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多面的機能交付金支払事業から得たもの(前編)

 5年の任期を経て、おどおどして自信のなかった自分をちょっとだけ成長させてくれたこの事業。6年前、公民館の会合で、自分の想いにフタをして、声をあげられなくて、思ってもいない案に手を挙げちゃって。。。。。。自分がかっこわるくて(泣)
 でも、閉じたはずのフタからモヤモヤがおさまりきらなくて、あふれ出して、署名集めたりして(笑) 外から見たらこの態度の変わり方が異常(笑)
 結局僕が、事務局をすることになるんだけど、これまで事務仕事なんてまるでしてこなくて、「え?エクセルって何??」だったんだけど、5年経ってようやく誰かに託せるカタチになったかなという思い。
 「農村をみんなで守る、子どもたちに学びの機会を提供する」そんな想いをもち、まだ事業されていなくて、何か力になれたら幸い!!
 
 初めにこの事業はなんなの?って説明をしたい。
 職場である、はぐれ雲では、地域の用水路、農道の草刈り、泥上げなど人手が必要な力仕事を任されることがある。出たものには出ただけ、村から日当が出た。
 この日当はどこからくるかというと、『多面的機能交付金支払事業』という国の事業からの補助金だった。
 この事業は生産組合単位の小さな地区で申請でき、“農村環境の維持に関わる費用”を補助してもらうもの。万願寺という村が申請して、お金がおり、それが地域の農村維持活動に参加した人へ日当、かかる資材代を支給するという流れ。
 お金をもらおうがまらわまいが、農村の維持管理に対して、自前の資材を出し合って保全することはマストなわけだから、すごく農家にとって助かる補助金だよね!こんないい補助金ふつうならやらなきゃもったないと思うよね?
 でも万願寺地区では、5年前に前役員(5年任期)の方が、月に一度の村の会合で、「この事務局を引き継ぐ人がいないから、万願寺はこの事業の補助を受けない」ということだった。それにみんなが手を挙げた。
 なぜ引き継ぐ人がいないのか??前の事務局(学校の先生を定年になられた方)と、そのまた前の事務局(役場勤めだった方)が、「こんな大変な事務これ以上できない」。と漏らしていた。「こんな大変な事業まだやっとったんけ?」と前々事務局は言う。扱う金額(万願寺地区でこの事業の加算事業合わせて年間400万ほど)が大きいだけに、細かな事務作業も多いのだ。書類作成は様式が決まっており、パソコンを使用するので、割と時間の都合がつきやすいご年配の方も毛嫌いした。事務局ができそうな二人でも大変と話したものもある。
 じゃあ、パソコンを使えそうな若いもんは?というと、ちょうど働き盛りの、子育て真っ最中世代で、役場から説明会がある平日の日中、担当者と説明ができる平日日中など、時間がとれない。これは万願寺に関わらず、多くの地区でこの状況が起きている。
ものすごい良い事業だと思っているが、全国の農地での普及率は、54%(令和2年度、農地維持支払において)なのだ。こんな例も珍しくないだろう。隣の地区でも、引き継ぎてがおらず、事業をやめてしまった。
 今、5年前の僕と同じように、やるかやらんか悩む人がいるなら伝えたい。というか力になりたい。あのとき手をあげてよかった。「やりたい」と伝えてよかった。今の僕も村の状況もなかったかもしれない。

 6年前の話になる。前の事務局の方が、万願寺月に一度の総寄り合いで、投げかけた。「この事務局の引継ぎてがいない。年寄連中はパソコンができない。若い衆は平日にうごけない。今年度でこの事業打ち切りでよかろうか?」 「しょうがない」というアンサーだった。誰もそれほど大変な事業を引き継ぎたくなかった。引き継いだとしてもできるか自信がなかったと思う。ここで、「この事業は万願寺のために必要でしょう」とでも言えば、「ならあんたやって」となるだろう。。。
 その場で多数決をとり、事業はその年度でやめることとなった。。。
 僕はこのとき、「自分がやりましょうか?」と言いたかった。言いたかったのに言えなかった。勇気がなかった。。。。村の寄合参加者で唯一の20代。移住者。やりましょうか?といったところで、村にとって大切な事業、何百万というお金が動く。それを僕が任せられるかもわからない。一人でできるものでもないから、僕がやりたいといったところで、誰もついてきてくれなかったらどうしよう。。。何もできなかった。言えなかった。。。。。 もうこれは、しょうがないんだ。。。だって、村で決めたことだしって。。。。事業の取りやめに手を挙げていた。。。。。。(´;ω;`)

