いぬうた市のキャラクター
「今日もおはようございますー!いぬまるさん、お元気そうでなによりでーす!」
といぬうた市の、ぐーちゃんが朝の散歩の途中で、
挨拶したのが、いぬうた市のキャラクターである、
いぬまる君でありました。
この、いぬまる君は、いぬうた市の、
市の施設の看板のあちこちにデザインされていて、
その姿が見受けられますが、1番よく見かける場所が、
いぬうた市のコミュニティバスのボディに描かれている、
いぬまる君だと思われます。
なので、ふたりは、いぬまる君イコール、
このコミュニティバスだと思い込んでいるのでした。
いぬまる君のルックスといえば、
きゅん君や、ぐーちゃんと同じ黒色のわんこなので、
その点においてもふたりは、いぬまる君に、
とてもシンパシーを感じているのです。
このコミュニティバスは、
いぬうた市内を頻繁に走っているので、
大抵、ふたりが散歩に出ると、見かける可能性は、
極めて高く、そのたびに、ぐーちゃんは、
いぬまるバスに挨拶をするのでした。
それに比べ、きゅん君の、いぬまる君に対する感情は、
もうちょっと複雑です。
もちろんシンパシーを感じているのですが、
同時にライバル心もあり、ぐーちゃんみたく、
素直に接することが出来ません。
それは堂々と街中を走っている姿が、
きゅん君にとってはとてもうらやましく、
いつか自分もあんな風に走ってみたいという、
気持ちを抱いているからでありました。
「いぬまるは今日も楽しそうに走っているなあ。風を切って、とても気持ち良さそうだ」
と、隣で元気よく、いぬまるバスに挨拶する、
ぐーちゃんを尻目に、きゅん君は心の中でそう思うのです。
そうですか。そんなにうらやましいですか?
でもね。きゅん君。
いぬまる君にもいろいろいるんですよ。
いぬうた市のいろいろなところで、
いろいろな仕事をしている、いぬまる君が。
確かにあの、いぬまる君は派手な活動ですが、
地味な、いぬまる君もいて、その全部が、
いぬまる君なんですよ。
そう、例えば、きゅん君が首輪につけている、
鑑札も、
市が発行してますから、これにも、
いぬまる君がデザインされているんですよ。
「そうだったんだね。僕、知らなかったよ。僕ら、いつも一緒にいたんだね。君は全然、高嶺の花の存在じゃなかったんだね」
と、パッと明るくなった、きゅん君なのでした。
そして、散歩の帰り道、いぬうた駅前を通ると、
駅前広場に、何やらキャンペーンをやっていて、
そこに、いぬまる君がいました。
その、いぬまる君は着ぐるみで二本足でたっていて、
着ぐるみなので、人間と同じ大きさで、
そのデカさに、だいぶ引いた、きゅん君と、
ぐーちゃんでありました。
「いぬまる君、ちょっと仕事選んだ方がいいよ」
と、きゅん君ポツリ。
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