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【最近よく聞く言葉】スモールマスでビッグにきめる

こんにちは!
私が毎回記事のテーマを探すときは「2020 マーケティング トレンド」といった風に検索をするのですが、もう少しで2020年も終わってしまうんですね…本来ならオリンピックが行われ、とてもいい1年になったことでしょうね。ですが、この機会にテレワーク含め色々と働き方や各種手続きがオンライン化されるなどいい傾向に働いているものもあります。今後も改革が続くといいですね!
そんなわけで残り少ない2020年の更新の1つである今回は「スモールマス」について書かせていただきます。

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1.スモールマスとは

スモールマスは2019年3月まで「花王株式会社」にて専務を務めていた、吉田勝彦氏が提唱している造語になります。「マスよりも小さいが、一定以上の規模を持つ市場」のことを指した言葉になります。
スモールマスが生まれた経緯を吉田氏は以下のように唱えています。

かつて花王には、マスを世帯として捉えて、その世帯ではみんな同じ物(商品)を使うという感覚がありました。まず消費者の意見を徹底的に聞き、(汚れがよく落ちる洗たく洗剤など)消費者が抱える課題解決につながる“良いもの”を、高い技術力を生かして1つ作る。それをマス・マーケティングを通じて売って高いシェアを取る。それが花王の売り方でした。
 しかし今では世帯をつくっている個人のライフスタイル、ニーズが多様化している。とても1つにくくれなくなってきた。例えば娘さんがシャンプーに求めるものと、お父さんが求めるものとは違う。シャンプー1つをとっても、家族全員がそろって同じものを使うという時代ではありません。
 そんな話を(ミーティングのメンバーと)しながら、これからはよりスモールな(少数の)グループが求めるニーズを深く理解し、それぞれに合った商品を開発・提供していく必要があるという議論をしました。そうした中で出てきたのがスモールマス(という言葉)です。

たしかにその通りですよね。私の家も母と2人暮らしですが、シャンプー・リンスをはじめ、食べる夕飯の内容も違います。多様化の時代ですね。
また「ブランドや市場の成熟化」もスモールマス戦略が行われる要因の1つです。ある一定のレベルを超えて市場が成熟すると、どの商品もある程度の質は担保され、機能も充実していきます。こうした市場の中では、画一的な機能訴求ではなく、より「この商品はあなた向きです」と発信していくことが重要になります。やはりこれもよりスモールマスな個人に行き着きます。
 特定の市場を対象とするマーケティング戦略に「ニッチ戦略」「ブルーオーシャン戦略」があります。これらと「スモールマス戦略」の違いとして、「ニッチ戦略」「ブルーオーシャン戦略」市場や事業の付加価値などを軸に「戦わずに勝てる市場を見つける」戦略であるのに対し、「スモースマス戦略」はあくまで「セグメントしたターゲットのニーズに応える」事を軸とした、ユーザー視点の戦略であるところに違いがあります。

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2.事例

■花王:めぐりズム
花王の社員さんが書かれたコラムによると、めぐりズムの担当の方は生活者に「リラックスアイテム」としての商品認知、および習慣的な利用を目指していたとのことです。
ます行ったことは「コミュニケーション対象者(Who)を確認」とのこと。新生活にリラックスアイテムを求める人はいるのか、その人はどんな人たちなのかをSNS上で調べました。それによると新生活の中には「入学」「就職」「転居」といったスモールマスがあることが発見できたと記載されています。どのスモールマスも気合いと不安が入り混じっている気持ちが表れており、「新生活を迎えるにあたってのリラックスアイテム」としてのアイマスクは受け入れ性が高いとの確信を担当の方は得ました。
次に考えるのは「伝える内容(What)と伝え方(How)」とのこと。
押し売り感を出さずに「めぐりズムのアイマスクはリラックスできる」というメッセージを伝えるために「入学」や「就職」「転居」などの不安に、めぐりズムで対処した人たちの声を募り、これから新生活を迎える人にそのエピソードを届けることにしました。Twitterキャンペーンでエピソードを集め、コンテンツ化し新生活を始める人に配信しました。
最後に行ったのは「情報の広がりと循環を考える」とのこと。
上記で行ったデジタル施策だけでは情報接触できる人の数は限られてしまうため、電車のつり革広告に掲載しリアルでも接触機会を作りました。施策をまとめると以下のようなものになりました。
1.投稿型のキャンペーンで発話を促し、エピソードを収集
2.SNSや広告でエピソードを読んだ人が新たな会話をする(共感や意見)
3.エピソードを電車の中吊り広告に展開して情報のリーチを広げる
4.中吊り広告から一部の人が別の話題(広告タレント)も追加してSNSに投稿
このように情報の広がりと循環が起こりました。ミュニケーション立案をする上で、どんなスモールマスがどれだけいるのか(Who)、そのスモールマスに何を(What)どのように(How)伝え、情報の広がりと循環を作り出していくのか、デジタルとリアルの枠にとらわれず包括的に組み立てたからこそ得られた結果だと担当の方は考えていたそうです。
以下が参考にしたコラムになります。

3.最後に

最近はユーザーにあった香水や化粧水を作るなど、「スモールマス」に着目した戦略が増えてきたように感じます。特にコスメやスキンケアブランドに多く見られるように感じます。私も肌が弱いので今の時代はありがたいです。
今回も拝読いただきありがとうございました!

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