 そこから3日間は後悔の日々。そのとき、ちゃんとあきらめて、自分の気持ちにフタをして、言い聞かせていたのに、もうそんなモヤモヤしてる自分が限界に達して、
 「あぁー-----!!!」ってなって!!!!!前の事務局Tさんのところへ、「事務を教えてください」と訪ねた。これまでに作られた書類見せてください。って。
 Tさんは僕の行動に対しても期待は特になかったようだ「大変だよ」って。ドーーーンっていう辞書のような書類を渡された(笑)
 パラパラめくる。。。。
 うん、わかった! 理解できないことがわかった(笑)
川又氏に相談した。そしたら「もう最悪、おれがやろうかとも思った」ってい言った。ほんまかいなー--!!
 でも「おれがやろうと思った」って、おそらく僕よりも多忙でパソコンにも触れない川又氏がやるぐらいなら、僕の方がましやろ!!って、Tさんに「もう今更やりますって役場に言って変更できますかね?」って聞いたら、(このときの僕は単純だった。やっぱやります が通用すると思ってたんだ)
 Tさん「これは村でやらないって決めたことだから、また会議ではからないといいけない。やると言ってやっぱ大変で1年でやめますとかできない。5年も事務できるかい?」もちろん自信もないけども、この事業は村のためにやるしかないと思ってた。ほんで総代(村の長)さんへ相談に行った。
 総代「おれもこれは大事だと思ってる。でもやめるって決めたことだから、あんた一人がやりたいと言っても。若い人らがどれだけやる気があるかが大事だよ」って教えてくれた。
 んー。こんなときどうすりゃいんだろ。。。。署名かっ!!ってなって、ソッコーで40代以下の方々10名に相談。。。
 この相談も超ドキドキだった。。。反対されたらどうしようとか。めんどくさいとか・・・
 でも、結果は、みんながみんな応援してくれた。ある人には、もしやったら役もお願いしたいことを伝えると、その業務内容もろくに聞かずにふたつ返事でオッケーもらった(´;ω;`) マジ万願寺泣かせる。。。
 10名全員にもらうまで数日もかからなかったんだけど、じいちゃん連中も応援してくれて(´;ω;`) いや、やっぱ同じ想いの人いたんよな。
 10名の署名を集めて、総代へもっていくときには、総代も署名を見ずとも「やろう」ってなって。

 そっからはスパパーーーンって若い連中を中心に、トップに土地改良区もされる地域の大おじいちゃんがついてくれることとなり、リスタートを切れた。これは数週間のできごとで、僕のこころのbigイベントになったけど。
 ほんとこのとき行動おこしてよかったって思ってる。。。みんなありがとう。。。6年前の僕!!!ありがとうな!!勇気絞り出してくれてな!!!
 
 ほんで平成29年度から、新体制でスタート!!事務もまあ。大変でも不器用でも時間さえかければ、前年に合わせてやればいけるっしょ!!!って思ってた。
 もう全然。。。。。
 日当支払い1週間前は、数字が合わんとか。。。もう泣きたくなる。ようやっと2進めても間違いに気づいて、3戻る みたいな。。。
 エクセルで使われるなんかリンク的なもの?そんなすべも何ももたずにやっていたから、相互性がとれず、全然寝れなくて、大変で、遅くまでパソコン開いて。。。そんなんのくり返し。。。。
 ほんで、2年目。1年あれだけ必死でやったからいけるやろ!!って思ってたけど、書類の様式とか変わるんよな?役場が出してくる様式が。
 2年目も同じく、しんどくなって、こんとき仲間にあたってしまってるからね。。。うまく相談できていなかった自分が悪いのに。一人で抱え込んだ自分が悪いのに。

 そんなときに出会ったのが、多面的機能交付金支払事業の事務局を一括で預かる地域の事務局である大沢野広域組織。
 こちらの事務局長から、『スタファイルレポートⅢ』というこの事務局専用の民間企業がつくった事務サポートソフト!!!
 これがすごすぎたっ!!!
 これ使ってなかったら、ほんとお勧めしたい。
 いや、僕、回しもんでもなんでもないよ。
 費用は初回、75000円する。
 2回目からは、更新ソフト20000円かかる。お高めなんだけど、元取れます。時間を買えます。イライラが減ります。人にやさしくなれます。
 「使ってみてどうだった」ってその事務局の方に聞かれて、「最近は、人にやさしくなることができました」って言ってたよ僕。
 もういっこすごくいいところは、電話対応してくれる方が、めっちゃめちゃに丁寧に教えてくれる。
 電話越しでも、一つ一つ、丁寧に。マジプロです!!!
 世の中にこんなに優しい人間がいるのかとそのときの腐った僕は思ったよ。。。
 これまでは、とてもじゃないけど、事務としてもらえる予算をはるかにオーバーして仕事してた。前の事務局の人もそういうもんって言ってたから、そんなもんなんやろうって思ってたけど、まあ、僕がキレちゃったから(汗)
 ソフトつかっても、ちょこまかと事務も大変なんだけど、ケアレスミスが抜群に減り、やり直しがほぼほぼなくなり、ストレスがへっていく~。
 そんなこんなで、このソフトはおススメです。
 このソフトに出会うきっかけは、やっぱり外へ出て人に会っていくこと。このソフト役場の方は知らなかったからね。
 3年目からは事務に余裕ができて、って言っても、あ!違った。
 3年目のデメリットあった!
 役場と出来上がりの様式は一緒なんだけど、ソフトをつかう分、行程が違うから、エクセルについて、あまり役場の人に相談できなくなっっちゃったこと。そのときに、広域の事務局長、ソフトの会社の方に本当にサポートしてもらって、なんとかかんとか。。。
(続く。。。。)


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