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もらった時間

ひらのゆき

GW前夜の木曜日「たまにはひとりになって、ゆっくりしなさいよ」と夫と娘がふたりで外泊することになった。

夫が帰宅するのを、娘とふたり街中のイベントをプラプラしながら待つ。街中の大通りではピクニートというイベントが行われていて、ライブや、コーヒー、お菓子にカレー、ブリトー屋さん等の出店が並ぶ。

通りはすごくにぎやかで、知り合いもたくさん来ていて、挨拶したりおしゃべりしたりして過ごした。本当は、翌日には出展側でイベントを一緒に盛り上げるつもりだったけど、雨天で延期に。残念。

運営や、出展などに関わる人たちを知っているので、嬉しいなあとかすごいなあ、などと思いながら通りを眺めた。
(ピクニートの様子は、運営の一人でもある坂元ぽん太さんの記事がおすすめです。まっすぐな眼差しと文章が素敵です。)

イベント会場で夫と落ち合い娘をバトンタッチ。「じゃあね、楽しんでね」と言われ、ふたりと別れた。

夜ひとりになることは、ほとんど無い。
日中はいつもひとりで仕事をしているので慣れているのに、突然、夜ひとりになると、どこへ行ったら良いか途端に分からなくなった。

そうだ、レイトショーに行ってみたかったのだと近くのミニシアターに行く。時間を調べて、一時間後くらいに見たい映画があった。それまで小腹を満たして時間を潰そうと、近くのロイホに入った。

こんな時、イベント会場に戻ったり、顔見知りの店に行ったりすれば良いのに、根が社交的ではないので隠れる様にチェーン店に行きがちだ。

サラダプレートとパンを頼んでから、いいや、やっぱり滅多にない夜の自由時間なので、友達と飲みにでも行ってみたいと思い直した。

いそいそと一人の友人にメールをする。彼女にはいつも髪を切ってもらっていて、その間ダラダラと、とりとめのない会話をするのが楽しい。つい先日もカットしてもらいながら、ハッとする一言をくれた。サシ飲みをしてみたい。

仕事終わりの誘いに快く応えてくれ、ロイホでサラダ頼んじゃいましたけど、と伝えると「うけるー!」と返ってきた。テンションが上がる。

小洒落た焼き鳥屋さんに連れていってもらい、いろんな話をする。お互いの家を行き来して、家族ぐるみでお付き合いがあるので社交スイッチをオフにして話せるのが嬉しい。

途中、夫からメールが届く。どこかの串焼き屋さんでジュースを飲む娘の写真。楽しそうで何より。

夜更けに帰宅し、まだまだ遊ぶぞ!とアマゾン・プライムでドラマを見る。二話くらい見たところで力尽きて眠った。

翌朝、昼前くらいに目が覚める。夫と娘がいない朝。一人でコーヒーとパンの朝食をとって、またパジャマのままベッドに戻った。

気楽だ。元来、自分が怠け者で、気移りしがちの無計画な人間だったことを思い出した。

マンションの共用部の廊下から、にぎやかな話し声が聞こえてきた。「ただいまー!」と娘と夫の声。リカちゃん人形を買ってもらったと大興奮しながらまくしたてる。夫は昼用の弁当も買ってきていた。ありがたい。

ふたりは徒歩圏内のビジネスホテルで楽しい時間を過ごしたそうだ。
途中、娘が「お母さんに電話しようよ」と言い夫が「だめだめ、ひとりの時間を邪魔しちゃだめよ」とたしなめた。その後、夫が「お母さんにメールしてみようか」と言い、娘が「だめだめ、邪魔しちゃだめよ」と言った挙句の、串焼き屋さんからの写真だったらしい。

いつもと違う休日、とても楽しめました。かまってくれた方々と、かまなわいでいてくれた二人の気遣いに心から感謝しています。

知人にばかり気をとられてライブの写真しか撮っていなかったピクニート
少し早めの母の日にもらったお花