連休に台風が！

せっかくの、いぬうた市の秋の連休に、
こともあろうか、台風がやって来るそうです。
しかも今まで来たことがない、
超大型台風というではありませんか。
何だかとてもイヤな感じです。
なので、きゅん君と、ぐーちゃんの家でも、
日帰りでちょっと1日遠出をする予定でしたが、
取りやめになってしまいました。
その事実に、とてもがっかりな、
きゅん君と、ぐーちゃんです。
ぐーちゃんは、以前、台風がやって来た時は、
台風のことをよく知りませんでしたが、
今回来るにあたって多少の理解はした、ぐーちゃんで、
台風はとても怖いものだと学びました。
だから、取りやめになると聞いても、
がっかりはしましたが、
同時に、それは仕方ないとも思ったのです。
何故かというと、
「連休だから、台風さんも、きっとお休みしたいのよね。この、いぬうた市に来れば、お休みになるから、きっと来たかったんだわ。だったら仕方ないじゃない」
と、言った、やっぱりよく分かっていない、ぐーちゃんです。
それに比べて、きゅん君は、
ストレートに台風に怒りをぶつけます。
「全く、台風も空気を読んで欲しいよな。僕たちばかりでなく、いぬうた市のみんながこの連休をどれだけ楽しみにしていたかをさ。夏休みは暑過ぎて出かけるどころじゃなかったし、それで、やっと多少暑さがとれて、さあ、いざ、遠出という時にこのザマだもんな。もしかして台風は嫌がらせでワザとやっているのかな？性格悪そうだもんな。台風って」
と、こちらもどこまで分かっているのか？
よく分かりませんが、気持ちはよく分かります。
いずれにせよ、こうなったら、この溜まった、
うっぷんをどうやって晴らそうか？
と、議題はそちらに移りまして、
遠出、出来ないのは誠に残念だけれど、
気持ちだけは台風に負けちゃダメだと。
きゅん君と、ぐーちゃんの意見が合致して、
じゃあ、何とか知恵を絞って、
台風を吹き飛ばすぐらいの面白い遊びを考えよう。
ということになりました。
それでしばらく、ふたり考えて、
「ぐー、出来ました！台風に負けない遊びを考えました！」
と、ぐーちゃんが何か思いついたようで、
「やるね。ぐー。では早速それを教えてくれるかな？」
と、きゅん君が振ると、
突然、ぐーちゃんが、きゅん君に体当たりをかましてきて、
「どーん！これが、台風より凄い、だいぐーだー！」
と言いました。
結果、ふたりには気まずい沈黙が流れて、きゅん君が、
「ぐー、それが本当に台風に負けない、面白い遊びとお思いか？」
と、捨てるように言って、
言われた、ぐーちゃんは、恥ずかしそうに、
みるみる顔が真っ赤になって、
改めて台風を、恨めしく思う、ふたりでした。