5月キャンプ
金曜日の朝。久々に予定のない週末だったので、梅雨に入る前に、とキャンプの計画をたてた。幸い、最寄りのキャンプ場の空きがあり前日に滑り込みの予約。白浜キャンプ場といって、宮崎の名所・青島にある海辺のオートキャンプ場だ。
学校から帰宅した娘に、明日はキャンプだよ、と伝えると、ものすごい勢いで準備を始めた。ゲームや工作も好きだけど、キャンプもかなり好きらしい。
持ち物をチェックすると、着替え一式の他に色鉛筆や画用紙、プログラミングの本やiPadなど、キャンプ用とは思えない道具が目一杯カバンに詰まっていた。そして買い物メモを渡された。
・マシュマロ ・クッキー ・くし(竹串) ・肉
焚き火もやる気満々だ。
土曜の朝、娘を絵画教室に送り、そのまま夫とスーパーへ。これまで何度もBBQの際に買い過ぎることを繰り返したので、厳選して食材を選ぶ。我が家のお気に入りは「ちぐさピーマン」と「佐土原なす」の丸焼き。
どちらも大ぶりで皮がパンと張っていて綺麗な色。じっくり皮が焦げるまで焼くと、滴るほど汁が溢れ、甘みがあって美味しい。
地元のスーパーはお肉も野菜も豊富だ。この日は大きな牡蠣が売られていて、貝好きの夫は2袋いっぱいに牡蠣を詰めていた。他は、レタスにトマト、きゅうりなどサラダ用の野菜と鶏肉、牛肉、豚タンをちょっとづつ。娘所望のマシュマロや飲み物と、翌朝のホットサンド用にパンとハム、チーズなど。
帰宅して、キャンプサイトでの動きをシミュレーションしながら準備を進める。テント、寝袋、折りたたみの椅子にテーブル、焚き火台、グリル。
若い頃はBBQやキャンプが苦手だった。道具も準備も大変そうだし、肉の焼き加減もよくわからない。煙だ虫だと不快が多い事や、綺麗なトイレや風呂があることも稀だった。
数年前、夫がアウトドアギアにはまり、良い道具を一気に揃えた。最初は引き気味だった私も、その機能性と美しさに感動した。昔のしんどくて汚れるアウトドアとは趣が違う。
家族が増え、家事に慣れたことで、掃除や調理、衛生面への苦手意識がなくなった。日々の積み重ねでなんとなく習得したノウハウが、アウトドアでも役に立つ。屋外で工夫しながら生活する楽しさがやっと理解できた。
絵画教室から娘と迎えの夫が戻った。道具をどんどん車に詰め込む。道すがら、アウトドア用品店で足りないものを買い足し、CoCo壱で昼食をとった。キャンプサイトに到着すると、すでにたくさんの人が集まり思い思いにテントを張っていた。
テントを張るのも早くなった。娘も成長して即戦力になる。親がテントを張っている間に娘はマットを敷いて寝袋を運び込む。テキパキと用意し、ジュースやコーヒーで一服した後、海辺へ。
ここではミナガイという貝が取れるんだよ、と夫と娘が張り切って浅瀬を行く。遠巻きにカメラを構えてついていった。鬼の洗濯岩と呼ばれる、板が何枚も並んだような海岸は、生き物が豊富だ。
たまに水鉄砲で娘に打たれながらテントへ戻る。17時を過ぎた頃、お腹が空いたと娘が訴えるので早くも夕飯の支度。焚き火台では夫が牡蠣を、娘がマシュマロを焼いている。ミナガイも茹で爪楊枝でつるりと引き出し食べていた。ひとつもらったけれど、普通に美味しい。美味しいけれど、貝が得意ではないので一つでごちそうさま。
ガスのグリルは火の通りが早い。肉や野菜をどんどん焼いては皿に置いていき、あっという間に夕食を済ました。夫だけ、牡蠣をじっくり焼いては食べ、のんびりビールを楽しんでいる。その間、娘と二人近くの温泉へ向かう。風呂に入らなきゃゆっくり寝られない!と常々話す娘、えらいぞ。
温泉から戻り、後片付け。歯磨きを済ませ、娘は先に就寝。焚き火のそばで座っていた夫がウシガエルを見つけた。ランタンを片手に二人で追いかけ回す。カエル、かわいい。
夜も更け、寝袋に潜り込んだ。私は枕が変わると寝付けない。家からでかいマイ枕を持参したのが正解だった。歴代キャンプの中で一番ぐっすり眠れた。
翌朝、明るさに目をさますと6時をちょっと過ぎたくらい。自然光で目がさめるって素敵。ホットサンドメーカーで作った、トロトロチーズのハムレタスサンドを頬張った。小雨が降り出したので早々に片付け。9時前にはチェックアウトを済まし帰路へ。
曇り空で気温もちょうどよく、過ごしやすかった。夏になったらキャンプ厳しいだろうなあ… また突発でどこか行きたいものです。