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5月キャンプ

金曜日の朝。久々に予定のない週末だったので、梅雨に入る前に、とキャンプの計画をたてた。幸い、最寄りのキャンプ場の空きがあり前日に滑り込みの予約。白浜キャンプ場といって、宮崎の名所・青島にある海辺のオートキャンプ場だ。

学校から帰宅した娘に、明日はキャンプだよ、と伝えると、ものすごい勢いで準備を始めた。ゲームや工作も好きだけど、キャンプもかなり好きらしい。

持ち物をチェックすると、着替え一式の他に色鉛筆や画用紙、プログラミングの本やiPadなど、キャンプ用とは思えない道具が目一杯カバンに詰まっていた。そして買い物メモを渡された。
・マシュマロ ・クッキー ・くし(竹串) ・肉
焚き火もやる気満々だ。

土曜の朝、娘を絵画教室に送り、そのまま夫とスーパーへ。これまで何度もBBQの際に買い過ぎることを繰り返したので、厳選して食材を選ぶ。我が家のお気に入りは「ちぐさピーマン」と「佐土原なす」の丸焼き。

「ちぐさピーマン」
パプリカのような大ぶりな実が特徴の、ベル型ピーマンの希少種「ちぐさ」。大きく肉厚な実はジューシーで、ピーマン特有の苦みがなく、フレッシュなほの甘さは全国多数のファンを虜にしています。
ちぐさピーマン
宮崎県の伝統野菜「佐土原なす」。江戸時代から宮崎県の佐土原町を中心に栽培され、そのなめらかな口当たりと品のいい甘さで地元民に愛されてきました。
佐土原なす

どちらも大ぶりで皮がパンと張っていて綺麗な色。じっくり皮が焦げるまで焼くと、滴るほど汁が溢れ、甘みがあって美味しい。

地元のスーパーはお肉も野菜も豊富だ。この日は大きな牡蠣が売られていて、貝好きの夫は2袋いっぱいに牡蠣を詰めていた。他は、レタスにトマト、きゅうりなどサラダ用の野菜と鶏肉、牛肉、豚タンをちょっとづつ。娘所望のマシュマロや飲み物と、翌朝のホットサンド用にパンとハム、チーズなど。

帰宅して、キャンプサイトでの動きをシミュレーションしながら準備を進める。テント、寝袋、折りたたみの椅子にテーブル、焚き火台、グリル。

若い頃はBBQやキャンプが苦手だった。道具も準備も大変そうだし、肉の焼き加減もよくわからない。煙だ虫だと不快が多い事や、綺麗なトイレや風呂があることも稀だった。

数年前、夫がアウトドアギアにはまり、良い道具を一気に揃えた。最初は引き気味だった私も、その機能性と美しさに感動した。昔のしんどくて汚れるアウトドアとは趣が違う。

家族が増え、家事に慣れたことで、掃除や調理、衛生面への苦手意識がなくなった。日々の積み重ねでなんとなく習得したノウハウが、アウトドアでも役に立つ。屋外で工夫しながら生活する楽しさがやっと理解できた。

絵画教室から娘と迎えの夫が戻った。道具をどんどん車に詰め込む。道すがら、アウトドア用品店で足りないものを買い足し、CoCo壱で昼食をとった。キャンプサイトに到着すると、すでにたくさんの人が集まり思い思いにテントを張っていた。

テントを張るのも早くなった。娘も成長して即戦力になる。親がテントを張っている間に娘はマットを敷いて寝袋を運び込む。テキパキと用意し、ジュースやコーヒーで一服した後、海辺へ。

ここではミナガイという貝が取れるんだよ、と夫と娘が張り切って浅瀬を行く。遠巻きにカメラを構えてついていった。鬼の洗濯岩と呼ばれる、板が何枚も並んだような海岸は、生き物が豊富だ。

鬼の洗濯岩

たまに水鉄砲で娘に打たれながらテントへ戻る。17時を過ぎた頃、お腹が空いたと娘が訴えるので早くも夕飯の支度。焚き火台では夫が牡蠣を、娘がマシュマロを焼いている。ミナガイも茹で爪楊枝でつるりと引き出し食べていた。ひとつもらったけれど、普通に美味しい。美味しいけれど、貝が得意ではないので一つでごちそうさま。

ミナガイ

ガスのグリルは火の通りが早い。肉や野菜をどんどん焼いては皿に置いていき、あっという間に夕食を済ました。夫だけ、牡蠣をじっくり焼いては食べ、のんびりビールを楽しんでいる。その間、娘と二人近くの温泉へ向かう。風呂に入らなきゃゆっくり寝られない!と常々話す娘、えらいぞ。

温泉から戻り、後片付け。歯磨きを済ませ、娘は先に就寝。焚き火のそばで座っていた夫がウシガエルを見つけた。ランタンを片手に二人で追いかけ回す。カエル、かわいい。

夜も更け、寝袋に潜り込んだ。私は枕が変わると寝付けない。家からでかいマイ枕を持参したのが正解だった。歴代キャンプの中で一番ぐっすり眠れた。

翌朝、明るさに目をさますと6時をちょっと過ぎたくらい。自然光で目がさめるって素敵。ホットサンドメーカーで作った、トロトロチーズのハムレタスサンドを頬張った。小雨が降り出したので早々に片付け。9時前にはチェックアウトを済まし帰路へ。

曇り空で気温もちょうどよく、過ごしやすかった。夏になったらキャンプ厳しいだろうなあ… また突発でどこか行きたいものです。