理系大学院生 就活失敗談

最近、就活がようやく終わった理系大学院の修士課程2年です。晴れて大手製薬会社に内定が貰えたとは言え、本選考で45社落ち続けた事を省みると、総合的には失敗でした。就活時に感じた理不尽と辛さは尋常ではなく、忘れない為にも就活奮闘記をここに記します。

1. どんな就活をしていたか?

就活の軸は「生命科学の専攻が活かせる職種」で、それに相当する企業である大手メーカー研究職(製薬、食品、化粧品)に絞って就活をしていました。

夏インターンは上記の大手企業の研究職に10社ほど応募しましたが、全落ちでした。当時はES添削をしてもらうことが無いまま提出していたためではないか、と考えています。

秋インターンでは、大学のキャリアセンターに通い続けて添削をしてもらい、自分なりにはESの精度を上げたつもりでしたが、これも10社ほど受け、全落ちでした。

自分の就活力の無さに呆然としましたが、本選考では大量にエントリーすることで納得のいく内定を貰う作戦に決めて、合計45社のESを提出しました。しかし、書類落ちが7割、数社大手の選考が進みましたが、残りの3割ほぼ全て1次面接落ちでした。

志望度の高い企業は特に、キャリアセンターの職員や友人にES添削、模擬面接をしてもらい、説明会だけでなくOB訪問や企業見学をすることで企業研究も欠かせませんでしたが、就活の努力が結果に繋がることはありませんでした。

最終的には4月に研究技術派遣(研究職)の会社と、6月に大手製薬(製造職)に内定をもらいました。特に後者の内定先は福利厚生、給与、勤務地が申し分ないにも関わらず、就活初め頃の条件には程遠いです。

2. なぜ失敗したのか

考えられる要因は、以下の様に考えております。
・研究の業績が少なかった。
・ESの添削、面接対策を自分の想像以上にする必要があった。

しかし今となっても、なぜ失敗したのかハッキリとは分からないです。学歴、ガクチカ共に申し分がないと自負をしながらも、決して就活に手を抜くことはなく走り続けているつもりでした。説明会参加はもちろん、OB訪問やES添削、企業見学、面接練習など、自分なりの出来ることは全てやりました。しかし、企業に落ちれば落ちるほど自信をなくしていきました。

3. 聞いていた話と全く違う状況

研究室には就活をしている先輩はおらず、理系大学院生の就活の情報がなかなか得られない状況であり、主にTwitterとInstagram、就活を経験した文系の友人、もしくは企業説明会から情報を得ていました。

文系の友人が言っていた「学歴があればESは通る、どの会社もだいたい最終選考まではいける」という言葉を半分鵜呑みにしつつも、夏秋インターンで歯が立たなかった事を自覚していたため、本選考では大手企業の研究職を大量に受けました。

企業の説明会では、「修士卒でも研究職は十分チャンスはある」、と言っていた一方、博士課程の先輩は、「研究職を狙うのは修士では話にならない」と言っていました。しかし、就活していない人の言葉はあまり聞く耳持たず、修士卒で研究職に就けることを信じきっていました。

しかし蓋を開けてみると、そうではありませんでした。業績もない修士卒は研究職としては需要がなく、博士の先輩方の仰ることが概ね正しかったのです。

就活の情報を集めるに連れ知りましたが、修士卒で研究職につけた人の学生時代は、学会で賞を受賞、国際学会で発表など、それなりにの業績が凄かったのです。勿論自分にはそのような業績はないわけです。OB訪問では新卒社員に「博士卒の興味深い研究をしている人と働きたい」と言われ、「企業に入っても研究を続けたい」こんな事を面接で伝えると漏れなく落とされ、終いには面接官に「博士課程がおすすめですよ」と言われてしまいました。

大手企業の研究職では、世間の認識以上に博士卒の人材を欲しがっているという現実を散々叩きつけられました。

4. 就活中のメンタル

夏冬インターンでは、ボロボロと選考に落ちましたが、本選考で通れば良いと思い、あまり気にしていませんでした。しかし本専攻でも書類はかろうじて通るものの、面接が全然通らなかったのです。12月から本選考を受け始め、ズルズルと落ちが続いて、まだ希望をもっていたためか気力が続いていたものの、気づけば春になってしまいました。バイト先ではミスが多発し、大学の研究に全く実が入らなくなってしまう状況でした。

5月に入ると、そこから地獄でした。3月から就活を始めた人も内定が貰えるシーズンであり、多くの就活生の”終活ツイート”が散見されるようになりました。しかもこれからエントリーできる志望企業はほとんどありません。この時期は、1年前から就活している自分は何なんだ?と常に自問自答していました。

5月中旬には半分鬱の状態でした。周りの人に自分の悲惨な状況を悟られるのが怖くなったためか、人と目を合わせて話せなくなり、対人恐怖症を自覚出来るほどでした。その時オンライン面接をいくつか控えていましたが、メモ書きを見ないとまともに話すことはできませんでした。残った企業の中でも特に志望度が高かった製薬企業に何とか内定をもらうことができ、就活を終えました。

5. 今後どうするのか

内定をもらった大手製薬(製造職)は、入社しても良いとは考えておりますが、研究職ではありません。福利厚生、給与ともに申し分ありませんが、そこは譲れませんでした。

今まで苦労して漸く手に入れた専攻分野で研究を続けたい、夢半ばで社会人にはなりたくない、そんな想いで、博士号を取得して大手製薬の研究職を目指す事を決意しました。

修士の研究テーマはとても面白く、この分野を簡単に手放したくないのです。しかし、現実的には博士課程で給与がない生活を最短3年間も続けることは不可能です。選択肢として今の内定を保持しておき、博士課程の支援金が確保でき次第、内定を辞退して進学するつもりです。

6. 最後に

就活の情報源の多くはTwitterやInstagramを参考にしていたため、「業界共通の一般的なメソッド」みたいなものを鵜吞みにして進めた結果、痛い目を見てしまいました。

そんな中で反省点として、これだけはするべきだったと考えました。
・自身のバックグラウンドに近しく、かつ志望業界職種に就職した先輩に、就活の仕方を「直接」聞くこと
・身近にいなくても(この時点で不利)必死に探すこと
・多くの頻度でES添削や模擬面接をしてくれるメンターを見つけること

もう少し効果的な努力ができたらよかったな、そんな就活でした。

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