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いつも間にか私にもソーラーパワー

やっと晴れ間がのぞいた。

月曜日以降雨が続いており
じめじめとした空気が部屋いっぱいにこもっていたかと思えば
数時間後には乾いた空気が入ってきて寒い寒いと震えることになった。


ここ数日どうも元気がなかったのは
スペイン人だけではなかったようだ。

再び始まった学生生活と
仕事の両立の難しさからくるいらいら期を過ごしている夫を
どう受け止めるか(または夫の苦手なタイムマネジメントができていないだけだと放っておくのか……)、も含め

いろいろと
この天気では少々荷が重かった。


今日は朝から青空が広がっている。

市場に足が向く。
こういう時は活気のある場所がいい。
なぜか市場の中で迷ったのは
気持ちが「ここ」になかったからだろう。
そして単に今日も私がださいからだ。

自分でおかしくなって笑っていたら
顔見知りの店員さんたちが
声をかけてくれた。
今日は一人だからそんなに持てないのだというと
ほしいものを少しずつ、
ちゃんと持てる量に調整してくれた。

あっちのスタンドでは無口なペペが手を振っている。
それを見たおじさんおばさんたちから
とびきりの笑顔をもらった。

みんなこの太陽を待っていたんだなぁ。


柿1キロ、さつまいも1キロ、大根5本、リーク2本、
マッシュルーム250g

結構な重さになったので
速足で歩いていたら
大型犬の散歩をしている人たちが集まって話しているところに
遭遇してしまい
荷物の重さから早く帰りたい気持ちと
犬への恐怖心から遠回りをしようかという気持ちを
天秤にかけ
荷物が重いが勝ってしまったので
どきどきしながら道の端っこを早足で通り過ぎようとしたら
そういうときに限って犬たちはこっちを見るもので
意に反して飼い主の皆さんの注目を集めてしまい
数キロの野菜を抱え
恐怖心から目を合わさない怪しい日本人を見て
彼らは「おいおい、なんもせーへんで!」と
どっと笑ったので
その笑い声で犬の興味がそれたであろうところを
今だ! と思ったださい私は
小走りで通り過ぎた。

びびりすぎて声が出ない代わりに
変な会釈までしてしまった。

あぁ疲れた。

でも、やっぱりこうでなくちゃと
自分の日常感覚が戻ってきたことに喜びを感じる。

そして
青空の下を歩いていると
ソーラーパワーを必要としているのはスペイン人だけじゃなかったことに気づく。私もだ。

スペイン人は太陽からエネルギーをもらうけれど
私の場合はソーラーパワーだけでなく
スペイン人のときには暑苦しいぐらいの愛情により
心身ともにチャージしてもらっているのかもしれない。


さて帰宅後
作業中の夫に
紅茶を入れてあげようではないかと思ったら

「今日はコーヒー」

とぶすっとした顔でつぶやいてきたけれど
心のチャージができた私は
そんなことぐらいでは
へこたれないので
ほほほと笑って
自分に紅茶を淹れてやることにした。


夫のいらいら期が
いつまで続くかわからないけれど
こればかりは
夫をよく知っている友人曰く
「え、またやってんの? もっとはよ起きたらいいだけちゃうん」
ということになるわけで
まぁがんばってもらうことにしよう。

その間に
私は私でやれることを。

エネルギーチャージ満タン入りました、ということで
週末ははりきって過ごそう。

ビバ、ソーラーパワー!
ビバ、スペイン人のラブ!


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