときです。
埼玉に異動した君は、管理者として、奔走します。
ご家族やケアマネさんに、たくさん怒られましたね。でも、最後には認められました。
大事な大事な利用者さんを、お看取りもしましたね。介護という仕事のすばらしさを、あなたは実感します。自分に役割があることが、幸せでした。
スタッフもどんどん増えて、10人以上の大所帯に。
でも、強くなったあなたには、だんだんと、介護の現場が窮屈になってきます。
名ばかり管理者で残業代がでない、調べると他にも色々と労働基準法違反。
君は決意して、会社と喧嘩しました。
今振り返ると、少しやりすぎですよ、君は一度進みだすと止まりませんから。
少し反省してください。「うまいことやる」ことも、人生では必要です。
でも、君が動いたことで、職場環境が少し改善されましたよ。
それから、大阪に帰る決意をしたんですね。それがいいと思います。
母の様子も、最近おかしいですね。かなり忘れっぽくなったみたい。
人に会うことが不安でたまらないようです。
君の力が必要です。
「柳のように」強かった母も、父が倒れたことで、どうやらパキッと折れてしまったみたい。
次は、君が支える番。
30歳の君へ
会社の方針にどうしても耐えられなかった君は、早期の離脱を覚悟します。
利用者さんを残すのは心残りだったけど。。君の人生です。
事業所についての引継ぎを終え、君はまた次の人生を歩むための準備をはじめました。
気づけば、もう30歳ですか。早かったですね。
そういえば、勢いで買ったマンション、高値で売れます。
テンションがあがる君。
「やっぱり大阪帰れってことか!宇宙が後押ししてる~~~!!」
落ち着け。あほか。まずは職探しだ。
少しだけ強くなったあなたは、何かにチャレンジしたいと思っています。
「大阪、今中途採用、募集してるけど」
一足先に大阪に帰っていた、IT企業時代の同期からのLINEが入る。
「お前、、すごいタイミングやな」
もう一回、チャレンジしてみろってことか?
心の中で、つぶやく君。
さあ、帰ろう。
手の中にあるものも、油断するとすぐになくなってしまうからね。
なにかを失った時の苦しみを、君はよくわかってるよね。
働けることを、幸せに思う。
何かを失ってしまい、大変な人を、もっともっと助けられる
よう、もっともっと力をつけよう。
今まで支えてくれた人たちに、恩返ししないと。
また10年後から手紙を書くよ。それまで、さようなら。
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