テクノロジー

コロナは音楽家の働き方を変えている。テクノロジーに弱く、デジタルアレルギーのある音楽家は途方にくれ、世界がコロナ前の状態になることを望んでいる。

アナログで濃密な関係を好む音楽というアートは、感染力の強いこのウイルスに、古臭い言い方をすれば脱構築をうながされたのである。テクノロジーは変化を好む。もともと作曲はデジタル技術によってこの数年、以前とは異なる作法とアプローチを受け入れていて、僕はそれが楽しくて仕方なかった。だからテクノロジーに感謝をしている。人間味という曖昧なニュアンスをもデジタル技術は模倣する。命の模倣をデジタル技術は追求している。

世界は元には戻らない。誰でもそのことを知っている。元に戻す必要もない。