宮島未奈さん『成瀬は天下を取りにいく』を読んで
本屋大賞に選ばれたのは知ってた。
本屋で表紙や帯を見て、これは絶対読むべき作品だなとも思ってた。
文庫本化を待っていた。
だが、仕事の研修会でこの本の話題がちらり。
それでどうしても読みたい欲が高まって帰り道に購入。
そのまま一気読みでした。
この本を読んで感じたテーマは何ですか?
と問われたらたくさんの答えが帰ってきそうだなと思った。
私が感じたのは「普通と変人」「挑戦」「面白いこと」「地元愛」「友人」
他にもいろんなワードが当てはまりそうで、それだけディープで多面性のある話なんだろうなと感じられる。
全5話の内容だが、パッと読んで好きだと思うのは1話と2話。
成瀬の生き様と勢いが大好きな島崎と同じ目線で読むことができる。
ずっとこの調子で楽しく読めると思ってたら、3話から方針転換。
成瀬と島崎以外の人が出てきてちょっと困惑。
だけど読み進めるうちに作品のテーマが見えてきたので、こっちが本命なのかなと。
店頭のポップや帯にある通りの「成瀬史」を読みたい人にとっては、残念な展開になってしまうのが悲しい。
これは作者や本のせいではなく、売り手側が悪い。
もちろん爆走少女成瀬もいるのだが、あくまでも登場人物の1人で作品そのものではない。
まぁここらへんへの文句は尽きない話題になるのでもういいや。
最後に成瀬と島崎にコメントしておわり
成瀬
奇天烈なチャレンジが最高
変人じゃない、真面目な人が変なことしてみた、それも大真面目に
それを世間は変人というのかもしれないけど
人間関係に無頓着だったところから「友人」や「恋愛」について考え出す成長の瞬間が嬉しい
あなたの積極性やチャレンジ精神は見習わないといかんね
島崎
成瀬の観測者であり友人
こんな面白い友人と仲良しになれるなんて役得
成瀬より島崎のほうが好き
成瀬の観測者という立ち位置はずっと変わらないが、傍観者から付き添いになり、相棒へと成長していく過程は読んでいて胸が熱くなった
成瀬が「他人を振り回さない」ので、付き添い始めた時点から島崎の「主体性」が生まれている
最後には成瀬に負けない「主体性」を発揮できる主人公の一人として並ぶのが最高に好き
続編も期待して読みたいですね。
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