27歳で死ぬと思っていた #12
僕は、27歳で死ぬと思っていた。
27歳。それは多くの伝説的なロックスターがこの世を去った歳だ。
ストーンズのブライアン・ジョーンズ、ジミ・ヘンドリックスにジム・モリスン、ニルヴァーナのカート・コバーン。みんな27歳で亡くなっている。
すでに書いたことだが、僕は若い頃、バンドマンをやっていて、「俺も27歳で死ぬかもしれない」と本気で考えていた。たしか漫画「20世紀少年」の主人公も同じようなことを考えていたような気がする。
こうして改めて書いてみると、痛いを通り越して、もはや、、、痒い!!
特に何の才能もなかった痒いおっさんである僕はいまだにのうのうと生きていて、今年の夏でなんと36歳になる。結婚して子供もいて、なかなか幸せな生活を送っている。
正直、夢を追いかけていた頃の自分は、そんな普通の幸せじゃ満足できなかった。大きい声では言えないが、結婚して子供を産むなんて、そんなんサルでもできるわと思っていた。
もちろん、今はそんなことは思っていない。むしろその逆。
僕の価値観を180度変えたのはやはり娘の誕生が大きい。娘はへその緒が絡まって胎動が止まっていたため、予定日の2週間前にいきなり緊急手術をしてこの世に生まれてきた。もうダメかもしれないと思っていた娘の顔を見た瞬間、僕の価値観はガラリと変わっていた。
人間みんな、生きてるだけで立派だ、と。
今回で最終回になります。読んでくれた皆様、ありがとうございました!
冊子を作って文学フリマに出店する予定です。そのときはよろしくお願いします。
自主連載企画『27歳で死ぬと思ってた』
文:寺田功夫
絵:タチカワ(https://linktr.ee/kyotaro071)
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