オークションにおける落札価格の意味合い

昨日久しぶりにヤフオクをしてみました

『 どんどん値段があがっていく、
もう画面の向こうには1人しかいない。

相手が設定した自動入札の上限も超えた。
あとは終わりを待つだけ。

でも残り1分を切ったところでまた入札してくる。
こちらも心理戦を持ち掛け、残り15秒で再度入札。

またそれを上回る金額で入札してくる。
終わりがないと感じ始める。 』



でも、終わりは必ずあります。


ぼくは合理的と思える価格を持って入札していたからです。

その合理的と思える価格は、
海外から輸入した場合の購入価額に輸入送料を加算して、中古であることのディスカウント分を減算した金額。
だいたい5000円。

で、その「合理的」と思える金額は当初5,000円と決めていたけど、
5,250円までうっかり入札してしまった。
だけど、結局は相手がそれを上回ってきたので、
そこで競るのをやめました。
(ぼくは欲しいと思ったものをGetできませんでした)

ベンチマークとした5,000円の意味合い

オークション参加前に持っていた僕の理論値「5,000円」は、
バリュエーション理論的に言うとコストアプローチで算出した金額で、
日本の原価計算基準風に言うと再調達原価です。
参加可能なマーケット(つまり、国内の店舗やECショップ、海外のECショップのうち日本への輸出に対応しているところ)で「入手可能な最低価格」として算出した金額になります。

うっかりBetしてしまった価格「5,250円」の意味合い

理論的には、
今後同一商品のオークションに参加する際、
その参加者がマーケットアプローチによる理論値を算出するときに利用する一つのサンプルとなる価格。
オークファンのようなサイトに実績として記録されて、
次に同一商品を購入するつもりの人の参考価格となる。

オークションにおける落札価格の位置づけ

今回のオークションは、結局5,500円で
見知らぬ誰かが落札しました。

オークションは理論値を持って参加しないと、結果として落札価格が世の中の相場から乖離してしまう可能性があります。

落札価格が市場価格より下振れする分には
購入者にとっては相対的にお得だけど、
上振れする場合には相対的に損していることになる。
つまり、流動性の高い商品(=買おうと思えば別のショップでも買える商品)であれば、市場価格と落札価格の差額はドブに捨てた金と同じ意味合いになります。

例えば、薬局とコンビニが並んでいるとして、
薬局では500mlのポカリが「98円」で売られていて、
コンビニでは同じポカリが「150円」で売られている場合、
(価格に鈍感でなければ)薬局の「98円」のポカリを買いますよね。

仮にコンビニで「150円」のポカリを買って、
隣の薬局でそれが「98円」で売られているのを後で発見してしまったら、、「どぶに捨てた」と思ってしまいますよね。

オークションという特殊な状況(ミニバブル)を意図的に生み出すマーケットでは、そのようなことがよく起こってしまいます。
(ただし、ビンテージモノで「いまはお店では買えない」ようなものであれば、話は少し違います。情緒的価値に価格が付いて、ファイナンスの世界から離れていってしまうからです。)

つまり、オークションとは、市場で最も高い値段を付けに行く場所であり、事前の価格調査をせずに感情的に応札してしまうと、高い確率で損をしてしまうマーケットといえます(当たり前か・・。でも時折忘れてしまう。)。

得する方向でInformation Arbitrage(※)ができるように、感情的にならずに参加しないといけないですね。

(※)自分だけが知っている情報に基づいて、その情報を知らない人と取引することによって、本来的な価値と取引価格との差額を設けに行く取引。

以上、昨日のオークションで少し感情的になってしまったことへの
「戒めnote」でした。


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