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明確な「価値観」を発信しているブランドの事例

価値観とは、「ある物事に対する個人的主張」のことです。

正解が定義されていない事柄に対して、「自分はこうあるべきだと思う」という明確なスタンスを示すことでもあります。

本来、価値観は意志ある人格にしか存在しないものです。

しかしながら、近年、SNSの対等によりブランドにも「人格」が求められるようになりました。

リスクを恐れて人格を消す企業もあれば中、「自分はこうあるべきだと思う」という価値観を発信するブランドもあります。

今回の記事では、明確な価値観を発信して、共感を生んでいるブランドの事例をお伝えします。

CRAZY WEDDING

お客様一人一人に合わせた多様なウェディングが特徴的なブランド「CRAZY WEDDING」。

SNSを中心に熱烈なファンが多く、独自のコンセプトでいままでにないウェディングを実現し続けています。

そんなCRAZY WEDDINGですが、「全ての人が平等に結婚を祝われるべきである」という価値観を発信しています。

こちらのページはCRAZY WEDDINGで結婚式を挙げたLGBTQの方々が紹介されています。

現時点(2023年9月7日時点)における日本の民法や戸籍法の規定において、同性婚は認められていないことになっています。

つまり、全ての人が平等に結婚を祝われているとは言えない状況だというわけです。

そのような世の中に対して、CRAZY WEDDINGは「全ての人が平等に結婚を祝われるべきである」という価値観を発信しています。

価値観の発信で生まれるのは「反感」か「共感」のどちらかです。

ブランドの価値観に「共感」してくれた人は、便益を超えて繋がる「ファン」になる可能性が高くなります。

SNSによる口コミやLTV(顧客生涯価値)がビジネスのキードライバーになる次第ににおいて、「ファン」は大切な存在です。

「全ての人が平等に結婚を祝われるべきである」というCRAZY WEDDINGの価値観に賛同する人の多くはは、「CRAZY WEDDINGってなんか良いよね」と感情になる可能性が高いです。

そして、「価値観の共感」という和はSNSを通じてネットワーク上に広がっていき、それがCRAZY WEDDINGにおける理想の認識を作っていくことになるのです。

BOTANIST

植物が持つ豊かさと科学の最適なバランスを追求し続けるボタニカルライフスタイルブランドBOTANIST(ボタニスト)。

累計販売数1500万本を超え、デジタル発ヘアケアブランドの代表例として明確な価値観を発信し続けています。

BOTANISTが運営するWEBマガジン

「植物と共に生きる」

このタグラインには、「植物と共に生きることは良いことだ」という価値観が含まれています。

価値観には、マーケットとトレンドがあります。

例えば誰かが、「リモコンのボタンは青色であるべきだ」という価値観を発信するとします。

おそらくこの価値観にあまり共感する人はいないでしょう。

一方で、「植物と共に生きることは良いことだ」という価値観は共感する人が多いことが想像つきます。

この比較はは「価値観の共感者」にも、マーケットの大小があることをわかりやすく示してくれています。

ブランドが発信する価値観を決める際、この「共感マーケット」の大きさがあるかないかで、事業メリットの跳ね返りは明確に変わってきます。

そのマーケットの大きさと同じくらいの大切なのが「トレンド」です。

例えば、「お酒は無理して飲む必要がない」というのは、近年共感する人が増えている価値観です。

このように社会的もしくは時代的な背景で、共感者が増え続けている価値観マーケットというのは、確かにあります。

それが一時的なものなのか、今後も続くものなのかはさておき、アップトレンドにある価値観を発信することもまた、多くの共感者と繋がるためのキーファクターになります。

ボタニストの発信する価値観は、「マーケット」「トレンド」どちらをとって評価してみても、多くの人に共感される表現になっていると言えるでしょう。

Hender Scheme

Hender Scheme(ヘンダースキーマー)は、プレミアムなレザーを使ったシューズのほか、バック、名刺入れなど革小物を展開する国内ブランドです。

Hender Scheme(へンダースキーマ)は、心理学用語の“Gender Scheme(ジェンダースキーマ)”の造語。

セックスによる性差を尊重しながらも、身なりにおいてジェンダーを介することなく、人間の経験や環境に よって構造化されたジェンダースキーマを超越した概念を、Hender Schemeは提唱しています。

ブランドにおける説明はこちらのサイトに詳しく説明がありましたので、引用させていただきます。

「Hender Scheme(エンダースキーマ)」は、デザイナーの柏崎亮氏によって2010年にスタートした、革靴や革小物などを得意とする、日本のブランドです。

ブランド展開直後から、“NIKE”や“VANS”、“CONVERSE”などをオマージュした独特なレザーシューズが話題を呼んでいます。

また靴だけではなく、鞄や名刺入れ、花瓶までをも革を用いて製造。
熱狂的なファンも数多く、靴からインテリアまでをHender Schemeで揃えているという強者もいるほどで、注目度の高いブランドです。

ブランド名の「Hender Scheme」は、心理学用語の“Gender Scheme(ジェンダースキーマ)”からの造語。

“Gender”の頭文字「G」を、アルファベット順でひとつ超えた「H」にすることで、ブランドコンセプトである「ジェンダーを“超える”』という意味を表現しています。

ジェンダーとは、身体的や生物学的な性の違いとは少し異なり、社会的や文化的な性差のこと。

Hender Schemeでは、依然とした性差を尊重しながらも、身なりにおいては性別差を介することなく、ジェンダーを超えた概念を提唱しています。

またこのような背景から、サイズ展開はすべてのデザインにおいてメンズとレディースの両サイズを展開。
しかし幅広いサイズ展開でありながら、木型やカットの深さにはサイズによって若干の違いを付け、必然的な男女の骨格の差や筋肉のつき方などには対応しています。

こうしたHender Schemeの掲げるコンセプトと、性差を重んじながらも、性差のない自由なデザインアイテムは、男女双方から熱狂的な支持を受けています。

引用: https://kld-c.jp

私自身、実際にショップを訪問し、財布とシューズを購入しました。

ジェンダーレスで自由なデザインがシンプルでカッコよく、プロダクトの質も高いです。

実際に商品を見てもらえばわかりますが、「ファッションは社会的や文化的な性差によって縛りつけられるべきではない」という明確な価値観が商品に内包されていることがわかります。

Hender Schemeは商品以外のコンテンツや企画で、価値観を発信することはほとんどありません。

しかしながら、ブランド名や商品自体に価値観をしっかり染み込ませることで、多くの共感者を生み出すことに成功しています。

新商品が多い場合、ブランドの発信量は必然的に増えます。

商品自体が価値観を伝える媒体になっていれば、あえて価値観を伝えるための発信をする必要は低くなります。

人は「誰か」の価値観に共感をした時、その「誰か」を記憶にとどめやすくなる

ブランドにおける理想の認識を多くの人に認知してもらうことは、言い換えると「そのブランドの記憶に留めてもらう行為」だとも言い換えられます。

人は感情が昂った時、その対象を記憶に留める可能性が高まるということがわかっています。

もしもあなたのブランドが価値観この共感によって誰かの感情を揺さぶることができたとしたら、あなたのブランドはその人の記憶に残ることができるかもしれません。

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