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ニコイチ(3)

こんにちは、俺です。文くんです。
数学の集合ってやつは、プログラミングでよく使う条件分岐、エクセルのIF(イフ)文でも使う、2つ以上の条件を組み合わせる時の「AND(アンド)」と「OR(オア)」であること。それがニコイチ(2つで1つのセット)だというのを説明してもらってる最中です。
ニコイチの話のはずが、NOT(ノット)という第三の刺客が現れ、現場はますます混乱を極めています。

「条件の組み合わせを図にする方法は、何もベン図だけじゃないの」

「え?ほかにもあるの?」

「というか、ベン図で見れば文くん理解できるのに、数学の式のまんま、そのまま飲み込もうとして飲み込めないでいるでしょ」

ギクッ。

「ANDとORの考え方は、いろんなところで使われているの。だからいろんな表し方があって、どれもANDで、どれもORってことが起きちゃった。このページを見てみて」

The logic labデータ置き場 - 何となくサイト
https://indirect2435.jimdofree.com/%E8%AB%96%E7%90%86%E5%9B%9E%E8%B7%AF/

「最初の表『各論理素子の特性』がすごく素敵なんだけど、これ、横一列全部同じこと言ってるのは、わかる?」

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一番左の「名称」は今話していた内容だから、その一番右のベン図と同じっていうのは理解できるんだけど、真ん中に挟まれてる回路記号とか真理値表っていうのが、まったくチンプンカンプンだった。しかも・・・

「俺、授業で『集合』やったときの『論理式』って、これと違う記号だったんだけど・・・」

ベットから立ち上がって、パソコンの前に来た俺は左から2番目の「論理式」って書いてある部分を指差した。

「キャップとカップかな、こんな記号じゃなかった?」

AND・・・A∩B(AキャップB)
OR  ・・・A∪B(AカップB)

「あ、これこれ」

「・・・多分、これでも全部出そろったと思わない方がいいよ。別の表現方法もいっぱいある」

「ぎゃー」

「インプットするデータと、アウトプットするデータの関係を表しているのが回路記号で、その結果が真理値表なのね。それを数式にしているのが集合ってことになる。確認していこう」

スーはパソコンの画面に肉球を当てる。

「ここでは回路記号が2種類あるけど、MIL(ミル)っていうのはアメリカの規格、JIS(ジス)っていうのは日本の規格ってだけね。『大好き』って言うか『LOVE(ラブ)』っていうかの違い。伝えたいことは一緒」

「うん」

「Aがたけのこ、Bがきのこってことにするよ」

まだ使うか、そのネタを。

「文くんというデータを流します」

俺がデータ?

「AND条件に合う人にだけ、パーティに呼ばれます。さて、文くんはパーティに参加できるのか」

「パーティ?」

「たとえ話だよ。基本的にはみんな『0』からね。『好き』を『1』そうでなければ『0』のまま。参加を『1』そうでなければ『0』のまま」

「もしかして、この、真理値表・・・?」

「そう。どっちも好きな文くんはAもBも両方『1』だから、結果である『Y』が『1』になって参加できる。私は片方しか『1』じゃないから『0』になっちゃって、参加できない」

ベン図の隣の真理値表を見ながら、何かに似てると思った。でも、まだその何かがもやもやしていて、輪郭しかつかめないでいた。

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