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問題は取り組むと決めた瞬間に勝負が決まっている

 先の記事で挙げたリーダーが持つべき4つの能力。
1.役割分担能力
2.モチベーション操作能力
3.問題発見能力
4.合意形成能力
このうち、1と2については一通り解説した、今回は3の問題発見能力について、解説をしていきたい。

<全ての問題に取り組むことはできない>

 組織を運営していたり、関わったりしていると、様々な問題が見えてくる。
組織の目的の根本に関わる問題。
間接的に影響を与えているだろう問題。
対人関係の問題。
なんとなく問題っぽく見える何か。
真剣に考えれば考えるほど、組織を運営すれば呆れるほどの問題が見えてくるようになる。
 しかし、時間も資源も有限。
よって、全ての問題に取り組むことなんて絶対にできない。
まずはその点をしっかりと理解し、諦めることだ。
全て取り組めないから、優先順位を立てて影響の低い問題は切り捨てる
組織の問題に取り組むのは、まずその意識が一歩目になることを覚えておこう。

<どのように優先順位をつけるのか>

 最終的に、どれが優先順位の一番に来るのかは、様々な条件が絡んでくるのでケースバイケース。
しかし、順位付けする上で外してはいけない項目はいくつかある。
 1つ目に組織やチームの目的達成に繋がっているか
評価するためには、目的が明確になっている必要がある。
それすらも定まっていないなら、問題を考えるまえにまずはそちらをはっきりとさせよう。
実は、この段階ですでにつまずいているというか、転んでいる状態に気づいてすらいないケースも多い。
会議に参加していて、進行がそのことに気づいていないようなら、プライドを気づ付けない程度にそっと指摘してあげよう。
 2つ目に問題を解決した時の影響力
同じ時間をかけて取り組むのなら、目的に対する影響力を考慮するのは当然だろう。
しかし、例えば自分がしていることの延長線上にあり、取り組みを変えるとこれまでの時間が無駄になってしまう。
アピールが簡単だから。
惰性で続けているのはわかっているけど、まぁ、マイナスではないし。。。
などの様々な理由で、あるべき状態からかけ離れた選択をする事案は結構多い。
そうならないようにするために、
「組織の目的に対してどれほどの影響があるのかを基準にする」
とチームで共有し、ぶれずに話し合いが進むよう進行は目を光らせないといけない。
 3つ目がその問題の難易度だ。
難易度が低いのに、目的に対する影響度の高い問題があるのなら、それは優先度を高くするに値するだろう。
逆に、難易度が高いのに影響度が低い問題に取り組もうものなら、チームのモチベーションを下げる可能性も出てくる。
何度もいうように資源は有限だ。
その辺のバランスを無視すると、チーム崩壊の火種になる可能性があることを知っておこう。

<問題には深度がある>

 最後に、これは優先順位を考えるというよりも、問題を挙げていく際に意識すべきことになるのだが、問題には深度がある。
 例えば「残業時間が多い」と、「納期遅れが多い」という2つの問題が挙がっていたとする。
それぞれどのように解決していこうか・・・っと話し合う前に、何がその問題を引き起こしているのかを探ってみよう。
そうすると、実は「会議の時間と頻度が多い」という問題が、上記2つの問題につながっていると分かるかもしれない。
つまり、「会議の時間と頻度が多い」という問題に取り組むことで、他2つの問題に影響を与えることができるのだ。
 このように、問題の原因となる問題を探すと、他の問題とも関連のある場合が多々出てくる。
その中で、より根源的な問題が見つかれば、それは深度の深い問題ということだ
どうせ取り組むなら、そんな問題を見つけ出し、テコを効かせた時間の使い方をしていこう。

 問題を上手に見つけ、取り組むことができれば、自然とチームの士気は上がる。
自らの行動が次につながると実感し易くなるからだ。
問題すらも上手に使ってチームを高める力とできれば、リーダーとして様々な活躍が期待できる人材となっていることだろう。

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