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「ブランドプロミス」を掲げる企業の事例

ブランドプロミスとは、ブランドが顧客に対して宣言する「約束」のことです。

今回の記事では、ブランドプロミスを宣言している事例をお伝えします。

グリーンスプーン

グリーンスプーンのブランドプロミス

グリーンスプーンは、野菜がたくさん摂れる、ヘルシーミールの宅配サービスを手がける会社です。

ブランドプロミスを丁寧に伝えるためのに「食品づくりの約束」というページまで作っています。

ぜひご覧ください。

このページでは、以下の3つの約束について力強く宣言されています。

・食材の約束
・添加物の約束
・品質保証の約束

ページをご覧いただければ分かる通り、それぞれの約束中でさらに項目を分け、具体的かつ断定的に宣言を行っています。

健康食を日常に取り入れるために宅配サービス検討する人の多くは、食品に対する安全性を懸念します。

グリーンスプーンを検討する段階にいる人にとって、この宣言は大きなプラス要因になるでしょう。

実際にGoogleで「グリーンスプーン 添加物」と検索すると(2023年9月6日時点)このページが一番上に表示され、明確にグリーンスプーンのスタンスを示すことに成功しています。

SHIRO

SHIROのブランドプロミス

フレグランスやスキンケアブランドを展開する人気ブランドのSHIRO。

シンプルなスタイルと確かな品質で幅広い層から人気のブランドです。

SHIROは「ブランドプロミス」という言葉こそ使っていませんが、お客様に対して宣言していることがあります。

「お客様の繋がり」と題したこのページには以下のような宣言がされています。

私たちはブランドや製品を通じて、関わるすべての人が幸せになれるよう、お客様の想いを聞きながら、共により良いブランド・環境・社会を創ってまいります。

「お客様との繋がり」より抜粋

このようなの宣言自体、特別に珍しいわけではありません。

しかし、SHIROというブランドは自ら宣言した約束を守るために徹底しています。そのスタンスは明確に他のブランドと一線を画しています。

「お客様よりいただいたお声と弊社の対応」というタイトルがつけられた以下のページには、お客様から寄せられた厳しい指摘のみをあえて掲載し、その回答文を公開してHPに上げています。

多い時には週1回以上の更新もあり、2021年から毎月アップをしています。

実際に中身をみていただくと分かる通り、かなり辛辣な声すらも隠すことなく掲載しています。

このようなお客様からのフィードバックのみを集めて表に出すということは、珍しい事例だと言えるでしょう。

しかしながら、「お客様の想いを聞く」ということを宣言しているSHIROにとって当たり前のことなのかもしれません。

まさにSHIROらしい誠実さを体現した素晴らしい行動だと言えるでしょう。

lululemon

lululemonのブランドプロミス

lululemonはヨガ、ランニング、トレーニングなど高機能アスレティックウェアやシューズを展開するカナダのスポーツウェアブランドです。

2023年7月時点の時価総額は約6.5兆円で、アディダスの約4.5兆円を上回り、アパレル時価総額で世界3位まで上り詰めた世界的なブランドです。

特にlululemonは多様性へのこだわりが強いことでも知られ、「私たちのコミットメント」と表現されたこちらのページにはたくさんの力強いメッセージが掲げられてます。

lululemonのプロミスですごいのは、その宣言が具体的かつ締め切りまでを明確に書いていることです。

• 2020年9月までに、すべての従業員を対象に人種差別防止・不平等防止のトレーニングを実施する
• 2020年7月のシニアリーダーシップに対する教育を皮切りに、2020年10月からリーダーシリーズおよびリテールトレーニングプログラムを通して、部下を持つリーダー全員にインクルージョン、多様性、公正のカリキュラムを実施する
• 2020年末までに、私たちのコミットメントとより良い世界に向けた進捗を報告する年間インパクトレポート上で、任意の調査によって集計した従業員の人口統計データを公開する
• 2021年1月までに、リーダーシップチームを含む組織内の人材の多様性をサポートする新キャリア・ディベロップメントプログラムを実施し、従業員の公平な発展を促進させ
• 2021年7月までに、少数派コミュニティ内の教育機関と提携してグローバルインターンシップ プログラムを実施し、組織外の多種多様な人材を発掘する
• 2020年8月から、ルルレモンの募集職種に関して多種多様な候補者と面接するよう義務付け、採用プロセスを刷新してインクルーシブな実践を強化し偏見の撤廃をめざす

lululemonのプロミスの一部

実際にこちらがlululemonが公開したレポートの一部です。

宣言通り、自分たちが掲げたプロミスを実行している姿勢が素晴らしいです。

実際にこのような姿勢が共感され、多くのファンが世界中に存在しています。

ブランドプロミスは、それを叶えようと動く過程でマジックを生み出す。

ブランドプロミスは、それ自体はただの約束に過ぎません。

大事なのは約束そのものではなく、その約束を本気で達成しようと動いていく日々の活動にこそあるのです。

プロミスを掲げているブランドは多いです。

しかし、「本気」でそのプロミスを達成しようと動くブランドとなると数はグッと少なくなります。

そして、そのように「本気」なブランドこそが信頼を生み出す存在としてブランド価値を上げていくことになると、私は強く信じています。

短期的な売上という小さな話ではなく、様々なステークホルダーがブランドへのコミットメントを高める大きなきっかけになる。

ブランドプロミスを達成する姿勢があれば、少しずつ物事は変わり出していくはずです。

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