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仰向けがすぎる

はいはい、今日も、いぬうた市からお届けしますよ。
きゅん君、ぐーちゃん、よろしいでしょうか?
と、突如、「くしゅん!」と、きゅん君がくしゃみをしました。
更に付け加えると、ここは、きゅん君と、ぐーちゃんの自宅で、
時刻はまだ陽が明けたばっかりの早朝の頃合い、
そんな中、おふたりは2階の寝室のベッドの上で、
寝てるんだか、起きてるんだか、
その中間みたいな状態でまったりと過ごしています。
「いやいや、僕はしっかり起きているよ。ほら、よく見てよ。今、僕は仰向けになって、ママにお腹を撫でられているじゃないか。だから、くしゃみも出たんだし」
本当ですね。
きゅん君は、現在ママにお腹を撫でられいて、
大変嬉しそうであります。
ちなみに、ぐーちゃんは近くでその様子を、
冷めた表情で眺めています。
でも、きゅん君、くしゃみが出るということは、
ちょっと寒いんじゃないんですか?
最近、朝晩は冷えたりしますから、それなのに、
お腹をずっと出してなんかしていたら、
風邪引くか、お腹壊してしまいますよ。
「違うのよ。きゅんはずっとお腹を出していると、お鼻にお鼻水さんがたまって、それでくしゃみさんが出るのよ」
へえ、そうなんですね。
鼻の構造か何かで、あんまり仰向けがすぎると、
くしゃみが出るようになっているんですかね。
それだったらそれで、やっぱり仰向けの状態を、
長く続けない方がいいんじゃないですか?
「そんなことないさ。僕のくしゃみは一種の喜びの表現だから、全然いいことなのさ。だいたいママがせっかく撫でてくれてんのを、こっちから止められるかってんだ」
と、きゅん君は、いくら、くしゅん!くしゅん!
と、くしゃみが出ても、
仰向けの姿勢を止めようとしません。
まあ、きゅん君がいいんだったら、それでいいんですかね。
一方の、ぐーちゃんの表情は更に険しくなりましたが。
「くしゃみしながら、笑っているだなんて、全く不気味にも程があるわね」
面白くなく、ぐーちゃんが、
そう投げ捨てるように、言いました。
「ぐーはただうらやましいだけだろ。分かったよ。もうちょっとしたら、変わってやるから、あとしばらくだけ辛抱しろ」
と、くしゅん!くしゅん!のくしゃみの間に、
何だか偉そうに言って、それでまた、カチン!ときた、
ぐーちゃん、きゅん君に突進します。
しかし、目前で、今までで1番大きい、くしゃー!
という、きゅん君のくしゃみを、顔面でモロに浴びた、
ぐーちゃん、
「わ、ばっちい!きゅん、何してくれてんのよー!」
と怒りが爆発し、あわや、これはバトルか?
となりそうになった時、ママが介入してくれて、
今度は、ぐーちゃんを優しく撫で始めて、
たちまち、ぐーちゃんの怒りはあっという間に鎮まり、
きゅん君と、ぐーちゃんの家の平和な朝が、
すぐに蘇ったのでありました。

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