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はぐれぐー反省中

今日もいい天気で、元気に、いぬうた市の、きゅん君と、
ぐーちゃんは街を散歩中であります。
今日は、飼い主とママが一緒に散歩で、
飼い主は、ぐーちゃんの、ママは、きゅん君の、
リードを持って歩いています。
先頭はママと、きゅん君チームです。
きゅん君は、大変楽しそうに鼻歌を歌いながら、
実に小気味いいリズムで歩いています。
一方、飼い主と、ぐーちゃんチームは、
ママと、きゅん君チームから離れること、だいぶ後ろで、
というのも、全ては飼い主の歩くのが遅いからで、
疲れているからなのか、かなりだらだら歩きで、
ぐーちゃんも、飼い主にリードを持たれているのが、
大変不満なようで、まるで気のない歩きで、
飼い主に負けず劣らずゆっくりです。
なので、先頭のママときゅん君チームから、
どんどん差が開いていってしまっています。
「こんなにお天気がいいのに、ぐーの心はめっきりとドン曇り。それもこれも飼い主が、ぐーのリードを持っているからだわ。今日はママと楽しいお散歩が出来ると思っていたのに、何でよりにもよって、きゅんばかりがいい目にあっているのかしら?何か、ぐーが悪いことをしたとでも?」
ふと、ぐーちゃんは最近の自分の、
問題行動の有無を考えてみました。
すると、出るわ。出るわ。頭の中には溢れんばかりの、
お痛な、ぐーちゃんが行った悪さの数々の記憶が、
鮮明に蘇ってきました。
「何てこと!あれだったり、これだったり、ぐーには思い当たることばかりだわ。盗み食いしたり、拾い食いしたり、ママの靴下やスリッパをがじがじしたりと、あまりにもいっぱいありすぎて訳が分からないわ!」
一瞬、目がくらくらした、ぐーちゃんです。
「これじゃ、ぐーに罰が当たっても仕方ないわよね。ようがす。この飼い主にリード持たれる罰は、ぐー、甘んじて受けましょう。そしてこの時間を今から反省の時間と致します。ぐー、これからは悪いことは致しません。なるべく。できれば。たぶん。きっと」
と、飼い主にリードを引かれながら、
とぼとぼ歩く、ぐーちゃんです。
なので、更に速度が遅くなって、気がつくと、
先頭のママときゅん君チームを見失ってしまいました。
この事実に、ぐーちゃんは著しく焦ります。
「あれ!ママがいない!ママがいないわ!ぐー、ママとはぐれちゃった!もしかしてもう二度とこのまま会えないかも!これはきっと、ぐーの反省が足りないせいね」
そう思って、ぐーちゃんはもっともっと反省を重ねます。
「もうしません。もうしません。がんばってしません。もうしません。たぶんしません。きっとしません」
とお経のように唱えながら、歩いていると、
道の先の先に、ママと、きゅん君が微かに見えました。
ママが待っていてくれたのです。
「あっ、ママー!ママだー!よかった!これは、ぐーの反省が効いたおかげだわ!」
と、飼い主を無理矢理引っ張って、
急いで、駆けて行く、ぐーちゃんでありました。
「ぐー、遅いぞー!」と、きゅん君の声が聞こえます。
ぐーちゃんはそれでより速度を上げて、
1秒でも早くママに追いつこうとしました。
途中、美味しそうな鳥の唐揚げが落ちていたので、
ぱくっと拾い食いをしてしまいましたが。

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