凪良ゆうさん『すみれ荘ファミリア』を読んで
私が何か語らなくてもいいぐらい、有名な作家でメジャーな本です。
凪良さんの本はまだ読んだことがなかったので、記念すべき1冊目です。
感想を書き始める前に、調べことをしました。
菫(すみれ)という花についてです。
無知は怖いから。
考察は私のすべき分野ではないのでここでは語りませんが、
タイトルに仕掛けをしない人ではないと感じたので。
この本は非常に毒性が強いです。
ドロドロとした人間臭さをさらに尖らせたような。
「そうか、こういう本が世間では売れて評価されているんだな」
この本をエンタメとしてみんな読んでいるのか気になるところです。
心に留めておきたいなと思った表現があります。
「目に見えないなにかを積もらせる」
人は不完全です。私の気持ちはいつも矛盾します。
言葉は不便です。私は伝えたいことの全てを表せません。
心は難しいです。私はたくさん揺れてしまいます。
なにかに必死で、自分のことが大切で、人と比べて辛くなって、
人生だけじゃなくて自分の気持ちさえも思い通りにならなくて。
自分のそんな気持ちが爆発してしまうと。
自分の行いで、相手の心に「目に見えないなにかを積もらせ」続けると。
私の人生からは想像できない、
過剰な表現や解釈、登場人物たちの行動でしたが、
苦しい現実を憂う、厳しい話だなと思いました。
言いたいことを言うことって難しいです。
背負うのは簡単ですが、背負わせるのは苦手です。
この本は好きな話ではありませんでしたが、嫌いじゃないです。
重く苦しいけど、何か大切なことを考えている気になれる。
主人公の一吾は情けなくてお人好しだけど、感情移入でしてしまうし。
でも、やっぱりいろいろ苦しい。
なんで人気なんでしょう?
みんなも苦しみたいのかな?
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