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子どもがマインクラフトばかりやっています。どういうゲームなのですか。メリットはあるのでしょうか。

マインクラフトの特徴

マインクラフトは、一般のゲームには見られない特徴があります。
もっとも大きなものは、「決められたゴールがない」ことです。

ゲームはふつう、ゴールに向かって進められます。あるいは、ハイスコアを得ることを目的にプレイされます。いずれにしても、あらかじめ設定された「ゴール」に向かっていることは変わりありません。ところが、マインクラフトにはそれがないのです。
「俺は城をつくる」
「私はステキなデパートを建てる」
というように、ユーザは自分自身の目標を立て、そこに向かって進みます。つまり、100人いれば100通りの目標があるのです。
「城をつくる」というような遠大な目標に達するには、それまでに通過しなければならない関門がいくつもあります。また、城を建てられればそれで終わりではありません。「城に堀をめぐらせよう」「城門をつくろう」「城下町をつくろう」……新しい目標が生まれてくるのがふつうです。

したがって、マインクラフトには終わりがありません。ハタから見ると「マイクラばかりやっている」ように見えるでしょう。プレイしている当人にとっては城を築くプロセスと城下町をつくるプロセスはまったく異なっていたりするのですが、そのちがいはハタ目にはなかなか理解されません。

マイクラからプログラミングへの道

マインクラフトは、プログラミングへの導線としてとても優れていると思っています。たとえば、「レッドストーン回路」を組むことにより、AND回路、OR回路、NOT回路などの電子回路をつくることができます。プログラミングに必須の知識です。

また、MOD(Modification=改造・改良)データを自由につくることができます。たとえば、車や電車などの乗り物はマインクラフトのオリジナルにはありませんが、有志がつくったMODを追加することで、自分がつくったワールドに乗り物を走らせることができます。
MODは基本的に、プログラミング言語「Java」をマスターしなければつくることができません。習得は容易ではありませんが、MODをつくりたいからJavaを学んでいる子もいます。

MODにはたいがいのものがそろっているのですが、それを活用するだけでは構築できないものがかならずあります。そうなれば、自分でつくるしかありません。それが可能だということを知ること、遊びの中から「作り手」になることができること。それは、マインクラフトが備えている大切な性格だと考えています。

                 (TENTO代表 竹林暁)

●竹林が監修した本


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