テキーラ道場がオススメするガチテキーラランキング ③アニェホ編

タイトルの通り世界最大級のテキーラ評価サイト「テキーラマッチメーカー」の評価を元に、現在日本で販売されている中で飲んでおくべき本物のテキーラを紹介しようというのが、本noteの主旨です。今回はブランコ編レポサド編に続く第三回アニェホ編です。

アニェホテキーラとは、600 L以下の樽で1年以上熟成したテキーラを指します。3年以上熟成すると、エクストラアニェホと呼べるようになります。日本では「アネホ」という表記や発音が一般的ですが、現地発音に近い「アニェホ」をテキーラ道場では推奨しています。

日本で買えるアニェホテキーラTOP10

画像2

本ランキングは2021年6月7日現在、パネルスコア(PS=評価数が多く運営側に認められた優良評価者による評価)及びコミュニティスコア(CS=誰でも参加可能な一般評価)が共に80点以上、評価数(RC)が30件以上のものに限定しています。

日本では有名だけどアメリカであまり注目されてないものは評価数が少なく除外されているものもあります。また日本で終売が決まっているものは、入手可能性が低いため除外しています。また青色はハイプルーフ(アルコール度数42%以上)テキーラです。価格はサトー酒店から引用、扱ってないものは他の酒販店さんから引用しています。シエテレグアスのみ一般酒販店では購入できないため価格はブランクにしております。

高級志向にシフトする長熟テキーラの評価

ブランコ編、レポサド編と比べると、あるブランドがTOP10から消えているのにすぐ気づいたかと思います。圧倒的コストパフォーマンスを誇っていたドンナチョです。その代わりに、ここまでランクインしてなかった有名ブランドがふたつ上がってきています。ドンフリオパトロンです。

この入れ替わりが意味するところは、それぞれのブランドの目指す方向性です。ドンナチョでもっとも高価な商品はエクストラプレミアムアニェホで、日本での販売価格は7,000円程度です。対してドンフリオやパトロンの熟成品には数万円もする高級ボトルがあります。アガベ農家が始めた小規模ブランドと、アメリカや世界市場をターゲットにしている大規模ブランドでは目指す方向性もターゲットも違うのです。

アニェホ以上のテキーラでは、コストパフォーマンスよりも高級感やステイタスがより評価されるような傾向にあり、しっかり美味いが派手さや知名度に劣るドンナチョの評価が相対的に下がったという訳です。

今回ランクインしているドンフリオの1942とパトロンのバーディオスはレギュラーラインナップのアニェホではなく、その上位に位置するプレミアムレンジの商品になります。実はレギュラークラスで比較すると、ブランコやレポサドと同様、ドンナチョの評価が上なのです。

また、ここで目につくのはタパティオのコスパの良さです。ブランコ編、レポサド編を見てもらうとお分かり頂けると思いますが、この3クラスを通したコスパの良さはタパティオが一番なのです。伝統的な製法を使用しながらも、コストを抑える作り方でメキシコの一般消費者の間でも根強い人気を誇るタパティオは、是が非でも全クラス飲んで頂きたいブランドです。

道場で試飲できるアニェホテキーラランキング

ここからはおまけです。テキーラ道場のアニェホテキーラのガチラインナップをTMM評価で並べてご紹介します。ちなみに赤字のものが日本未入荷or終売テキーラです。

画像2

これがアニェホ沼です。ブランコ編、レポサド編と比べて大きく違うのは、パネル評価80以上の日本で発売されているテキーラの数の多さです。ブランコの16本、レポサドの11本に比べて、アニェホは21本です。

ブランコの16本は一見多く感じますが、実際は同じブランドがハイプルーフなどのバリエーションを複数販売しているものがあるため、実際は8ブランドとなりますが、アニェホは21本中19ブランドとなっており、ブランコやレポサドでは評価されていなかったブランドが相当数ランクインしているのです。

この理由は、ちょっとネガティブな言い方になってしまいますが、樽熟成を施すと原酒の優劣が出にくくなるからです。アガベの品質、製造工程、かけている手間と原価、そういったものの差が樽熟成によって圧縮されるのです。言い方を変えれば、アガベそのものの味わいを大切した原酒(ブランコ)造りの本質は、熟成テキーラでは捉えにくくなるということです。どういう熟成を施すか、これがアニェホ以上のテキーラの表現の要諦なのです。

これが、いつも私が万人に飲みやすいとされるアニェホからではなく、ブランコからオススメをする理由です。飲みやすい、美味しく感じやすいは、必ずしも心には響くとは思っていないからです。極論になりますが「ブランコが口に合わないのなら、敢えてテキーラを飲む意味はない」と私は思っています。

とは言え、高級なものからリーズナブルなものまで、豊かな樽感を楽しめるアニェホテキーラもまた、間違いなくテキーラの魅力のひとつです。そしてその深い樽感の中に潜むわずかなアガベを探すのも、テキーラならでわの楽しみ方のひとつなのです。

よろしかったらサポートお願いします。といっても特に立派なことに使うわけではなく、すべてテキーラになるだけですが(^^;)