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気まずい朝

さあ、今日もいぬうた市の、きゅん君と、
ぐーちゃんの新しい朝が来ました。
最近は、飼い主とママのベッドで寝ている、
ふたり、一応、目は覚めましたが、
まだまったりとベッドでごろごろしています。
「今日は天気はいいのかしらね?」
ぐーちゃんが隣の、きゅん君に聞くと、
きゅん君はおもむろに仰向けになって、
窓の外に目を向けます。
「空が青くてキレイだよ。いかにもいい天気ぽっそうだ」
きゅん君が嬉しそうに言うと、ぐーちゃんも、
きゅん君の姿勢をマネして、
窓の外の空を見上げます。
「わあ、ホントね。お空がぴっかぴかしているわ。今日はいいことがありそうだわ」
並んだ、ぐーちゃんも微笑みました。
すると、ふたり並んで仰向けになった姿を見た、
飼い主が、ふたりのお腹を撫で始めたのです。
その顔は何だかとても嬉しそうです。
右手で、きゅん君、左手で、ぐーちゃんを撫でています。
その飼い主の顔を見た、きゅん君は言いました。
「何か僕ら、勘違いされてない?ぐー。飼い主は、自分に甘えにきた!と思っているんじゃないかな?もしや撫でて欲しいと懇願しているように見えたのでは?」
「間違えないわ。完全にそう思われているわね。何てシャクなことなんでしょう」
と、言いながら、とりあえず、
大人しく撫でられている、ぐーちゃんです。
「どうしましょう。だからって急に拒否するのも何だしだわ」
「撫でられるのは、正直好きなんだけど、でも飼い主の撫で方って雑なんだよね。時々痛い時があるし」
「ぐーもママに撫でられるのは大好きなんだけど。とにかく、ぐーは飼い主から、甘えにきた!って思われるのが、イヤなのよ」
「同感だね。ほら見てよ。あの飼い主のどや顔。ムカつくことこの上ないよ」
と、きゅん君は今にも、飼い主の手を噛みそうな表情です。
「落ち着きなさい。隣にはママも寝ているのよ。ここで飼い主に、ガブっ!とかしたら、ママの、ぐーたちの印象も悪くなるのよ。今はこの状態からどう抜け出すか?を考えるべきね」
「ごめん。ぐー。そうだね。そうしよう」
と、ふたりはとりあえず撫でられながらも、
どう現状から脱出するかを模索します。
しかしなかなかいいアイデアが思いつきません。
飼い主が、自分から撫でるのを止めてくれるのが、
一番いいのですが。
ぐーちゃんは思わずぼやきます。
「何で朝からこんなことに気を使わないといくないのかしら。今日はいいことありそう。と思った、さっきの気分は何だったのでしょう」
「ホント、今日は朝からついてないよ。これはイヤな日、確定だな」
きゅん君もげんなりしています。
一方、飼い主も、
これは、いつまで撫でていれば?思っているようで、
だんだんおざわりになり、それでも止められず、
気まずい雰囲気に、どんどん覆われていく、
いぬうた市の、きゅん君と、ぐーちゃんの、
自宅の寝室の朝の出来事でした。

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