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私がいらない物を欲しがる人達がいる便利さ。

10年以上前になるのかな、もっと前かもしれない。ある夏突然夫がランドスケーピングに目覚めてあちこちに大きな石を置いたり灌木を植えたりした。空いている地面には黒い不織布を張った上から木片のマルチを厚く敷き詰めて見栄えを良くした。夫のランドスケーピング熱は一過性のもので2年もすれば芝刈り以外の庭仕事をしなくなった。私が細々とメンテナンスをしたけれど当初雑草よけだったはずの木片マルチが年月の経過により朽ちて土になり、その上から背の高い雑草が生えるようになると私の手に余るようになった。毎年新しい木片のマルチを追加するのは費用も手間も結構かかる。家の中はここ3年くらい断捨離を続けてスッキリしたのに、庭は年々荒れて、エネルギー的にも気が足りていないように見える。

「花壇を芝生に戻しましょう。」と夫に提案した。芝刈り機の邪魔になる大小さまざまな石も取り除くことにした。自分が若くて庭仕事の初心者だった頃は夫が石で花壇を囲うことにも抵抗が無かった。今ならやめるように頼むだろう。芝生が次第に不揃いな石の境界線の隙間に入り込んで機械では刈れなくなり見映えが悪くなるから。彼が石を収集していた頃は農場の人が畑から除去した石や、引っ越しの前に庭を片したい人のコロラド産の石のコレクションを貰い受けたりして増えていった。農地の石というのは大地に埋もれているものが少しずつ移動して自然と地表に出てくるらしい。そのままにしていると重機の故障につながるので毎年取り除くそうだ。

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さて、取り除いた石をどうしよう?大きくて重いのでゴミ収集には出せないし。もしやと思いフェイスブックのマーケットプレイスに写真広告を出してみると15分ほどで欲しいという人が3人も出てきた。1人は午後にでもすぐに来ると言う。もちろん無料で差し上げるのだが、広告を作る過程で「品物の状態」を選択しないと掲載できない仕組みなので「中古-良いコンディション」を選んだ。石を受け取りに来た人は新しいガーデンを作っているのでそこを石で囲うのだとウキウキした様子で話していた。